【幻】モーニン・ブルーズ 2024/04/27 | 澤田修ブログ

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ラジオDJ、ナレーター、音楽ライター、肉好き男、
澤田修のブログ

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TM. Walikin’ Blues「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-R.Johnson-  Rhino / Elektra 8122 798434 0

 

N  暑くなる、暑くなると大騒ぎした割には暑くないですね。黄金週間が過ぎて

 梅雨になる前の「初夏」は日本じゅうどこでも一番良い季節ではないのかな。

 特に北海道ではあらゆる花が同時に咲き出すそうで、一度それを見てみたい

 と思っているうちに、この歳になってしまいました。どんな光景だろうと未

 だ夢に見ます。

 さあ、今日も朝です。「幻」です。今朝は新しいグループで始まります。

 

M01.Paper Crown(4'28")The Black Keys

-unknown-  unknown

 

M02.Mack The Knife(3'08")Bobby Darin

-Brecht, Weil, Biltzteeim-  Goldies GLD 25642

 

N  これはブラック・キーズというオハイオのグループです。大家として空間を貸してくれ

 ている修が聞かせてくれました。この「パワー・クラウン」という歌が気に入って 

 ます。既に何枚かLPを出しているようですが、わたしには今のところ全てが

 謎です。

  2曲目は、先週有名なナイトクラブのコパカバーナでの実況録音でお届けしたボビー・

 ダーリンの「マック・ザ・ナイフ」、今朝はスタジオ仕様でした。このコパカバーナでの実況録

 音を聞くと、この唄い手の性格がよく分かります。

  ではコパの実況録音からまず「クレメンタイン」。

 

M03.Clemenntine(3'12") Bobby Darin

-Harris -  Real Gone Music RGMCD059

 

M04.You'd Be So Nice To Come Home To(2'09") Bobby Darin

-unknown-  Real Gone Music RGMCD059

 

M05.Dream Lover(2'04") Bobby Darin

-unknown-  Real Gone Music RGMCD059

 

N  どうですか、の歌手としての性格、お分かりでしょうか。リパトワ、唄の技術

 などは文句が有りませんね。お客さんを楽しませる事に歓びを感じて唄う姿

 勢も立派です。いわゆるホンモノのエンタテイナなんでしょう。「エンタテイナ」この言葉を知

 ったのは、子供の頃に毎晩読んでいたハンタ・デイヴィスの書いたビートルズ評伝の中

 でした。確か四人が海辺かなんかを散歩するところで出て来たと「記憶にご

 ざいます」。

  彼等は「優れたエンタテイナ」になりたかったんだそうです。「エンタテイナ」という言

 葉はそれまで知らなかったので辞書を引いて確かめました。今も手許にある

 研究社の「新英和中辞典」です。そこには「人を楽しませる人」とあって、「〜

 芸能人」と書かれていました。今でこそテレビでも「エンタメ」などと言って、こ

 の言葉は一般化していますが、当時はとても珍しい言い方でした。芸術でも

 芸能でもなく「エンタテイナかあ」とひとりで納得したのが、「記憶にございます」。

 この考え方が60年代末期の混乱を生んだのではないか、とわたしは考えます

 が、果たして・・・。

 

M06.Caravan(2'58")Bobby Darin

-Mills, Elligton, Tizol-  Goldies GLD 25642

 

N  ボビー・ダーリンで「キャラヴァン」でした。有名なクラブ、コパカバーナに出るなら、こ 

 の位のジャズナムバは唄えなきゃダメです。ボビーはとても上手に仕上げていまし

 た。先ほどの実況録音であなたもお気付きになったでしょうが、ボビー・ダーリ

 ンにはエンタテイナとしての天賦の才能があったんでしょう。実に進行がスムースですね。

 冗談を挟んだりしながら、伴奏を仕切ってコパを自分のもののように管理して

 います。しかも唄は決して間違えない。素晴らしい。実況で唄った「帰って

 くれたら嬉しいわ」、最後の「ドリーム・ラヴァ」など、憎いばかりの出来栄えで

 す。破綻なし。

  ただロックの感覚は未だありません。古い形のエンタテイナです。ここが災いして、

 後の世での評価が得られなかったんじゃないか、とわたしは推測しています。

 何せお手本はメイフィアの大親分、フランク・シナトラですからね。先人たちの言うことを 

 聞いて精進に励む、そうして人前では常識通りの芸を披露する、それがボビ

 ー・ダーリンでした。

  ただしボビーは自分の奏でる響きにもこだわりがあったようです。わたしが 

 「記憶にございます」のはボビーが専任のギタリストをいつも連れて可愛がってい 

 た事です。その頃は唄い手はピンの存在で、お店が用意したビグバンド編成に

 合わせるのが常。専任のギタリストなんてオヨビでないところに専任者を連れて行

 くのですから、たいした度胸です。

  「自分の音楽には自分で責任を持つ」と言う姿勢でボビー・ダーリンは1962年

 に『シングズ・レイ・チャールズ』と言うアルバムを出しました。明確な概念を持った1

 枚のレコードは評判にもなりませんでしたが、彼がレイ・チャールズという天才から沢 

 山の閃きを貰ったのは事実で、それを形にした苦労は計り知れません。よく

 やった、ボビー。

  ではそこから3曲聞いて下さい。

  まず「ザ・ナイト・タイム・イズ・ザ・ライト・タイム」

  そして「ハレルヤ、アイ・ラヴ・ハー・ソウ」

  最後は「己の涙に溺れて」、3曲続けてどうぞ。

 

