雪が降るとはお天気お姉さんが言っていたけど、こんな大雪になるとは思わなかった。

東京のテレビは雪が降るのを見てはしゃいでいる。こどもみたいだ。

明日は仕入れたスリップ転倒映像を喜々として流すことだろう。といいながらやはり他人の不幸は面白い。

テレビスタッフは、面白い転倒場面が撮れなければ、スタッフ自らが通行人を装って転倒して見せるんじゃないか。「いい絵、撮れましたか」とかなんとか。

 

オミクロンの感染急拡大でまたアホの中川日本医師会会長がしゃしゃり出てきて、「6波だぁー」とわめいていたが、もうおめえの言うことなんか聞かないよ、てなもんだ。

 

しかし、このオミクロン感染拡大よりもっと生活(経済も)に打撃を与えることがこの大雪であきらかになっているのに、なぜかオミクロンにかまけてテレビも余り報じない。

今日の昼、ちょっとだけニュースとして報じたようだ。夕方ニュースでは日テレエブリーが少し。

 

TBSNEWS 1月6日 12時39分

「東京電力によりますと、きょうは気温が低く、雪の影響で太陽光発電の出力が低下していることから需要のピークとなる午後4時から5時にかけて電力需給が「非常に厳しくなっている」と、でんき予報で発表しました。
 ピーク時の電力使用率は97%としています。ただ、火力発電で追加の供給力を確保していることから、いまのところ電力の安定供給に支障はないということです。」
(引用終り)

 

このTBSNEWS、電力逼迫を単なる「雪の影響で太陽光発電の出力が低下していることから」なんぞとデタラメというかわざわざ誤魔化そうという魂胆でこんな余計な文句を入れてくる。罪深いと言わざるを得ない。
しかも念の言ったことに

いまのところ電力の安定供給に支障はないということです

とまで付け加える。本当か。「ピーク時の電力使用率は97%としています。」って相当にひっ迫している状況じゃないのか。

 

確かに「いまのところ電力の安定供給に支障はない」ならそれで安心だが、その言葉は現実の電力需給の危機的状況から目を逸(そ)らそうという意図がありありだ。なぜなのか?理由があるのである。

 

農と島のありんくりんブログが昨日の記事で、とても大事なことを書いている。

「無策のまま電力逼迫の冬に突入」(2022.1.5)というブログ記事だ。

 

「今年の冬は危ない、電力マンは心密かにそう思っているはずです。

世界は、今年のCOP26で予想されたように深刻なエネルギー危機に陥りつつあります。

まずは日本ですが、予備電力が底を尽きつつあります。

この予測は既に去年10月には出てきましたが、解決の方途がみいだせないままとうとう冬に突入してしまいました。

NHKニュース

この冬の電力需給 過去10年間で最も厳しい見通し

2021年10月26日

この冬の電力需給の見通しは、全国7つのエリアでピーク時の需要に対する電力供給の余力を示す数値が3%台しかなく、過去10年間で最も厳しくなる見通しです。
このため、経済産業省は、家庭や企業にできる範囲での省エネを呼びかけることにしています。

この冬の電力需給の見通しについて、経済産業省は26日の有識者会議で示しました。
需給の見通しは、ピーク時の電力需要に対する供給の余力を予備率という数値で見ます。
それによりますと、厳しい冬を想定した場合、来年2月の予備率は、東京電力管内で3.1%、中部や関西、九州など6つのエリアで3.9%と、厳しい状況になります。
7つのエリアが3%台となるのは、過去10年で最も厳しいものとなります。
このほか、東北は4.4%、北海道は7%、沖縄は33.8%となっています。

この冬の電力需給の見通しは、全国7つのエリアでピーク時の需要に対する電力供給の余力を示す数値が3%台しかなく、過去10年間で最も厳しくなる見通しです。
このため、経済産業省は、家庭や企業にできる範囲での省エネを呼びかけることにしています」

(引用終り)

 

経産省はこんなことを言っています。

「具体的には、発電事業者に対して、保安管理の徹底や、計画外停止の未然防止を要請。火力発電設備を保有する発電事業者に対しても、燃料確保を呼び掛ける。産業界に対しては、省エネや緊急時における柔軟な対応への協力を要請するとともに、家庭など一般需要家に対しては、「無理のない範囲での効率的な電力の使用(省エネ)」への協力を求める」
(日商レポート2021年11月11日)

 

市民語に訳すと経済産業省が言っていることは、電力会社に自分で燃料調達をなんとかしろ、電力が払底したらよその電力会社から融通してもらえ、国民は部屋を温かくするな、ということにすきません。
これでは対策になりません。確かに惨憺たる状況です。

