by S.J.Rozan
541ページ
Rozanは、Lydia Chin/Bill Smithの二人が活躍する私立探偵もので有名な作家。
自分も、上記シリーズのファンになったのがきっかけで、本作を読むことになった。
Lydia Chin/Bill Smith Novelについては、語ることがたくさんあるので少しずつ記事にしていきたい。
"Absent Friends"は、幼馴染である7人の男女を中心とした物語。
7人のうち2人は、20代のうちにとある事故で亡くなっている。
そして2001年9月11日、40代半ばになった彼らのうちの1人、消防士のJimmyが救助活動の中で死亡。
Jimmyは消防士の鑑のような人物で、9.11の英雄として人々に勇気を与えていた。しかし、Jimmyが生前に、裏世界の人物から黒い金を受け取っていたという疑惑が発生する。記事を書いたのはHarryという記者なのだが、彼はJimmyの残した手記の存在を匂わせつつ、突然橋から飛び降り自殺をしてしまう。
Harryの死因は、本当は他殺なのではないだろうか。そう考えたのは、Harryの同僚にして恋人のLaura。Lauraは、周囲の反対を押し切って、Harryの死の真相を確かめるべく、Jimmyの周りの人物に接触してゆく。
物語は、さまざまな人物の視点から描かれ、さらに過去と現在も交錯している。
少しずつ、少しずつ、絡み合った結び目がほどけていくように、真実が明らかになってゆくというパターンか。
アップダウンはあまりなく、一貫して重く淡々とした語り口が続いてゆくので、波には乗りにくい作品だと思う。
ただ人物描写、情景描写の繊細さは、さすが評判どおり。ゆっくりじっくり読んでいくことをおすすめする。
登場人物にはそれぞれの思惑があるのだが、大切な誰かのためを思って行動しているところは皆共通している。
悲しみの中に垣間見える、いろいろな「愛」をかみしめてほしい。
難解な文章ではないが、ガンガン読み進められるタイプの小説ではないので、英語学習者にはけっこうハードルが高いかも。ページ数も多いので、長期戦で行こう。
面白さ:★★★★☆
英語の読みやすさ:★★☆☆☆~★★★☆☆
秋の夜長におすすめ度:★★★★★
