
ハーバード大学から注文があったようです。
今年の1月に、父が参画せざるを得なかった50年前に勃発した流山市での常磐道建設に際した住民運動史の本を出しました。父の残した文章を下に再編集したものです(私は編纂会のメンバーとして参画しています)。これは日本で最も成功した住民運動という評価が固まったものですが、同時に高速道路の覆蓋化とその有効活用における日本初の事案となっています。また、こうしたインフラ建設が住民主体の運動によって決まったケースはおそらく世界に類を見ないものです。この運動のスピンオフ的なものとして1980年代には、法制化に先んずること10年以上前からNPOのプロトタイプ的な運動を行い、日本の福祉NPOの先駆けとなる事案となったことも文書化しました。その結果として住民運動史でもあり、地域史でもあり、住民の地方自治への参画のあり方など、多方面に関わる内容の本になったと思っています。50年前の話ですし、爆発的に売れるようなものでもないので急がずじっくり売れれば良いか、とは考えているのですが、先日出版社の方からのメールでハーバード大学から発注があったことを知りました。何を専攻されている方が買われたのかは伺っていませんが、こうした形で拡散していくことはとても嬉しいことです。こうした運動は時の経過とともに忘れ去られて終わりですが、この事案だけはきちんと書籍化して残したいという思惑があって作った本ですが、やはりやって良かったと思います。本のデータを添付します(国会図書館のDBです)
間接疑問文?関係代名詞?
中3の甥の英語の教科書を見せてもらっていたらこんな文がありました。
Tell me what you have done.
これが間接疑問文の例文として上がっていたのでびっくりしました。なぜってこれは関係代名詞whatでも解釈可能だからです。
教科書を書いた側としては
Tell me.という文にWhat have you done?という疑問文を組み込んだ形としたかったのでしょうが、高校英文法を学ぶと、これは
Tell me the things which you have done.即ち
Tell me what you have done.
という解釈もできるはずですというか私はそう理解したので疑問しか湧きませんでした。例文としては悪文としか思えませんでした。
他のセクションを見ても、関係代名詞では主格から入らずに、接触節、すなわち目的格の関係代名詞の省略から入っていて頭がクラクラしました。誰の差金か知りませんが、却って分かりにくくなっている印象です。文部科学省は日本人がもっと英語を使えるように、と躍起になっていますが、これでは無理というか逆効果に思えます。年寄りの戯言ではないかとも一瞬思いましたが、ケンブリッジの文法書でも関係代名詞は主格から入っているので、私の思い違いではな いようです。これでは英語嫌いが増えるだけではないか?としか思えません。
Dave Pellというサックス奏者を知っていますか?
というタイトルにするということは日本でほぼ知られてないということです。この人は1950年代にいわゆるウエストコーストジャズな4管4リズムのオクテットを率いた人なのですが、いわゆるウエストコーストジャズというカテゴライズに乗ることがなかったのです。彼はレス.ブラウンのビッグバンドの花形テナー奏者でもあったのですが、レスのようなビッグバンドは1940年代から稼働しており、ジャズというよりはスイングダンスビッグバンドというか、いわゆるウエストコーストジャズのムーヴメントから除外して見られていたようなのです。残されたインタビューを見てみると、そのオクテットはショーティ.ロジャースと話し合って8人でビッグバンド的な厚みのあるサウンドを作るというアイディアだったことがわかりますし、アレンジャーをみるとウエストコーストジャズの梁山泊のような状態です。当時はカレッジのプロムで非常に人気があったらしく、年1-2枚のペースでアルバムをリリースしています。それでもジャズ系のレコードガイドにはあまり紹介されてなかったりします。彼のアイディアにはユニークなものが多く、例えば地名がタイトルについているいわゆるご当地ソングだけを集めてアルバムにしてみたり(Jazz and Romantic Places(
)),男女の恋の始まりから終わりまでのようなタイトルを並べたアルバム(Love Story(
))などもあったりします。こういう企画はこの時代のジャズでは極めて珍しいです。恐らくはポップであることが常にコンセプトとしてあったのではないかと思います。そうした傾向は60年代末期のThe Dave Pell Singers(
)などにも存分に伺うことができます。彼は60年代にはレコードレーベルのオーナーをやったりなど経済的には成功していたので、ジャズじゃないとかシャリコマだとかそういうノイズは彼にはどうでも良かったのかもしれません。
私はたまたま1990年代の終わりくらいに偶然に彼の音楽を見つけて、当時は彼も健在でネットで譜面を売ってくれていたので、それを買って演奏することを始めたのですが、一曲の演奏時間が短く、感情の赴くままに延々と長いソロを取るようなスタイルとは無縁で、日本のジャズ関係者が見落としているスタイルと感じました。この音楽を取り上げたときに面白がってくれたのは前田憲男先生とか瀬川昌久先生など、当時の音楽を生で知る人たちでした。個人的にはいわゆるバーンアウトなスタイルではなく「音のデザインとしての音楽」ということを考えさせてくれるものでした。音楽は常に時代やスタイルを反映するもので、クラシックに古典派やロマン派があるようにジャズにもスイング、ビバップ、ウエストコーストなど様々なスタイルがあります。ありものの譜面を演奏するということはジャズではネガティブに捉えられがちですが、きちんと譜面の残ったものは再演することでそのスタイルを長らえさせることができるのですからむしろ大切な気がしますし、大半のジャズアンサンブルは使い捨てなので、それを修復して再演することもまた意義のあることだと思いますし、実際にejazzline.comはその活動を始めてかなりの年月が経っています。幸にしてDave Pell Octetの譜面は70曲程度が手元にあるので、時々演奏してあげたいなぁ、と思っています。とりあえず次回は8/18です。