東京の電力予備率はわずか3.1%。適正率は10%ですから3分の1以下、まさにレッドアラートです。
こんな時期もあろうに、緑の百合子さんは、住宅の新規住宅には全部太陽光を設置しろとやるつもりだとか。まったく危機感がありません。太陽光なんかに入れ上げたから、日本の電源バランスが崩れたのですよ。
ま、このことはとりあえず置きます。 

 

(トラ注)

東京の電力予備率はわずか3.1%というのは、去年の10月の予測です。それが今日の大雪でTBSNEWSで報じられたように、電力使用率は97%に達すると言っています。つまり危機的状況なのですが、TBSは「電力の安定供給に支障はないと」と適当な誤魔化しを言い、しかも、そのひっ迫の原因を「雪の影響で太陽光発電の出力が低下しているから」と嘘を吐いている。これでは、雪が降らなければ電力ひっ迫の問題はないと言っているのと同じです。まさにミスリード!(終)

 

電力の予備率について簡単に説明します。
電力は生ものですから、発電したそばから使わねばなりません。
電気は常に「同時同量」で運転されています。簡単に言えば、電気を送る量と使った量がピタッと一致せねばならないのです。 
これを放置すると、まず発電所の発電タービンの制御ができなくなり、異常回転を起こして破壊され、中継施設も破壊されてしまいます。 

発電タービンは中枢部分ですから、ここが破壊された場合、復旧の見通しはまったくたたなくなります。 

そのうち良い蓄電装置ができて貯めたり出したりが楽になるでしょうが、今は無理です。
すると困るのは、気まぐれな再生可能エネルギー(再エネ)の諸君らの扱いです。
風が吹けば大量に作ってしまい、吹かねばゼロ、これでは同時同量なんてできるはずがありません。

(トラ注 ソーラーも同じ。作り過ぎても問題が出る。)

 

そこで再エネは火力発電とワンセットで稼働させています。
では、どうするのかといえば、再エネが発電量を減らし始めたらすかさず自動的に火力がその分補って発電を開始するのです。

 

このバトンタッチが崩れると、周波数を60Hzに保てなくなり、最悪の場合、大規模停電が発生する恐れがあります。
この周波数を一定にするために、瞬時瞬時に電源の切り換えをするという器用なことをやっています。
そのためには常に気象変動による需要の急増や発電機のトラブル停止などに対応するため、リザーブ電力を常に8~10%確保しておかないとたいへんなことになります。
これを供給予備率と呼びます。


しかし厳しい季節がふたつあります。空調をガンガン回す夏と冬です。
冬は気温が1℃低下すると、需要が35万kW程度消費電力が増加するそうです。
すると供給予備率は1~2%程度低下し、更に冬場の曇天時には照明需要が80万kW程度増加し、供給予備率が3%程度低下します。

前述したように適正予備率は8~10%ですが、下図の予備率推移を見ると今年は例年の半分前後しか予備率がありません。
実は電力は昨冬も逼迫しています。去年は需要に追いつかない地域に対して別の地域から送電する「融通指示」は1か月で200回を超えています。それでも去年はまだましで、だいたい6%台の予備率を持っていたのです。
それが今年はその半分ですから、どのようなことになるのか目に見えています。

この予備率払底の最大の原因は原油価格の高騰、これに尽きます。
下図のグラフをご覧下さい。(省略)

もう馬鹿馬鹿しいほどの原油価格の上昇です。
WTIという国際原油市場価格指標で80ドルを突破する勢いです。

原因はいくつかありますが、要はOPECとOPECプラス(ロシアなど非加盟の産油国)が、増産に応じなかったからです。コロナからの復興景気でそれでなくてもエネルギー消費が大きく拡大しているのに、産油国が一斉にオレの国は余計につくらない、と言い出したのです。
それはCOP26に見られるように、化石燃料を悪玉とし、中長期的には2030年代には廃絶するという流れが止まらないからです。
これで原油掘削産業への新規投資はピタリと止まりました。それはそうですよね。どこに10年後に全部廃止に追い込まれる掘削施設に投資しますか。
つまり電力逼迫の原因は、脱炭素にあったのです。

では原油がダメだとすると、残るはLNGと原子力の二つに絞られてきますね。
 

(トラ注)

ちょっとこの部分は私としてはよく理解出来ていません。

というのは、確かに原油は、脱炭素というバカげたことを真面目にやろうとする世界中の国のために値上がりしているのですが、原油高騰と火力発電の電力ひっ迫とどういう関係があるのか。

つまり、原油高騰でも輸入出来さえすれば火力発電は可能なはず。当然コストは上がり電力料金は跳ね上がりますが。もし、原油輸入が滞ったとしたらまさに電力ひっ迫にもろに効いてきますが、今はそういう訳ではないのではないか。

