Commentarii de AKB Ameba版

Commentarii de AKB Ameba版

AKBとかその周辺とか

words

 そうさ

 白いシャツ着よう!/まっさらな気持ちで

 悲しいこと つらいことも/洗濯しちゃおうぜ!

 涙の跡なんて/すぐに落ちちゃうだろう

 きっともっと晴れた日には

 眩しい君がいる   

 そう、どんなつらいことがあった後でも、この場所にさえ来れば、そこにはいつも眩しい君たちがいる。

 

 --

 

 また招待状が届いた。

 

 9月の頭に呼ばれてどうせ数ヶ月は「喪中」なんだろう、今はひたすら陰徳を積む時期、と悟りの心で応募したら、あっさり当たっちゃった。

 この間わずか2週間。

 

 何が起こったのだろう。雲の上の誰かさんが心を入れ替えたのか、4分の1MVPのご褒美なのか。

 などといろいろ勘ぐってしまうのであるが、本当のランダムというのはこういうものなのだろう。「9」が6個連続で現れてきたからと言って、その数列がランダムではない証拠にはならない。

 まあ率直にこの僥倖を喜ぼう。

 

 演目はまたしても「パジャマドライブ」。

 前回までで「RESET」「僕の太陽」と並んで最多の4回だったのが、今回で単独トップの5回めになった。

 こないだはあんまり久しぶりだったので忘れてしまっていたが、今回こそ白いシャツを着ていこう。似合わないけどね。

 

 UDXの地下駐車場で、買ったばかりの白いシャツに着替える。

 わかってる。白いシャツは似合わない。でもそれを着る必要があるんだ。

 だって彼女たちがそうしろ、と言うのだから。

 白いシャツにデニムのボウタイ。シアーサッカーのジャケット。

 おじさんがする精一杯のおしゃれは、彼女たちへの敬意の表れだ。

 

  --

 

 抽選は13巡。4分の1MVPのご褒美で、きっと1巡だろうと思ってたのに。

 下手4列目柱3に着席。ここからだとセンターはほぼ見えないのは分かっているが、今日は座らせて。膝がちょっとアレなんだ今日は。ジジイは足から弱るんだ。

 

 「初日」からはじまる怒濤の4連発。息も切らせず走り続ける。センターは見えないけれど、すぐそこに入れ替わり立ち替わり現れる彼女たち。

 そして「二人乗りの自転車」。下手の僕の目の前に姿を見せた、ああ、そうだ、今日は君がいるんだっけ。

 

 北澤早紀。さっきー。

 

 「夢は大きく、志は高く」。

 まるで中学校の校訓のような、真っ直ぐとしたキャッチフレーズの君。

 僕がシアターで最も愛した13期14期の生き残り。

 正直当時はそんなに目立たなかったけど、久しぶりに会ったさっきーは、今やすっかりべっぴんのお姉さんになっていた。

 そしてその姿の向こうに、あの時の彼女たちの面影が不意に蘇る。

 

 そういえばさっほーはどうしているかな。確かキャプテンをやってるんだよね。

 茂木ちゃんにもずいぶん会ってないな。相変わらず綺麗かな。

 岡田(奈)はもうすっかり看板娘だな。

 そしてこないだテレビに出ていた西野は、なんだか空気の読めない、ただのうるさいうざい女の子の扱いを受けていたっけ。

 うん、それも確かに彼女の一面だけど、シアターでの彼女はホント女神だったんだぜ。 

 

 そりゃちょっと泣くって。

 

 --

 

 岡田梨奈

 前回問題児扱いだったオカリナさん。

 あたま4曲ではあんまり見てなかった。

 で、ユニットの「てもでも」。この場所からはほとんど見えません。だから壁に映ったシルエットをじっと見ていた。 

 このシルエットが妙にいい。

 ええ、オカリナさん、前回こんなに艶っぽかったっけ。

 指先まで繊細で、目が離せない(シルエットから)。姿が見えないからいいのかしら(←失敬な)。

 途中ちょこっとだけ下手に現れる生身も、前回よりずっと綺麗だった。やるじゃんオカリナさん。

 前回は「水夫」で目を惹いたのだが、今日は「Two years later」がバクハツしてた(「水夫」はほとんど見えなかった)。二回か三回、思いっきり蹴飛ばされた。

