二刀流(にとうりゅう)!
現在では 大谷翔平選手 を例える言葉として使われていますが、本来は左右に2本の刀を持つ剣術のことで、高度な技術が必要とされているのです。
ただ、鳴り物入りで二刀流として登場したものの、蓋を開ければどっち付かずの 中途半端 なものも中にはあって、そのひとつがお題にもある徳島県で走る DMV (デュアル・モード・ビークル)と言われています。
バスの形をしているけどバスで無い!
ベンベン!
レールの上を走るけど列車で無い!
ベンベン!
それは何かと尋ねたら件の DMV でして、要は鉄道区間は 鉄道モード でレール上を走り、途中から一般道へ入り バスモード で走るという「二刀流」なのです。
元はJR北海道の某氏が、 「マイクロバスに車輪を付ければ線路上も走れるんとちゃうけ?」 という誠に安直な発想から試験が繰り返されたのですが…
そもそもマイクロバスをベースとしているため、鉄道車両と比較して造りそのものが貧弱であるのに対して、それに重い鉄道用の車輪+昇降機を抱かせること自体狂気の沙汰なのです。
しかも、車輪とタイヤでは摩擦抵抗も大きく異なるはずで、だったらエンジントルクの出し方にも細かな制御がいるのでは?と思うのですが、真相はどうなのでしょうか。
※北海道での試験の様子
で、後に北海道ではこの運用を見送った訳ですが、2021年に徳島県の 阿佐海岸鉄道 で本格的な運用が始まり現在に至るのです。
ただ、世界的に見ても珍しい列車とバスの二刀流でしたが、年々乗客数が減ったことで 赤地経営 であるのと同時に、様々な問題点が噴出しているのが現状のようです。
◆総括運転が出来ない◆
オンシーズンとなれば一人の運転士で2両、3両と増結して運転できる列車と比較し、所詮はマイクロバスですから、どれだけ客が増えたとしても連結が出来ない構造で、1台のみで回すしかないのです。
これは、使い勝手の悪さでトップクラスだった シーネンツェッペリン の再来で、よしんば観光客らが押し寄せたとしても乗れない代物なのです。
◆頻発する故障◆
いわば手探りからスタートしたDMVゆえ 故障が頻発 していて、昨年だけでも通算70日で定時運行が出来なかったようですから、地元民にとっては 当てにならない公共交通機関 と言うレッテルが貼られているようです。
◆現金では乗れない◆
ネットでの事前予約制で定員がたったの18名(立つのは不可)のため満席になると 乗車拒否 されるので、そもそも沿線住民ですら気軽に乗ることが出来ないのです。
おまけに、現金不可という訳の分からないルールがあるため、肝心の地元の高齢者らの足としては全く役に立たず、区間によっては鉄道と比較して倍近く料金が跳ね上がったようですから、何をや言わんかなのです。
◆高い車両代とふたつの免許◆
バスに鉄道の要素をいれたチャンポンですから車両代はバスよりもはるかに高価であるのと、中型2種と動力車操縦免許両方持つ人しかハンドルを握れないので、 人手不足と言われる今日 に、そんな都合の良い人がどれくらい居るのでしょうか?
つまるところ、 猫の首に鈴を付ける がごとく、面白い発想には変わりないのですが、あくまで地域の足を担うと言うよりも、観光客向けのアトラクションの域を越えないのが現実なのです。
ぶっちゃけた話し、そもそもマイクロバス1台で足りる輸送量しか無い地域であるのなら鉄道は不要ですし、昔と比較しても道路事情は各段に良くなっているのですから、そんな 高価なDMV を導入する必要は全く無く、その費用で沿線の開発やバスを増車すればええんとちゃいますか?
かつては室戸岬を一周する 国鉄阿佐線 が計画されたものの工事が凍結された歴史があったのが尾を引いているのかどうなのか?
※高知側は「土佐くろしお鉄道」が奈半利まで来ているので、以遠を路線バスでカバーしています。
まあ、県としても 室戸岬に近い沿線への観光客誘致 を狙う目玉としてDMVを位置づけたかったのでしょうが、あまりにも得体の知れない未知のゲテモノに手を出してしまったのが運の尽きといわざるを得ません。
同地区は東京や大阪からのアクセスが極端に悪く、かつ一級観光地とは言えないスポットですが、だとすれば徳島空港から徳島駅を経由した観光スポット経由の 直通バス を休日に2~3本でも良いので運行し、アクセスそのものを向上させる方がベターでばないでしょうか?
いずれにしても、今ですら故障が頻発するDMVであっても、あと数年もすれば車両そのものを更新しなければならない時期ですから、その時が 辞め時 だと個人的には思うのです。







