そうではなく、火力発電所の老朽化とか点検のため稼働が確保できないという理由ではないかと。それも脱炭素により火力発電所悪者扱いで増設困難なので、そういう意味なら「つまり電力逼迫の原因は、脱炭素にあったのです。」という農と島のありんくりん氏の言い方は当たっているのではないかと。それは次の説明からわかります。(終)

 

え、再エネを伸ばせばいいって。だから言ったでしょう、再エネは火力が予備率を支えているから稼働できるんだって。
火力の保護者がいなくなったら一人立ちできない電源なんですよ、再エネは。
その保護者がグラついているのですから、再エネがこれ以上増えたら支えきれなくなっちゃいます。

 

ところが頼みの綱であるはずの火力発電は、実は剣が峰に立っていました。

「日本エネルギー経済研究所の小笠原潤一氏は、「再生可能エネルギーが増え、採算の取れない火力発電の休止や廃止が進んでいる」と指摘する。
再生可能エネルギーの発電量にあわせて、火力発電の稼働率を上げたり落としたりすると、発電の効率は悪くなり、採算が取れなくなってしまう。政府の補助制度に支えられた安価な再生可能エネルギーが市場に流れていることもあって、火力発電から手をひく事業者が増えている
経産省は火力発電について、2016年から2030年までの間に、およそ1853万KW(大型の発電所およそ18基分)供給量が落ちるとしている。転換期ともなる今後数年は、電力逼迫の危機に陥る可能性があるという
(日テレ1月1日)

 

そして経産省までもが脱炭素の流れに迎合して、非効率な石炭火力をフェードアウトさせようとする政策を去年7月に発表しました。菅政権最大の誤りです。

「梶山弘志経済産業相は7月3日、発電効率が低く、二酸化炭素(CO2)を多く排出する旧式の石炭火力発電設備を動かせなくする規制措置を導入する方針を明らかにした。7月中に有識者を集めた会議の場で、具体的な制度設計の検討を開始する。
原子力発電所の再稼働が遅れている現在、石炭火力発電が生み出す発電量は全体の32%を占めている(2018年度実績)。今回やり玉に挙げられた旧式の石炭火力は、その約半分を占める重要な電源だ。
環境性能では劣る反面、設備が簡素であるためメンテナンスが容易で、減価償却が進んでいることもあり、「競争力では非常に優位にあった」(JERAの奥田久栄常務執行役員)。つまり電力会社にとっては「非効率」ではなくむしろ「高収益」の設備だった。
それだけに、電力各社への衝撃は大きい。虎の子の資産に対して経産省から環境性能の面で“不適格”の烙印が押されたからだ。

方針発表後、電力各社には投資家からの問い合わせが相次いだ。大手電力会社の中でフェードアウト政策の影響を強く受けそうなのが、沖縄電力、北海道電力(北電)、J-POWERといった、非効率な石炭火力発電への依存度の高い会社だ」
(東経2020年7月22日)

 

下の写真(省略)は北海道電力の苫東厚真石炭火力発電所。3基のうち2基は旧式です。

こういうのを止めろと国は言い出したのです。

この「非効率火力」は旧式な石炭火力のことなのですが、これが占める割合は下図のとおりで、沖縄電力など国のお達しでは全部建て替えねばならなくなります。

 

これでも日本は、EUのように2050年までにCO2排出ゼロなんて言わずに80%に値切ったり、欧州投資銀行が化石燃料への投資を2021年に禁止したのに対して、日本の国際協力銀行は条件つきで継続してみたり、EUが石炭火力全廃と言う中で、高効率の石炭火力は継続するとしたり一応独自色を維持はしているのですが、いかんせん世界はそちらへと一斉に走ってしまいました。もうお祭りです。

私は人為的CO2悪玉説は科学的に怪しいと思っていますが、こうなっては世界は止まりません。

 

主要国の発電電力量の電源構成 2015年

 

上図のエネルギー構成比率で黄色が石炭です。
日本の石炭依存率は3割、中国が7割、米国で3割、英国が2割、ドイツなど4割です。
石炭依存度が少ないのは原子力大国のフランスくらいなものですから、これを2050年までに全廃しようというのですから、そうとうにイっちゃっていると思います。
人類というのは理念ひとつでここまで自分の首を占められるのですね。

 

(トラ注)

電力は産業の大元、電力エネルギーが日本国の経済と社会、生活を支えているというのに、バカなガースー前首相は、頭が極端に悪い小泉進次郎を環境大臣にして、日本のエネルギー政策を滅茶苦茶にしてしまった。普通なら経産大臣がブレーキを掛けるのですが、脱炭素は儲かる、という世界中の妄想に乗ってしまい、国家の基本であるエネルギー政策をないがしろにしてしまったのです。

だから、今そこにある危機、電力ひっ迫の危機的状況に政府は知らん顔しているのです。

でも知らん顔してそのまま問題なしと言うわけにはいかない。ブラックアウトしたら政府や経産省はなんと言い訳するつもりでしょぅか。想定外だ、とでも!

