ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。
「中小企業白書2022年版」よると「就任経緯別に見た経営者に就任した動機」に関して
創業者は
1位:自己実現のため
2位:自分の裁量で自由に仕事をするため
3位:自身の知識や経験をいかすため
であるのに対し、同族承継の場合は
1位:会社の歴史を守るため
2位:従業員の雇用や取引先との関係を維持するため
3位:他に適任者がいないため
つまり、出発点において、創業者は「自分」が主な動機であるのに対し、二代目以降は「自分以外」が主な動機になっているという大きな違いがあります。
このため、初めて事業承継を経験される会社の場合、いろいろと試行錯誤されることも多いのではないでしょうか。
そして、もし二代目社長が会社の組織風土を大きく変えたいと考えておられるなら
人は本能的に変わることを嫌がる
↓
仮に会社をより良くするための改革であっても、社員はすぐには賛同しない
ことで、創業者にはない苦労に直面することもあります。
人も違う。
時代も違う。
就任した際の動機も違う。
それなのに、先代社長を単純にマネして会社経営しても上手くいく訳はありません。
逆に、上手くいかないことを前提にして、いろいろとチャレンジすることで、先代社長とは違った形で新しい事業を生み出し、この荒波を乗り切っていけるのではないでしょうか。
ちょうど1年前の9月27日に開催された東京商工会議所のセミナーでは、経営判断の基準となる「心意気」と事業承継に関連した内容について、お話させていただきました。
その際、お話しさせていただいたことの一つが
「5つの期待を捨てる」
です。
事業承継で二代目社長が創業者から事業を引き継ぐ際にはいろいろな壁にぶつかります。その際、「5つの期待」を捨てることで、壁を乗り越えやすくなります。
余計な期待は捨てて自分がコントロールできることに集中することで、新しいステージを開拓できます。