丸好酒場で春の味わいを堪能しまして、さて次は…と、お、ご近所この日はここでお別れですか、たまの休み、いい連休をね。残ったあたしとm蔵さん、ヘム太ちゃん、この日は越谷に帰る予定でございまして、ではチューハイ街道南の関所のあちらに久々お邪魔いたしましょう。
日もだいぶ伸びて、まだ明るい日差しに真新しい白い暖簾が映えています。
こちらはチューハイ街道の拡幅整備による用地買収の関係から10メートルくらいかな、後ろに移転新築されまして、あれからもう二年くらいになるのかな、ともかくも数か月ぶりのお邪魔です。
連休入口のこの日も安心してお邪魔できるのも、なにせ日曜と二週おきの月曜定休以外の旗日はやってくれるという、呑兵衛にはとてもありがたいお店なのであります。
のれんをくぐりますと、変形L時の座敷の奥側で常連さんお二方が差し向かいで飲まれており、六席のカウンターにはまだ人影なし。ご無沙汰ですのご挨拶をおかみさんに、お母さん変わらずお元気なようで一安心。
さてさて、なにはさておき注文はボールですね。
あらかじめ角瓶に仕込まれたボールの元をグラスに注ぎ、その上から炭酸を一ビン。炭酸の泡に厚切りのレモンスライスがくるくる踊る、見た目から涼しさ満点、そして琥珀色のグラスごしに、外の白む日を見る喜び、んん~呑兵衛の喜悦、極まれりだなぁ。
こちらのボールは焼酎ハイボールでありながら、ウィスキーを感じさせるような独特の香気とパンチが特徴。けれど、それが抵抗感なくするりと入ってしまうから、マジックなんですよね。そして飲みすぎ注意です(笑)。
酔いが回らないためにも、食べ物いただきながら飲まないとね…あてには久々にお邪魔すると、どうしても定番どころに行ってしまいます。
メニューも見ずにマグロぶつをお願いしましょう。
程なく供されるここのマグロは本当に好きなのですね、あたくし。350円で角皿にごらんの通りのてんこ盛り。積み木状の四角いブロックに切られているんですが、これがまた脂が程よく乗っていてとろけるんでございますよ。
また、脂が行き過ぎないところも、毎回頼んでしまう理由なんでしょうね。トロは確かにおいしいんですが、おなかが膨れ気味の時など、若干嫌味に感じるときもありますからね。
さらには、ヘム太ちゃん大好き冷やしトマトもいただきますかね。このトマトもおいしかったなぁ。
薫風の五月とはいえ、夏の足音が近づいているのを感じます。できれば暑くなり過ぎないといいんですが、こればっかりはねぇ。
ちなみにヘム太ちゃん、手づかみでワシワシ食べております(^^;
ボールのお代わりをいただきますってぇと、おかあさん目を細めてヘム太ちゃんに声をかけてくれます。加えて、奥の常連さん方も話題をこちらに振り向けてくれて、ありがたいなぁ。
ヘム太ちゃんは、生まれた直後におかあさんにあいさつに来ましてから、日で四回目かな?、家族の中だけでなくいろいろな方とふれあいながら、大きくなってほしいなぁと思っております。こちら葛飾墨田あたりは、まちを歩いていても道行く人が子供を構いたがったり、あるいは定食屋づかいのできる酒場も多いことから、子供たちがお店の人やご常連さんと交流を深められるのがありがたいところ。ファミレスじゃ、隣の子がうるさくてもなかなか声かけられる環境じゃないですもんね。
なんてやってましたら、奥からご長男コージさんご登場、こちらのお店は基本おかあさんとそのお友達で切り盛りされているんですが、お二人の兄弟が昼間忙しく働きながら、夜はお手伝いに入ってくれるという、とてもアットホームなお店なのであります。コージさんにもおひさしぶりのごあいさつ、ヘム太ちゃんも抱っこしてもらいながら、コージさん常連さんに「慣れてないんじゃないの?」なんて冷やかされたりして、んー家族の寄合みたいだね。
楽しい時間もあっという間、気づけば空だったカウンターにも四人の方がお座りに、一番端、僕らに近い方の席には会長のお姿も。あまり混みはじめてお店のお邪魔になってもいけません、ぼちぼち〆の一品いただいて越谷向かいましょう。
最後の一品もこれまた定番、こちらに来たらすいとんですね。カツオのお出汁の効いたしょうゆ仕立てのスープに、玉ねぎ、にんじん、きぬさや、豚肉と具材がたくさん、そして耳たぶ状のこのすいとんがつるんとした食感で、いくらでも食べられますわー。
どんぶり一杯入って400円ですからね、これもまた下町の奇跡です。
たーんと食べて、いろいろな方とふれあって、途中、座敷の隅から転落して大泣きってな事件もありましたが、ヘム太ちゃんもいい経験しましたね。
会長以下、最初からおいでのご常連さん方にも、また来てねと手を振っていただきまして、また、コージさんとは神楽坂の加賀屋さんでの再会をお約束して、どうも御馳走様でした。
なんとも酒場って、幸せのつまった場所だなぁと思います。これも職住が近い下町ならではですかね、サラリーマン酒場では味わえない幸せをかみしめつつ、鐘ヶ淵から埼玉方面に向かった夜でした。またご報告がてらお邪魔しますね。