ON AIR STORY(´・ω・`)ノ ブログ小説 -152ページ目

ON AIR!!生徒会 ~妄想編「会長の夢 私はアリス。でも私は私その1」~

パタンっと私は本を閉じる。「いい天気ね。」私は本をひざの上におき目を閉じて小説の余韻を楽しむ。季節は秋、天気は雲ひとつない快晴、暖かな日差しの射す中、私は生徒会室で一人本を読んでいた。普段から本をよく読むのだけど今は学校側が設けた読書週間というものをやっているため、私は昔からよく読んでいた本をもう一度読み直すことにしていた。

読書週間というのは図書館の利用率が低下と子供達の文字離れ、読解力の低下が進行しているのを危惧して図書局会と連動して行っている行事である。といっても最近ではブログや携帯小説などなど意外と文字に接する機会は増えていると思うのだけど、純文学や評論といった部類のきちんとした文章を読む子供というのは確かに減少しているのだろう。と私の管轄ではないのでこのあたりで考えるのをやめて小説の余韻に浸っていよう。

たっくんがこの間、美卯ちゃんと日向ぼっこをしていたあたりに椅子を置き、静かな生徒会室で一人でいる。

構図で言うと少し寂しい気もするのだけれど今はこの日差しと静寂が心地よい。

「眠たくなってきたわね。」たっくんが昼寝をしてしまう気持ちがわかる。こんなにもぽかぽかとしているのだから眠りたくなるのも仕方がない。私も少しだけ……。


どのくらい寝ていたのだろうか。気がつけば窓の外は暗かった。「誰も来なかったのかしら?」そんなはずはない、寝ていたとしてもこのくらい暗くなる前に誰かが来て私を起こすか、ただでさえ元気のいい子達がいるのだから私がその声に気づかないわけもない。それに生徒会の仕事を無断でサボる人はいない。

「遅刻だ遅刻だ~。」たっくんの声が聞こえたので安心すると共に声のするほうを見る。「窓の外?」声がしたのは窓の外からだった。でも、ここは2階のはず、けれど声はまるで同じ階層にいるようにはっきり聞こえてくる。すると「遅刻だ~どうしよ。急がないと。」首から懐中時計をかけ、ウサギの気ぐるみを着たたっくんが窓から入ってくるとそのまま生徒会室のドアを開け出て行く。「小さかったわね。」たっくんは決して背の高い方ではなくむしろ小さい方なのだけど今通ったウサギたっくんはいつもの半分くらいの大きさだった。私は少し考える。いくら考えても出てくるのは同じ答えだ。

「私もおかしな夢を見たものね。まあせっかくだから楽しませてもらいましょうか。」私は軽く溜息をついた後、気分を入れ替えてウサギたっくんの後を追うことにした。

生徒会室を出ると廊下は異常なほど暗くまるでトンネルの様にまっすぐに続いている。ただ私を導くかのように床が白く輝いている。「さてと追いましょうか。」私は軽く駆け出してウサギたっくんを追う。さっき見た限りでもそこまで足は速くなかった。すぐに追いつけるだろう。そう考えて一本道を自分のペースを保ちながら走る。


走り出してから少したった後、前方に明るい光が見えた。「出口かしら?」私はペースを少しだけ上げて光の元に向かった。トンネルのような廊下を抜けるとそこはでたらめなというかメルヘンな世界が広がっていた。

「さすが私、なかなか良い想像力しているわ。」頬に手を当てて感心する。

「って感心している場合じゃなかったわ。とりあえずたっくん探さないと。」とりあえず私は周りを見渡す。だけどウサギのようなシルエットもしくはものは見当たらなかった。どうしようかしらと私は考えたがとりあえず先に進むことにしよう。私はとりあえずまっすぐに歩き出した。


周りの景色は意外と面白い。木や草など植物はみな普段見慣れているものと大差はないがそれに混じって遠くの方に見える建物らしきものやモニュメントはおもちゃのような風貌、大きなおもちゃのブロックで組み上げられた感じのものやお菓子で出来たような家もあった。けれど決して自然との調和、景観を崩すことなく一枚の絵のように存在していた。途中で畑仕事をしている猫にもあった。しっかりと二本足でたち、器用に仕事をしていた。

