昨日に続き、本日も勇者シリーズの記念日となります。
本日は冒険をテーマにしつつ、そのやりたい放題感から「シリーズきってのカオスアニメ」との呼び声も高い
迷作にして怪作たる名作「黄金勇者ゴルドラン」放送開始30周年記念の日です。
シリーズの異色作『黄金勇者ゴルドラン』伝説カオス回×2を語り継ごう 放送30周年(マグミクス) - Yahoo!ニュース
ストーリーはタクヤ、カズキ、ダイのいたずら大好きわんぱくトリオが、
ひょんな事からドランを目覚めさせた事が発端となり、ワルザック共和帝国との攻防戦をしつつ、
世界を巡って他の勇者を目覚めさせ、幻の黄金郷「レジェンドラ」を目指す冒険活劇となっています。
・・・が、本作は3人を「お子たち」と称するライバルキャラにして帝国の王子、
ワルターの間抜けぶり(こうなるのは世間知らずが災いしたのとだいたいお子たちのせい)をはじめ、
最初から最後までハチャメチャな展開など、制作スタッフ(主に監督)のやりたい放題さ全開が持ち味だったのです。
中でもドランが子持ちとなった挙句女房の尻に敷かれてしまう33話、ゴルソドランなどのバッタもんロボに加え、
「勝手に冒険を始めるな!」という迷言が生まれた37話は特筆すべきエピソードと言えます。
メカに関しても勇者ロボの伝統を継承しつつ、グレートゴルドランのまとまり方が秀逸である点も見所です。
グレートゴルドランはレオンカイザーの上半身が丸々余る問題点を、
グレートアーチェリーにして解決してしまうパワープレイも語り草です。
ところがその裏では、制作中止&シリーズ終了という可能性も存在していました。
というのも、前年の1994年4月1日にサンライズがバンダイグループの傘下となり、
ライバル会社であるタカラ(現タカラトミー)がメインスポンサーであるがゆえに一度止まったものの、
諸説ありますがタカラの粘り強い説得にサンライズ側が応えた事、
他社のマーケティングを失う事のリスク回避などにより本作にGOサインが出て、
後発の「勇者指令ダグオン」と「勇者王ガオガイガー」まで繋げていきました。
そしてゴルドランの存在はある意味、高松監督が携わる事になるアニメ版のこち亀や銀魂など、
悪乗りをはじめとしたやりたい放題感全開なアニメ作品のルーツとなった・・・はずです。
そういった意味では、迷作・怪作にして名作と言える・・・と思います。
立体物に関しては当時のDXトイも完成度が高く、フルメッキ仕様での復刻も行われていましたが、
リメイクでの機会は少ない部類であり、現行ではコトブキヤ製のキットのみです。
商品化するにあたり、ギミックとプロポーションに関しては容易ではあるものの、
一番のネックは黄金勇者だけあって、金の表現がメーカーにとっての悩みどころと言えます。
というのも、成型色では擦れや剥がれを気にせず遊べるものの、成型色次第では質感がマイナスになりがちであり、
(ついでに言うと・・・金プラは経年劣化の問題がかなり深刻視されています)
かと言って全塗装やフルメッキにすると・・・擦れと剥がれに加え、価格が跳ね上がってしまう問題があります。
トイライズやTHE合体がどのような答えを出すのか、これも今後気になる点です。
95年は後にアメリカの人々をも魅了したガンダムW、怪物作となるエヴァなどの名作もありましたが、
自分らしく約1年間を駆け抜けたゴルドランもまた、この年の象徴でもあるのです。
痛快な冒険物語を求めるなら、迷う事無くご覧下さい。