西洋音楽におけるスケールの巨大なバグについて。
西洋音楽理論はダイアトニックスケールをベースにした音楽なのですが、実は巨大なバグがあると考えています。それはダイアトニックスケールが「7音」であるのに、記譜の基本は1小節を「2の乗数」で分割して考えることにあります。全音符、二分音符、四分音符、八分音符、十六分音符など、分割のルールは2の乗数です。ところがダイアトニックスケールは7音なので、記譜のルールに対してスケールが文字足らずなのです。西洋音楽の暗黙のルールは「拍のアタマにコードノートが乗る」ということなのですが、八分音符で下降スケールを弾くと、拍の頭に来るのはCAFD、即ちCmaj7ではなくDm7になってしまうのです。Cメジャースケールなのに、下降ではCメジャーにならない、ということになってしまうのです。そしてクラシック音楽ではC Maj7上で下降スケールを使うには、最初のCを四分音符にするのがデフォルトです。これが私の考える西洋音楽のバグです。
これを解決するには、ダイアトニックスケールにもう1音足して8音スケールにする必要があります。一つ経過音を追加してあげれば良いのです。Cmaj7に対応させるにはG#一択です。こうすると1オクターブに対して8音になるので、4/4であれば常に小節の頭にルートであるCを置くことが可能になります(G#を経過音にする手口はクラシックにも早くから存在します)。このスケールはジャズでは一般的にビバップトニックスケールと呼ばれます。これはダイアトニックとは「違うモード」になるので、ダイアトニックといわゆるビバップトニックを適宜組み合わせることで2つのスケールを使い分ける、ということができます。バリー.ハリスが提唱した6th diminish scaleという呼称は、ダイアトニックといわゆるビバップトニックスケール(バリーはビバップスケールという呼び方を一切しませんでした)。一つの音楽に2つのモードを取り入れるだけで、音楽表現は非常に能弁になります。教会旋法はダイアトニックをどこから始めるかだけの話で、一つのスケールに準拠したもものに過ぎません。西洋音楽が「ダイアトニックスケールを軸足にしながらそこから逸脱することも可能」になるための最も基本的なものがこのビバップトニックスケールにあるのです。
コルネットについて動画を作りました。
2年ぶりくらいにyoutubeに動画をアップしました。コルネットって今使う人をほとんど見ないのですが、音色など非常に魅力的なのです。2013年くらいから使いはじめていますが、ドラムレスの小さな編成であればこれをメインで使いたい感じです。吹奏楽でもトランペットとコルネットの使い分けをきちんとすることは稀ですが、音色が全然違うので、やはり指定通りの楽器編成でやってもらいたいなぁ、と思ったりします。
近年楽器の値上がりがすごいですが、コルネットは需要があまりないのでお値段にプレミアが乗らないのでお得感もあります。使う人が増えるといいなぁ。
西洋音楽の暗黙のルールとバグ。
クラシックやジャズなどのいわゆる西洋音楽には暗黙の了解みたいなものがあるように思われます。書かれているものもあれば書かれていないものもあると感じます。書かれていないもので最も重要なことはこれだと思います。
「拍の頭にコードノートが乗る」
というのがそれです。保育園児くらいでピアノを始めたばかりの子が左手でドレミの歌の左手をドミソだけを弾き続けると、レのところでディソナントになるというのが非常にわかりやすい実例ではないかと思います。Cトライアドに短9度でファが当たるのはかなりきつい不協和です。曲のキーがCである時に、ただただCのコードだけを弾いていても音楽にはならないのです。メロディラインに沿ってCスケール上でできる他のコードを適宜弾いていく必要があります。
この「拍アタマにコードノート」という原則なのですが、ここにダイアトニックスケールの大きな落とし穴があります。それは7音スケールであるために起こります。
8分音符でスケールを弾くと上昇スケールであれば、最初の1小節目はコードノートが当たりますが、次の小節では拍アタマの構成音はDm7になってしまいます。下降で弾くと最初の1小節目はDm7の構成オンになってしまいます。Cスケールなのに下降ではCmajを弾けないのです。これを回避するには1拍目を4分音符にしないといけません。
この現象を回避するにはどこかに経過音を置いて8音スケールにするという対応策があります。8音スケールならば、8分音符で引き続けても常に小節の頭にルートの音を置くことができるからです。
ダイアトニックスケール上に1音加えて8音スケールにするためにはG#一択になります。
これはレヴィンのセオリーブックなどではビバップトニックスケールと書かれていたりします。他方バリー.ハリスはこのスケールをCmaj6とDdimに分解して6th diminish scaleと呼びました。バリー.ハリスの考え方は音楽におけるコードとスケールの概念を非常にフラットに見せてくれるものです。これはまた後ほどで詳しく書こうと思います。