 全くどこでギアが入るのか見当がつかないなオカリナさんは。

 

 大盛真歩

 記録によれば2度目のお目見えなのだが初見では全く印象になかった。

 それが今回。

 おや、すらっとした可愛い子がいるね、というのが第一印象。

 最初のうちは、可愛いけどちょっと媚びた感じだねえ、まあしょうがないよね、くらいで見ていたのだが。

 「命の使い道」で息が詰まった。胸が掴まれた。背中にすっと何かが走った。

 本当に空っぽのマリオネット。冷たい作りものの目。でもほんの一瞬その目が切なさを訴え、そしてすぐにまた暗い水の底に沈んでいく。

 どうやって生きて行ったらいいのかわからない、自分を傷つけることでしか命を実感できない少女が、リアルにそこにいた。

 うわあ、やべえもの見ちゃった。

 

 小林蘭

 今日も安心安全なランちゃんでした。

 

 永野恵

 みんなの自己紹介をずっとずっと盛り上げていて、「白いシャツ」でも最後の最後まで足が上がってた。

 腹に沁みるいいパンチだったぞ。

 words

 

   広い世界には/手つかずの運がある

   行く手阻むのは/あきらめた自分だけ

 

 7ヶ月ぶりにシアターの招待状が届いた(以下応募しても当選しないことについての愚痴が100行くらい続くが割愛)。

 

 ま、これでとうとう「四分の一MVP」に到達だ。

 ここまで来るのに7年かかった。あきらめたらいかんよと、秋元先生のありがたい教えだ。

 この調子で行けば、栄えあるMVPになれるのは、だいたい21年後。まあそれなら何とか生き永らえてていられそうではある。MVP入場はりっちゃんの娘の生誕祭の日にして貰おう。

 「わしはのぉ、キミのママのいたTeamが大好きでのぉ、『僕の太陽』公演は全部見たんじゃよ(オンデマだけどな)」

 おいおい、バッグはバッグでも、ハルンバッグは持ち込ませて貰わにゃ、ベンチがビショビショに……

 

 演目は「パジャマドライブ」。

 成人男性2100円ってことは、研究生公演ってことだ。誰が研究生で誰が正規メンなのかさっぱりわからんが、俺はいつでも研究生の味方だぜ。それにしても知らない顔が増えた。7ヶ月も放って置かれちゃしょうがないでしょ。

 それでも前日に予習を欠かさないのは、勤勉なのか小心なのか。いつかのような幸福な邂逅に備えた凡人の知恵ではある。

 

 抽選は18順くらい。幸い立ち見センター二列目に空き。前のお二人は小柄で視界は広い。もれ聞こえる会話によればこのお二人、ホントの古参のご様子。お一人は公演参加120回くらいとのこと。

 メインの現場はよそ様で、「もうAKBは卒業なんだけどね」とのことだが、やっぱり時々シアターに帰ってくるのだ、と。

 そりゃそうですよね、こんな現場、よそ様じゃそうそうないですよねえ…、とは僕の心のツブヤキ。

 

 いつものように、あっと言う間の2時間でした。

 

 「初日」から「自転車」まで。位置について、よーい、ドン!、と、とにかく走り続けるあの感じ。いつ見てもちょっとぐっと来る。最初の挨拶の時、息が上がってうまく言葉にならないところまでがお約束。

 

 アンコール、「黄金センター」の場所にばーんとあのイントロ。不意を突かれて軽い電撃が走る。

 知らなかったのだがそうか、「水夫」復活してたんだ。

 「黄金センター」も大好きなのだが、「水夫」の緊張感が「白いシャツ」で解消されるあの流れはやっぱいい(「命」から「キス損」と同じくらいしびれる)。何より歌に罪はない。つーか、何度でも復活があるのがAKBだもの。これでいいのだ。

 卒業した播磨ちゃんのリクエストだったとのこと。ありがとね、播磨ちゃん。

 

 小林蘭

 前回見つけたらんちゃん。実はすっかり忘れてたんだが、今日も目を引いた。激しさと丁寧さをきちんと演じ分けられるようになっていた。次からはもう少し意識して見たい。

 

 佐藤美波

 ピンチヒッターの出演。前半少しエンジンがかからなかったが、ユニット以降はいつものハツラツさが戻って来てて安心。

 

