会社の仕組みを変えて、更なる高みを目指すためのポイント | 心意気から始める経営改革のススメ

心意気から始める経営改革のススメ

感情と紐づき、その人を突き動かす原動力である「心意気」を言葉にし、売上アップや人材育成に活かす「心意気経営」。「孤立無援」の状況を個性が立って応援される「個立応援」に変えることで、一人ひとりが自然体で成長し、真価を発揮する世界を目指します。

ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。

過去に成績の良かったプロゴルファーが低迷している時、その要因として、自分のスイングを改造中であるということがあります。

・もっと飛距離を伸ばしたい。
・もっとアイアンの正確性を増したい。
・深いラフにも負けない強さを出したい。

理由はいろいろですが、一度完成して結果が出ているものを、あえて壊すというのはかなり勇気のいることです。


結果的にスイング改造が上手くいかずに、また元のスイングに戻すという人もいます。

一方で、中には新しいスイングを体得して、さらに飛躍するという選手もいます。

そして、現状に満足せずに、さらに高い目標に向かってチャレンジするというのは、結果はどうであれ、素晴らしいことだと私は思います。


さて、会社においても、今の仕組みで仕事が回っている時、それを壊すことは勇気が要ります。

しかし、より高いレベルを目指すのであれば、いったん仕組みを壊して、流れを大きく変えるという決断も必要です。

また、変えた後も、そこで満足せずに、さらに改善を図るという取組みも大切になってきます。

そして、この変え続けるというのは、大企業ではなかなか難しく、中小企業こそ力を発揮できる分野です。

 

 

ただし、注意したいのは、何を判断基準に変えるかという軸をハッキリさせることです。

 

なぜなら、人は本能的に変化を嫌うからです。

 

 

判断基準がハッキリした上での朝令暮改はありです。しかしながら、判断基準に関する情報共有がないまま、単にいろいろと変えるだけだと、社員からすれば、「また、社長の言っていることが変わった」としか捉えられません。

 

すると、せっかくの変革も改革にならず、混乱だけ招いて終わる恐れもあります。

 

 

弊社では、経営者の心意気を言語化した上で、会社経営の基本となる、ビジョン、ミッション、バリューの伝え方を変えてもらっています。

 

仕事のやり方は時には日々変える必要があります。しかしながら、その変える際に「なぜ、変えるのか」に関する共通認識が必要です。

 

 

・売上高を優先するのか、利益を優先するのか

・利益の額を大切にするのか、率を大切にするのか

・お客様の要望をどこまでなら受け入れるのか

・他の社員が忙しい時に、何をすれば良いのか

・上司の指示に納得できない時は、どうしたら良いか

 

これらの項目は会社によって正解が違います。また、同じ会社でも、状況によって、優先順位が変わってきます。

その際、経営者が詳しい説明もしないまま「どうして、こんな利益の小さな契約ばかり取ってくるんだ」と怒り出すと、社員は表面上は言うことを黙って聞いていても、内心では「だって、まずは売上上げろって言ってたじゃん」と思っていることがあります。

 

つまり、変える際には、変える内容と共に、変える理由をきちんと説明するのがポイントです。

 

・前期まで:会社の認知度を上げるため、売上最優先

  ↓

・今期から:認知度も上がってきたので、資金繰り改善のために利益の額を重視する

  ↓

・3年後:上場を目指すので、効率性を高めるために、利益率を指標とする

 

といったように、変えるには変えるなりの理由があります。

 

その際、「どうせ、社員に説明しても分からないから」といって、説明を省略していると、組織の仕組みとしては絶対に回りません。

 

一方で、「社員は、今すぐには難しくても、いつかは理解してくれる」と信じて、根気よく説明を続けていれば、やがて、経営者の意図を分かってくれる社員が出てきます。

 

 

我々が経営者の心意気を重要視しているのは、このような愚直な実践を続けていくには、経営者自身が自分のやろうとしていることに腹落ちしていることが絶対的に必要だからです。

 

そして、一度完成した仕組みでも、より高いレベルを目指すのであれば、社員が反対しても、あえてその仕組みを壊す勇気を持つには、自分の中に確固たる信念が要ります。

 

 

今は変化が激しい時期なので、現状の売上や利益を確保するためでも、何も変えないという選択肢はありません。

 

その際、自分を突き動かす原動力である心意気を、自分の中の変わらない拠り所とすることで、客観的な観点から、変えるべきものは積極的に変えていきましょう。

 

 

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