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2014年5月11日。
HKT48アリーナツアー~可愛い子にはもっと旅をさせよ~。
場所は名古屋日本ガイシホールだ。
セットリスト本編を締めくくる25曲目。
それがこの曲、「明日は明日の君が生まれる」だったということを、僕は松村先輩こと松村香織の
Google+でコンサートの翌日に知った。
オリジナルの楽曲が少ないこともあって、もともとHKTのコンサートではいろんな曲が歌われる。
初の単独コンサートであった2013年4月の武道館公演からして、他のAKBグループの曲のみならず、「ライバル」乃木坂46の曲も歌われた。
グループの曲もシングルカットされた有名曲でもなく、「博多レジェンド」公演とも関係ない公演曲(「渚のCHERRY」とか「逆転王子様」とか「狼とプライド」)がセトリに入っていた。言っちゃ野暮だが、生粋の博多ヲタの、どれくらいのボリュームが「となりのバナナ」知ってんだ?
グループの曲で盛り上がろうってのならば、知名度の高い曲をやればいい。
だかHKTははなっからそれをしない道を選んだ。
その背景に、指原先輩こと指原莉乃の存在を考えないわけにはいかないだろう。
武道館単独公演の時には、指原莉乃はまだ何の役職にもついていなかったので、このセトリにどれだけ彼女が関与していたのかはわからないが、何らかの提案ないし示唆は行っていたのではなかろうか。
武道館連続公演最終日、指原莉乃は劇場支配人を兼任することになった。
生粋のドルヲタ指原先輩が権力を握った時、どんなセトリを組むのか。
答えはすぐに出た。
2013年年頭から行われた九州ツアー。
初日、郷里大分で錦を飾った指原先輩の繰り出した頭一発目はモーニング娘。の「ザ☆ピ~ス!」だった。
ちょっと軽く失神しそうになりますた。だってこの曲、大好きだったんだもん。
その後も忘れ去られ歌われなくなった名曲を次々にセットリストに加えていった。
「水夫」「RUN RUN RUN」「FIRST LOVE」「君について」「おしめし」「軽蔑」「涙売り」etc etc…
ヲタの曰く「
いらないならHKTが貰う」。
調子に乗った指原先輩。
ツアー後半のセットリストは、さながらアイドル懐メロ大会だった。松田聖子、Wink、早見優、おニャン子クラブ、キャンディーズ…。
2013年4月5日。
AKB48グループ春コン in さいたまスーパーアリーナ~思い出は全部ここに捨てていけ!~HKT単独コンサート。
本編の8曲目、「呼び捨てファンタジー」、「そばかすのキス」など「その佳曲いらないならHKTが貰った!」ムーヴメントの一環の中、おずおずと目立たないように、そっとこの曲は置かれていた。
「明日は明日の君が生まれる」。
歌ったのはトリオではなく、兒玉遥・指原莉乃・宮脇咲良・田島芽瑠・朝長美桜の4人。
その時その場にいた、どれだけの人がこの曲と、それにまつわる物語を知っていただろう。
いや、今となってはそれはどうでもいいことだろう。たとえ初めて聞いても、この曲は聞く人の心に染み込む。そのコンサートに参加できた幸運な人々の心にもきっと。
そしてそれは一度だけのことではなかった。
4月29日からはじまった追加ツアー、セットリスト本編を締めくくる大事な位置。
初日昼夜、5月2日、5月11日昼夜、今日まで5回のコンサートの全てのその場所で、この曲は歌われ続けた。
それはつまり、HKTは「明日は明日の君が生まれる」を歌い嗣ぐ意思を明らかにしたということだ。
そしてそれは間違いなく指原莉乃の意思。
指原先輩が中西里菜についてどう思っているのかは分からない。
ただ分かっているのは、指原先輩と中西が同郷で同じアイドル(松浦亜弥)をリスペクトしていること。
指原先輩が強烈なドルヲタとして福岡国際会議場でのAKB48初の全国ツアーコンサートに参加した時、そのステージには燦然と中西が立っていたということ(もっとも当時の指原の「推し」は、佐藤であったというのだが。この辺の情報は今やすっかり乃木坂界隈の人となった
ルーさんによります。余談ですが、ルーさんの記事で指原先輩が参加したおぼし
き2007年9月20日、さむさんによればアンコールの発動は慣れない女子高生?だった由。指原?)。
そして劇場支配人としてHKTがこの歌を歌い嗣ぐことを選んだこと。
思えば指原莉乃はアイドルとして一度死んだ身だった。
「
指原先輩にとって博多がよき死に場所となりますように」。
博多への移籍が決まった頃、僕はこう記した。
確かに彼女は一度死に、見事に生まれ変わった。
松村香織。
5月11日のGoogle+に
「明日は明日の
君が生まれる
で本編終了!!!!」
と記したとき、彼女にはどんな感慨があっただろう。
2011年12月、すでにAKBにとって「不都合な」人物となっていた中西里菜のことを「だいすきなりなてぃんさん」と呼んではばからず、誇らしげにその卒業コンサートの
チケットを掲げた彼女である。
AKBに憧れ、シアターのあるビルのメイドカフェで働いていた松村先輩である(余談だが、同カフェでは今でも「萌え萌えきゅん」をやっている。というかこっちが先だよね)。
中西里菜のことを「不都合」と呼んだバランス上、かおたんを「都合が悪い」とするのはさすがにはばかられるが、かおたんだって運営にとっては目の上の吹き出物でしょうな。タンコブとまでは言わないが。
オトナの事情で葬り去られようとしていた名曲を蘇らせたHKTの(というか指原の)ヲタ魂に、かおたんのヲタ魂が共感し揺さぶれなかったはずはない。
「ここで、この歌をこうやって歌うことが出来るんだ」って。
松村香織が「アイドルとして一度死んだ」とは決して言うまい。
てかその前に、果たしてかおたんは通常の意味でのアイドルを生きたことが一度でもあったのか、という根源的な問いが浮かんで来ざるを得ない。松村先輩はアイドルになる前にアイドルを脱構築しちゃってんじゃないのってつくづく思う。
それでも松村香織の根本には、一個のアイドルと同時に、アイドルを愛してやまないヲタが同時に存在している。指原莉乃と同じように。
指原莉乃と松村香織。
今日、37thシングルの選抜の座を争う「総選挙」が開幕した。
前人未踏の連覇を目指す指原莉乃。
研究生初の選抜入りを狙う松村香織。
「明日は明日の」君たちが生まれる姿を、僕は今猛烈に見たい。