M07.The Night Time Is The Right Time(3'25")Bobby Darin

-R.Charles-  Real Gone Music RGMCD059

 

M08.Hallelujah I Love Her So(2'49")Bobby Darin

-R.Charles-  Real Gone Music RGMCD059

 

M09.Drown In My Own Tears(3'21")Bobby Darin

-Glover-  Real Gone Music RGMCD059

 

N   如何でしたか。ボビー以外は何にも分かっちゃいませんね。現場でのやり切 

 れなさは想像を超えるものがあったでしょうね、きっと。もう時効でしょう

 が、わたしにはわかりますよ、あんたの苦労がね。

 

M10. Things(2'33")Bobby Darin

-Darin-  Goldies GLD 25642

 

M11.Early In The Morning(2'15")Bobby Darin

-unknown-  Goldies GLD 25642

 

N  シナトラが娘のナンシーとふたりで唄った「シングズ」、これはボビーの作品です。さぞ

 や嬉しかったでしょう。お手本と仰いだ人が、自分の作った歌を娘さんと唄

 ってくれるのですからね。

  続けた「アーリー・イン・ザ・モーニング」、これもボビーの自信作だったようです。

 が、ほとんど、レイ・チャールズの「アイ・ガッタ・ヲーマン」とおんなじです。替え歌と

 言ってもいいくらいです。レイの影響の大きさを物語っています。

  先人たちの言うことを聞いて精進に励む、そうして人前では常識通りの芸 

 を披露する、そんなボビー・ダーリンでしたが、当然そこにはスタンダード曲も入っ

 て来ます。当時は当時はそういったスタンダードにも、まだいい歌があったので、

 ボビーも救われたのではないでしょうか。

  ではそんな一曲、「イト・エイント・ネセサリリイ・ソウ」。

 

M12.It Ain't Necessarily So(3'25")Bobby Darin

-I.&G.Gershwin-  Goldies GLD 25642

 

M13. Mack The Knife(4'39")Ella Fitzgerald

-Brecht, Weil, Biltzteeim-  Real Gone Music RGMCD059

 

N   この女の人は、「マック・ザ・ナイフ」をジャズのナムバとして固定させたエラ・フィッツ

 ジェラルド。有名なベルリンでの実況盤からでした。その実況盤が何処かへ行って

 しまっているので、「リル・ゴーン・ミュージック」の4枚組からお届けしました。オリヂ

 ナル盤には、これよりも長い即興が唄われている「ほら、おっ月さんがあんな

 に高く」が入っています。この仕様は筒井康隆の短編の素材にもなりました。

 しかしながら「マック・ザ・ナイフ」の方が知られているのは、原曲の認知度によ

 るものでしょう。流石はクルト・ワイルですね。エラ・フィッツジェラルドでした。

 

M14. Midnight Train(2'12")Johnny Burnette

-Duncan-  DAY2CD108

 

M15.Lonsome Train(2'07")Johnny Burnette

-Moore, Substoky-  DAY2CD108

 

N  さて先週紹介した正体不明の唄い手ジョニー・バーネットです。このロカビリー支持者

 の間では非常な人気を持つ男、先週はよく知られたタイニー・ブラッドショウ

 の「トレイン・ケプト・ア・ローリン」でした。これに代表されるように、この人は汽車 

 の歌を多く唄っています。お父さんが国鉄職員だったのでしょうか。今なら

 さしづめ「唄いテツ」とでも呼ばれるのかな。今朝はそのうちの2曲を聞い

 て貰いました。まず「ミドナイト・トレイン」、そして「ロンサム・トレイン」でした。

 

M16.J.J.Frash(4'28")Johnny Winter

-M.Jager, K.Richard-  CBS  CK30475

 