他にも普通に日本語をぺらぺらと話す鳥やおもちゃの兵隊のような治安維持隊など見ていて飽きなかった。

結構な時間がたったと思い少し心配になるが「起きないという事はそこまで時間たってないのかしら。」と自己完結してこの世界を楽しむことにした。

目的と手段が入れ替わっているがどうにかなるだろうと考え散歩を続けると気づけば森に来ていた。

ちょっとだけ不気味な感じの森だったけれど今は昼、太陽の光が盛りに差し込み雰囲気は明るく私はそのまま歩き続ける。


「こりゃあ珍しい人間の女の子か。」と森の中を歩いていると上の方から声が聞こえた。聞いたことのある声だったので私は立ち止まり声のしたほうを見上げる。「そんなに人間の子が珍しいの?あなたも見た目は人間のようだけど。」「ああ珍しいね。それと一つ言っておくことがある、俺は虎だ。」「てっきり猫かと思ったわ。」木の少し太い枝にいたのは虎のきぐるみっぽいのを着たタイガだった。このタイミングで出てくるのだから私は猫だと思っていたがそこは所詮私の夢。ちゃんとしたストーリーなど存在せず私の頭の中で勝手に作られているようだ。

「それで私に何か用?」「忠告をしに来たんだよ。」「忠告?」「この先には行かないほうが良いぜ。悪い魔女が住んでいるからな。」タイガはニヤニヤと笑っていた。「そう。忠告ありがとう。」私はそのまま真っ直ぐに歩き始める。

「忠告を無視するのか?」タイガは木の枝に飛び移りながら私の後を追ってくる。「私が進む先は私が決めるわ。」私は歩を進める。「おいおいどうなっても知らないぜっ。」とタイガの声がボキッという音と共に不自然に終わったため私はその音のしたほうを見る。だがそこには誰もいない。「どこかにいったのかしら。」と目線を下のほうにやると飛び移った枝が折れたのだろうタイガは下に落ちてのびていた。

私は溜息をつき気を失ったタイガを引きずりながら森の奥へと進んでいった。


久々に詩でも書こうかと思って書いてみた by TAKU

「雪の降る夜に」


一人で歩く 冬の夜


うつむき歩く 雪の夜


ただただ歩く 月の夜


隣に誰もいないけど


寒くて悲しくなるけれど


下を見ないで上を見よう


そこにあるのは


月で輝く雪だから

ON AIR!!生徒会 ~第5話「常に1番、夢は1番、ついでにいるのは3馬鹿トリオ」~

「3馬鹿トリオ結成ね。」会長は溜息をついた。「俺はそこまで悪くないんだけど。」毎度ながら無駄だと思っていても抗議する俺がいる。「2馬鹿ペアじゃ語呂悪いじゃない。」会長は俺の淹れたお茶を飲む。

「ボク、決めたんだ!一番を取るって!」砂畑は自分のテストを掲げ会長のそばに行き「勉強教えて~。」とくっつく。「美卯ちゃん。一番って上からじゃなくて下からなの?」会長は容赦なかった。

「はぁ。」俺は溜息をつき最後の馬鹿のほうを見る。「いつまで落ち込んでるんだよ。タイガ。」「ほっといてくれ。」タイガは三角座りで床にのの字を書いて暗いオーラを放っていた。

「あんなにがんばったのに……。」タイガの周りの重力は今通常の3倍くらい重い。

「タイガ。次がんばれよ次、それに赤点はないんだろ?」タイガにお茶を淹れて渡す。ずずーっと飲んでから「ありがとうタクミ。でも当分テンションあがらね~よ。あとおかわり。」「たっくん、私もお願い。」「ボクも~。」

3人から湯飲みを受け取りお茶を淹れる。だいぶ俺も給仕係の仕事に慣れてきた。慣れて、慣れ……。なんか違う気もするがまあいいか。

「はい、どうぞ。」俺はそれぞれにお茶を渡す。三人はお茶を飲み一息つく、俺もお茶を一口飲んで一休み。

「とりあえずテスト期間終わったんだから気分入れ替えようよ。」俺はぼーっとお茶を飲む。

「たっくんはテスト期間でも変わらないわよね。」会長はお茶を飲む。

「なのにボクより点数高いってどういうことだ~。」と言って砂畑は会長にお茶を飲まされる。「少し落ち着きましょうね。」笑顔で会長は砂畑に飲ませている。砂畑はこくこくとのどを鳴らして飲んでいた。

「ほんとタクミの頭ってどうなってるんだ。」少し気分が落ち着いてきたのかタイガはちょっとだけ虚ろな目でお茶を飲む。「基本一夜漬けだけど。」と俺はだらけていた。

「一夜漬けでよくもまぁ平均点取れるわね。」会長は感心していた。「解剖してみたいわ。」「してみる?」会長もちょっとだらけムード、砂畑は会長の冗談を真剣に受け止めている。「冗談じゃないわよ。」「思考読むのやめようよ。というか冗談にしといて。」自分の席に座り、頬を机に押し付けて俺はだらける。「でも、たっくんの頭の中身気になるわよ。」「そうだな。いつも何考えてるかわからねぇしどこに知識詰まってるんだ?」「どうでもいいこといっぱい知ってるもんね。」完全にみんなの意識は俺の頭の中の話ようだ。

