「あの時こう言っていれば
「あの時こうしていれば」
っていう後悔って
誰にでもあるものですよね。
もちろん私にもあるんですが
中でも未だにずっと後悔している事があるんです。
それは今からもう30年以上も前のこと。
ある銀行で見た光景についてです。
その日、外出中だった私は
お財布の中にあまりお金が入っていないことに気づき慌てて某銀行へ。
ところがなぜかその日に限ってATMが大混雑&大行列!
でも当時は今のようにお金がどこでも下ろせる状況ではなかったので
仕方がなくその大行列に並んだんです。
すると、私の何人か前に不自然な2人組が並んでいるのを発見。
杖をついたよぼよぼのお爺さんと腕を組んでいる
30前後ぐらいの超派手な女。
茶髪のロン毛
つけまつ毛バサバサの超ド派手なメイク
真っ赤なミニのボディコンワンピ
「この2人、何なん・・・?」
何とも言い難いイヤ~な違和感を覚えて
二人の様子をずっと伺っていたんですが
その内にこんな会話が聞こえてきたんです。
爺ちゃん
ワシは何でここにいるんじゃろ~か?
女
もう!お爺ちゃんたらヤダわ~!笑
今日はお金を下ろしに来たんでしょ~?笑
爺ちゃん
そうじゃったかのぉ?
女
そうよ~~!
そしてその数分後・・・
爺ちゃん
ワシは何でここにいるんじゃろ~か?
女
だ~か~ら~~
今日はお金を下ろしに来たんでしょ?笑
一人じゃ下ろせないっていうから一緒に来てあげたんじゃないの~!笑
爺ちゃん
そうじゃったかの?
女
もう!しっかりしてよお爺ちゃん!笑
完全にボケてる老人と超ド派手な若い女・・・
どう見てもお爺さんと孫には見えない・・・
もしかしてこの女・・・・
全くの赤の他人で
爺さんに預金を下ろさせて
奪おうとしていたりして?
一瞬そう思ったんです。
もちろん今だったら完全に
「認知症の老人を騙して金を奪い取る詐欺師だ!」
と思うはずですし、
すぐ行員に教えるか
もしくは警察に電話するかなど
何かしら行動を起こしたはずです。
でも今から30年も40年も前って
そういう詐欺を見たことも聞いたこともない時代で
「絶対におかしい」「絶対に怪しい」と思っても
まさかそんなことが本当にあるとは夢にも思わなかったので
「いかんいかん!人を見かけだけで疑うのは良くない!」
「きっとお爺さん思いの孫か何かなんだろう」
そう思って何も行動を起こさなかったんです。
そしてそれは周りの人達も同じで
あれだけ大勢の人がATMに並んでいたのに
その女のことを行員に通報する人は1人もいませんでした。
そのことを思い出すたび今でも
「クッソ~~!!」
「何で通報しなかったんだろ!」
「もし間違いだったとしてもいいから通報すべきだった!」
と思いますし当時の自分を
ぶっ飛ばしてやりたい気持ちになってしまいます