N  同じジョニーでも、こちらは「寒い冬」です。先日、片付けをしていたら、ジ

 ョニーとエドガーのウインター兄弟のコムピが出て来ました。これはいつか紹介しようと

 ずっと持っていたものです。ジョニーの方は明日のロック・スターが少なかったCBS か

 ら「100万ドルのブルーズ・ギタリスト」としてのデビュー以来、しばらく付き合って 

 いましたが、日本で人気が出始めた頃はソウル・ミュージックばかり聞いていたので

 荒川ではなくて、江戸川を含めてよく知らないのです。ワーリッツアの電気ピアノを

 首から釣って舞台に立っていたのを見た時には、驚きました。「これは置いて

 引くもんじゃないか」とね。子供ばんどがエドガーをよく演ってましたね。そ

 れくらいです、わたしがこのふたりについて知っているのは。

  そのコムピ盤にも入っていたローリング・スーンズの「ジャムピン・ジャック・フラッシュ」で

 した。狂ってますね、ジョニーは。もっと狂え、とフィルモアのお客さんたちが煽っ

 てます。この熱気は凄い。

  次への曲間が空いてますが、これはCDになったジョニー・ウインター・アンドの実

 況盤の「J.J.フラッシュ」からの続きでロックンロール・メドリーに繋がるところなんです。

 普通CDになると、このようなA面とB面の間は通して聞けるようにうまく

 誤魔化すものなんですが、この『ライヴ ジョニー・ウインター・アンド』ではそれがされ

 ていなかった事でしょう。こういうのも面白いと言えば面白いですね。

  では「ロックンロール・メドリー」です。曲目は「火の玉ロック」「のっぽのサリー」「陽気

 にやろうぜ」、やはり狂っていたジェリー・リー・ルイスの歌がふたつ入っています。

 

M17.Rock And Roll MedLey

~Great Balls Of Fire~Long Tall Sally~Whole Lotta Shakin' Goin On

(6'47")Johnny Winter       

-J.L.Lewis, Jhonson, J.L.lewis-  CBS  CK30475

 

M18.Highway 61 Revisited(5'09")Johnny Winter

-B.Dylan- CBS  CK85735

 

N  『ライヴ ジョニー・ウインター・アンド』LPのB面1曲目、「ロックンロール・メドリー」の次は

 最近新しく組まれたコムピ・ベスト盤にも入ってたボブ・ディランの「追憶の高速道

 路61号線」でした。これもショーゲキだったな、今から50年以上前は・・・。

 次はこの国でジョニーを有名にした「ロックンロール・フーチークー」。

 

M19.Rock And Roll Hoochie Koo(3'31")Johnny Winter

-unknown-   BSMF-7712

 

N  さてご存知のように、ジョニー・ウインターはテキサス生まれです。CBSと契約する前

 にも地元では相当なキャリヤがあって、大手から世に出る時にその頃の録音が出

 てました。よくある話ですが、ジョニーの場合は生涯この衝動を超えられなかっ 

 たように思えてなりません。ようやく実現した来日公演にも出かけましたが、

 座ってブルーズを弾くジョニーはその音楽に魂を持って行かれたようでもありま 

 した、ブルーズという音楽に、です。

  先の「ロックンロール・フーチークー」で、少しだけポップな存在になれましたけど、「狂

 い」の程度はともかく、この時の録音がジョニーの最高傑作だとわたしはわたし

 は信じています。

  その吹き込みは、この歌「ローリン・アンド・タムブリン」で始まりました。

 

M20.Rollin' And Tumblin'(3'13")Johnny Winter

-M.Morganfield-  Repertoire REP4866

 

M21.I'ts My Own Falt(7'18")Johnny Winter

-King, Taub-    Repertoire REP4866

 

TM  Born In Chicago 「アサー」入り / Paul Butterfield Blues Band

-N.Gravenites-  Rhino 8122 798434 0

 

N  最後は「わたしの誤り」、毎晩オープン・テイプに録音したこの歌を聞い 

 ていた16歳の頃を思い出してました。

  今朝は珍しく数人の歌唄いでまとまりましたね。特集形式を採らない「幻」

 で、こういうのは稀です。かつて新宿に拠点を置いていた民間エフエム放送局で

 は「○×特集」とか銘打って、レコード会社の宣伝担当が言う通りに見本盤を

 回していた番組が沢山ありました。こう言う方がエフエム誌などの記事になり易

 く、歓迎されたのです。でもね、次に何が飛び出してくるか分からない方が

 面白い、とわたしは安易な「アルバム」特集に、その頃から大いに反対だったの

 です。

 

   今朝の特別付録は、以下の隠し場所です。どうぞお楽しみ下さい。

   https://96.gigafile.nu/0503-c66ea4e2d4a5de4ba798d3b502af4ee26

   今日もだいぶ苦労しました。慣れない新型でやると時間がかかると思い

   古い方を使ったんですが、何回やり直したかもう分からないな。たいし

   て速く出来ませんでした。ダウンロード・パスワードは、いつものようにありま

   せん。

   使用音楽素材図絵は、ここです。

   https://96.gigafile.nu/0503-c3a73ba0c3ed0199c2e443f87ad08ff3e

   ダウンロード・パスワードは、同じく「なし」。

   共に7日間の限定です。古いPCですので、わたしが意図していない部

   分があるかもしれません。ご容赦ください。

 

  今朝も、ちょうど時間となりました。

  こちらは、https://ameblo.jp/djsawada よろしくお願い致します。

  どんなコメントでも受け付けています。どうぞご自由にご投稿下さい。

  エックスのhttps://twitter.com/hashtag/blues761?f=live も便利です。お好き

  な方で構いません。聞いているだけのあなたも、是非どうぞ。

 

  「幻」モーニン・ブルーズ、鷲巣功でした。今朝も首都圏で9人のあなただけに。

   そして全国で9500万人のあなたにも、黄金週間のアサー。急に暑くなるか 

  もしれません。お気をつけて、どうぞ。

 

 

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