自分の価値観と相反することを乗り越える | 心意気から始める経営改革のススメ

心意気から始める経営改革のススメ

感情と紐づき、その人を突き動かす原動力である「心意気」を言葉にし、売上アップや人材育成に活かす「心意気経営」。「孤立無援」の状況を個性が立って応援される「個立応援」に変えることで、一人ひとりが自然体で成長し、真価を発揮する世界を目指します。

ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。


以前海外で勤めていた時に身についたのが、確認癖です。

提出物の期日当日になって、「お腹が痛いから今日は休みます」という連絡が入ったり、「OK,Sir」という言葉を信じていたのに、いざ調べてみると、ほとんど何も進んでいなかったり、ということが何回もありました。

このため、部下に仕事を頼んだ時も、「あの件、どうなってるの?」とすぐに確認する癖がついたのです。


これ自体、別に悪いことではないと思いますが、ここ数年、「この確認癖は自分の価値観と矛盾するかも?」という気づきがありました。

すると、かえって問題がややこしくなってしまったように感じています。

 

私の場合、人から「強要」されるとモヤモヤします。したがって、期限に間に合わせるように自分が段取りをしながらやっている仕事について、途中で「あれ、どうなっている?」と聞かれるのも、嫌いな訳です。

 

一般的に自分が人からされて嫌なことは、人にもしてはいけないと教えられます。このため、確認する癖も、ある意味、自分が部下に対して強要していることになるので、本来であれば、避けた方が良いことになります。

 

 

もちろん、自分を突き動かす原動力である心意気を自覚するまでは、「確認癖=強要に相当する」という発想はありませんでした。

 

けれども、自覚した後は「確認癖は教養に当たるから止めた方がいいかも?」という考え方が浮かんできたという訳です。

 

 

実はクライアントさんの中にも、自分の心意気を知ったがゆえに、かえって一時的に混乱するという方がおられます。

 

その際、お伝えしているのは

 

心意気を知らずに使っている場合

心意気を知った上で、あえて使っている場合

 

の違いです。

 

 

私の場合で言えば

 

・確認癖は自分のモヤモヤを引き起こす要因となりうることを知らずに、他人に確認癖を強いている場合

→自覚しないでやっているので、上手くいかないことが多い

 

・確認癖は自分のモヤモヤを引き起こす要因となりうることを知った上で、あえて他人に確認癖を強いている場合

→自覚した上での取り組みなので、上手くいくことが多い

 

という感じです。

 

 

いろいろとマネジメントに関することを学んで、その通りに実践しているのに、社員がなかなか動いてくれなかったり、時には反発したりする場合、実は経営者の心意気と関係していることがあります。

 

・心意気を知らずにやっている→本人は自覚していないが、自分がモヤモヤすることを社員に対してやっている

 

・心意気を知った上で、意図を持ってやっている→自覚した上で取り組んでいるので、やり方次第で上手く行く

 

 

もちろん、誰だって、自分がされて嫌なことを人にはしたくありません。けれども、経営者であれば、たとえ一時期的嫌われようが、事業を続け、会社をさらに成長させるために、嫌なことでも取り組んで、限界を突破するということが求められます。

 

その際、自分の心意気を知っていれば、あとは客観的な観点から、思考の力を使って対応できる範囲が確実に広がります。


 

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