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ブラッスリー・グー(神楽坂)

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【店名】 Brasserie Gus
【所在地】 東京 神楽坂
【ジャンル】 仏料理
【支払額】 2人で9600円くらい
【俺P】 74点

前から気になっていた神楽坂の人気店。
1~2週間先まで予約で埋まると聞いていたのだが、一昨日の建国記念日の昼に、今夜はどうかと電話したところなぜか取れる。
しかも行ってみたら少し空席あり。
場所柄、日祝日はかえって空くのかもしれない。

夜のメニューは、前菜+主菜+デセール各1皿のプリフィクスコースのみ。2980円。
私は前菜に仔ウサギのテリーヌ、主菜に牛舌のポワレ、デセールにガトー・ショコラ。
彼女は前菜にサーモンのマリネ、主菜に牛フィレステーキ、デセールにクレーム・キャラメルを選んだ。
いずれも7~10種類程度の中から選べ、しかも追加料金の発生する料理が一切ないのは好感。

ただ惜しむらくは、ワインリストが最低であることだ。
このクラスの店であれば種類が少ないのは仕方ないとして、だからこそ厳選すべきだと思うのだが、ここのリストには一生懸命選んだ形跡が全くない。
おそらく酒屋の言うなりに買っているだけなのだろう。
その上値付けも高いときているから、良いところなしだ。

このような店には持ち込んで飲むに限るのであるが、何とここは持ち込み不可だという。
ならば一体どうせよというのか。

そもそもこの店のリストは3000円~4500円くらいの品が中心で、ハウスワインには1995円の500mlカラフェもあり、しかも見たところ女性客中心だから、売り上げをワインに依存しているとは到底思われない。
仮に持ち込みを許可したとして、1本2000円も抜栓料を取れば、全く利益は減らないと考えられるにも関わらず、どうして不可なのか。

何も節約のために無料で持ち込ませろなどと、法外なことを言っているわけではないのである。
店に良いワインを揃えられないならば、ワイン好きの客には抜栓料を取った上で持ち込ませ、料理と合わせて楽しんでもらえば良いことではないか。
これは双方にとり損にはならない話なのに、全く不可解なことだ。

やむなくハウスワインの赤をカラフェで頼むと、案の定というべきか、果実味に欠け旨くも何ともない酒が出てきた。
このように低品質なものを、最も多くの人が注文するハウスワインに採用する了見を疑う。
せっかくの料理がもったいないではないか。

もしかしたら店主が下戸で、試飲もせぬまま客に出しているのかもしれない。
持ち込み不可なら不可で、詳しい人に選んでもらうなりし、もう少しまともなワインを妥当な値段で揃えるべきであろう。
是非とも改善していただきたい。

肝心の料理だが、これは良かった。

前菜、主菜ともにヴォリューム満点。
メインの肉など、私のタン、彼女のフィレともに150gはあったと思う。

味はシンプルでしっかりしており、ビストロ料理としては模範的といえるスタイルで素直に旨い。
デセールも無難。

これで2980円は、間違いなく良心的だろう。
料理のコストパフォーマンスにおいては、高田馬場のラミティエにもそう引けを取らない水準にあると思う。

それだけに一層、ワインの点が惜しい。
持ち込み可なら通うのだけれども、多分再訪はもうない。
しかし下戸の友人には薦めてみようと思う。

ドメーヌ・ダルトン VdP・デ・コート・デュ・ガスコーニュ・ブラン・アルトン2006

【生産者】 Domaine d'Alton
【銘柄】 Vin de Pays des Cotes de Gascogne Blanc Arton 2006
【産地】 仏 コート・ド・ガスコーニュ
【購入店】 エノテカ
【価格】 831円(12本で9975円)
【俺P】 73点

ガスコーニュの白を飲むのは、もしかして初めてか…?
と思って調べてみたら、安旨ワイン界では定評のある、俺も何度か飲んだドメーヌ・デュ・マージュもガスコーニュ産なのであった。

マージュについては、価格の割にリッチだが少し甘い、というような印象を持った記憶がある。
これについても似たような感じかなと予想していたが、全然違った。

柑橘系、青林檎、マスカットといった爽やかな果実香が、抜栓直後から旺盛に広がる。
爽やかな果実味はもちろんのこと、ミネラルと酸がかなりしっかりしておりバランスが良い。
とりわけミネラル感については、この価格帯のワインとしては異例の水準にあると思う。

飲み飽きせず食事と合わせやすい、非常に好感の持てるスタイルのワイン。
個人的にはマージュよりも、ずっと良いと思う。
文句なしに買い得品。

クロ・デ・フェ レ・ソルシエール2005

【生産者】 Domaine du Clos des Fees
【銘柄】 Cotes du Roussillon Les Sorcieres 2005
【産地】 仏 コート・デュ・ルーション
【購入店】 Grand Vins 松澤屋
【価格】 1200円くらい
【PP】 89点
【俺P】 78点

三夜にわたってのソルシエール垂直、完結編。
抜栓すると、03、04にはなかった硫黄系の還元香が漂う。それとインキーな香り。

還元香は時間とともに減退し、甘い黒果実、スパイス、ハーブ、土等が前に出てくる。
03、04に比べるとやや酸があり、ミネラル感も強くてスタイリッシュな印象。

ピュアな果実味の魅力は04と同じで、現時点から充分おいしく飲める。
しかし3~5年くらい置くと、もっと良くなるかもしれない。

早めに抜栓しておけば良い話なので還元香には目をつぶるとすれば、この05が3本の中で最も好みだ。