因みに、電力は各地から融通できるのですが、厳寒・酷暑は日本全国の現象であり、融通する余裕のある電力会社はないはずです。(終)

 

こうして先行きを悲観した産油国は増産を拒否し、原油高は半永久的に続く可能性が出てきた中で起きたのが、ロシアのウクライナ侵略の動きでした。
これでヨーロッパに供給されているロシア産LNGの先行きが一気に不透明になってしまいました。

というわけで、原油もダメ、石炭もダメ、原子力はズタボロ、その上LNGも危ないというまさに八方塞がりの状況が、現在のエネルギー事情です。
とりあえず、この冬の逼迫に備えて、政府は休止している火力発電所の再稼働を促すなどの対策を行っています。
例えば、老朽化により長期計画停止をしていた姉崎火力発電所5号機は、1月から2月に期間限定で運転を再開。修繕をしながら、再稼働に備えています。
今年の冬は綱渡りです。

これは始まったばかりにすぎません。
毎年、夏冬になるたびに電力は底を尽き、原油価格の上昇は、あらゆるものの価格を押し上げていきます。
民は苦しみ、ESGに寄生する投資家ばかりがカネを懐にします。
グレタさん、これがきみが描いた美しい脱炭素の現実です。

(引用終り)

 

さあこの農と島のありんくりんブログを読まれた方、どう思いましたか。

こりゃ大変だ、と思いましたか。

まだこの文だけでは危機感ももう一つかもしれません。

 

しかし、電力ひっ迫により何が起きたのか、それは東日本大震災の際の原発事故で、東京や関東は計画停電に見舞われました。この時の計画停電はエリア限定で影響も限定的でしたが、計画停電されたエリアでは生活に大いに困ったことでしょう。

今日のこのような大雪時にブラックアウトすれば、凍死する人も大量に発生するかもしれません。

 

もう一つあります。それは2018年の北海道苫小牧の地震の際のブラックアウトです。

もう忘れたかもしれませんが、(北海道の人々は忘れていないはずです)ブラックアウトが現実に起きてしまいました。ブラックアウトは最悪事態です。

これについては、過去にブログ記事として何回か書いています。

 

・「北海道ブラックアウトは泊原発の再稼働で防げた、という意見に左翼が慌てて逆宣伝を開始したが…」2018年9月9日

・「北海道はブラックアウトになったが、東京は福島原発事故があってもそうならなかった理由は?」2018年9月10日

・「坂本龍一よ、ブラックアウトと冬場の乗越えを心配する北海道民にもう一度「たかが電気」と呟いてほしい」2018年10月9日

 

ブラックアウトは突然の変化・衝撃等が引き起こすので、厳寒の際の電力ひっ迫では、まずは節電の要請から需要削減が始まるはずですが、そんなにうまくいくでしょうか。

まずは、脱炭素・再エネ促進を叫ぶ者だけ停電して欲しいですね。そして小泉進次郎の邸宅も!

あと、脱炭素をプロパガンダする NHKはテレビ放送を中止して節電に協力すべきです。

 

まあ、節電なんてさせなくても、電力ひっ迫など起こさせない施策はいくらでもあるのです。

脱炭素政策を止めて、再生可能エネルギー発電を中止する。そして火力発電所にもっと投資をして強いエネルギー体質を作り出す。そのためには時間がかかるので、その間原発の稼働を許容する、ということです。

 

さて、最初の方で書いた

いまのところ電力の安定供給に支障はない」ならそれで安心だが、その言葉は現実の電力需給の危機的状況から目を逸(そ)らそうという意図がありありだ。なぜなのか?理由があるのである。」

の理由はもうわかったでしょう。

電力ひっ迫を問題にしたら、どうしても脱炭素政策が問題である、ということに行きつき、再生可能エネルギーの否定に繋がっていくからです。しかも、電力安定に最短の手段は原発再稼働です。

左翼のテレビ局は絶対に原発など容認できないし、脱炭素政策つつながる再エネを促進したいのです。

だから、嫌々ながら、「いまのところ電力の安定供給に支障はない」と国民を欺くのです。

 

EUは狡いですから、最近原子力を「グリーンな投資先」に認定しました。これは事実上EUの原子力「容認」にとどまらず、グリーン投資に入れたことによってもう一歩進んで「推奨」への転換と理解されています。

日本も脱炭素では原発を再稼働したいのです。(原発もCO2を出すのにそれは知らん顔)事故対策も前よりしっかりしているはずですから、厳寒を乗り切るために原発を使うべき時期でしょう。