「お花畑とでも思ってくれていいよ。」俺は面倒くさくなってきたので適当に答える。「そんなぽかぽかな分けないじゃない。」会長は俺に抗議した。「そうだぞ。どちらかと言ったらお前の頭の中は未知の領域。そんなほわわ~な感じじゃねぇ。」タイガのほわわ~と言ったときの顔がちょっとだけかわいかった。「そう、まさに宇宙っ!」と砂畑が言う。

「それはないわね。」「それはないわ。」会長とタイガは否定した。

「タクミ~。ふたりがぁ」と俺に泣きついてくる砂畑。ひざを貸してやり座らせて頭を撫でる。「泣かせちゃったわね。」会長とタイガは悪いと思っている様子はなかった。「まぁ確かに宇宙はいいすぎだと思うけど、そんなに俺の考えていることわからないのか?会長は俺の思考読んでるから余計にそう思うぞ。」なでなでと砂畑の頭を撫で続ける。「確かにそれは言えてるな。」タイガも同意してくる。

会長は少し考えた後「そうね、それはもっともな意見だわ。だけど私がたっくんの思考を読めるのはある条件を満たさないといけないのよ。」会長はお茶を飲む。

「それってどんな制限能力だよ。」タイガはツッコんだ。「意外と条件厳しいのよ。」会長は湯飲みをコトンっと机の上におき真剣な顔つきになる。「たっくんの思考を読むにはね。」説明を始める。俺とタイガは息を呑み話を聞くことにした。

「まず、たっくんの行動を制限する。次に会話の流れを自分で作り、主導権をとる。たっくんを観察する。以上よ。」

「「そんだけ?」」俺とタイガは声をそろえて言う。「そうよ。」会長は継ぎ足すように「出来るようになるまで大変だったわ。」と遠い目をしている。

「なぁ大変だったってそんなにタクミを観察してたのか?」「ええ、そうよ。」会長は即答する。

「ちなみにこれが観察のレポートよ。」会長が自分のかばんから取り出したのは『TAKUMI観察レポート VOL.657』とあった。

「会長。657ってことはその前もあるんだよな。レポート。」「もちろんよ。ちなみにちゃんと写真つき。」と言ってぺラっと紙をめくり一瞬だけ中身を見せる。「ちょっ。」今信じがたいものを見た。すっかり忘れていたがあのときの写真、そう黒猫コスプレの写真が張ってあった。「ちょっとそれよこせっ。」俺は立ち上がって会長からレポートを奪おうとしたが「立ち上がれない……。」「残念ね。」会長はくすくすと笑っている。あの顔は「まさか計算どおりだったというのか。」とタイガが先に言う。


「そんな馬鹿な。」俺は立ち上がれなかった。

なぜか。それは至極簡単な話。ひざの上で泣いていた砂畑が泣きつかれて俺を抱き枕にするようにしがみ付いて寝ている。これは一種の拘束具だった。「迂闊に外せないだと。」「考えが甘かったわね。」会長はどこから持ち出したのかカメラを構えシャッターを切る。「会長。」「なに、タイガ?」「その写真後でもらえますか?あと今度レポート見せてください。」タイガは交渉している。「高いわよ。」会長はいいカモだといわんばかりの悪人顔で電卓を持ち出して「これくらいでどう?」「もうちょっと安くなりませんか?」「じゃあこれくらいで・・・・・・。」俺が動けないことをいいことに二人で商談を始める。「砂畑っ起きろ。起~き~ろぉおお。」俺は砂畑を起こそうとするが「えへへ~もう食べられないよ~。」と寝言を言う。って「おい、よだれたれてる。よだれ垂れてるってば!さっさと起きろ~っ。」それでも砂畑は起きなかった。その代わり俺の胴体をつかんでいた腕がしまり始める。「わ~い大きなクマさんだ~。」砂畑は大きなぬいぐるみに抱きつくの夢でも見ているのだろうか。「って痛っ、と言うか苦しい。ちょっとギブギブ。ギブだってば。」砂畑のどこにこんな力があるのだろうか、ぎゅうぎゅうとしまる腕、俺は苦しむが会長とタイガは商談中。ちょっと二人ともこっちに気づけ。


「商談成立ね。」「会長、一生ついてきます。」タイガは会長に落とされた。

「あら、たっくんどうしたの?」「真っ白に燃え尽きてるな。」タイガと会長は俺を見ていた。

「砂畑は確かに一番だった……。」そのまま俺は気絶した。


「なにが一番だったのかしら。」「抱き心地じゃないか?」「そうかしらね?」


一番無意識に人を苦しめる生徒会役員、その名は砂畑美卯。俺はもう砂畑をひざに乗せて慰めないと決めた。