 岡田梨奈

 今日最大の問題児。

 前回見た時「うまく言えないが、何かをこじらせてる感あり」と感想を書いた。この子もすっかり忘れていた。

 頭4曲で目を惹いたので、自己紹介で名前を確認しなおして、ああ、そういえばオカリナさんっていたよね、と注目していたのだがその後どうもぱっとしない。せっかくの「てもでも」も、本田そらの独壇場になっている。

 Dark sideが似合うのでは、と「命の使い道」を期待したのだが、これもなんだかぼやっとした表現で不満が募った(小林蘭の凍った笑みがすごかった)。

 うーん、買いかぶりすぎだったのかなあ、と思ってたら、復活「水夫」で大爆発。全くの別人。なんだこのポテンシャル。やりゃできるんじゃんオカリナさん。でも、その後すぐに16人の中に埋没してしまう。

 ムラがありすぎるのかなあ。やっぱどこかこじらせているのか。

 

 本田そら

 今日のリーダーさん。よく勤めよく演じていました。前回よりずっと印象に残った。

 

 永野恵

 脚の使い方がきれいなダンサー。

 

 さて今日から始まる二分の一MVPへの長い道のり。

 残り少ない人生、せいぜい病気などしないように頑張りましょう。と思いながら周囲を見回すと、これが見事におっさんばっかり(自分を含めてだよ)。前回はピンチケくんが頑張ってたのだが、今日は全然見当たらない。これが今日だけのことなのか、それともトレンドなのかわからないが、これだけおっさんばっかのシアターは初めて見た。

 若いご新規さんが、未熟な研究生を推しながらお互いに成長していく、それが(というか今やそれだけが)AKBという運動体の魅力であり強みであったはず。

 自分のことを棚に上げといてなんだが、「AKB48におけるヲタ高齢化問題」はこれからさらに深刻化していくように思われます。ピンチケくんがいないと、彼女たちも張り合いが無かろうに。「あーあ、坂道受かってればなあ」なんて。

 

 どうしたもんだか。

words

   歩いて帰る/学校の帰り道

   今日も発見!/あなたを見ると

   胸がときめいてる

 松村センパイから最後のメールが届いた。

 

 「これが本当に最後のメールだよ」と。

 

 またまたあ、そんなこと言ってセンパイまたメール寄こすんでしょ、動員とか営業とか、カワイイ自撮りが撮れたとか、うまいラーメン見つけたとか。わかってるんだから....

 1日に何本も送ってきて、ちょっと油断してたら未読がたまってしょうがないんだから....

 

 それから1週間。

 センパイからのメールはぱったりと来ない。

 何か糸が切れたような、索漠とした日々。

 

 まるでセンパイが卒業して、SKEからいなくなってしまったみたいじゃん。ねえ。

 

 ねえったら。

 

 うん。わかってる。

 僕は気がつかないふりをしてただけだ。

 かおたんこと大将こと松村センパイこと松村香織から、僕にメールが届くことは二度とない。

 

 おそまきながら松村香織さま。

 ご卒業おめでとうございます。

 とりあえず週プレは買っときますね。

words

   白いシャツ着よう!

   まっさらな気持ちで

   悲しいこと つらいことも

   洗濯しちゃおうぜ!

 アキバ到着17時。UDXのイルミネーションは夕闇を縁取りはじめている。

 空気は澄んでいるが、それほど冷たさは感じない。

 見上げる雑居ビル。あれはあっちゃんが立ったバルコニーだ。

 ああ、またここに来ることができた。それがどれだけ幸せなことか。

 振り返ると歯が抜けたような空き地。神田食堂があった場所だ。

 いつまでもあると思ったらいかんね。シアターも親も。

 

 抽選は12順。センターは立ち見2列くらいまで埋まっていたが、上手5列(最後列)柱2に空席を見つけて着席。

 上手とセンターがだいたい見渡せる良ポジションだ。

 よかった。前回はセンター全然見えなかったもんな。「シルエットを堪能するのも乙」などと負け惜しみ言ってたけどさ。やっぱりよく見たいよ。

 

 すぐ後ろの上手立ち最前に、ピンチケくんが3人。会話がよく聞こえる。

 「ピンチケは立ちがアンパイ」云々と自分でピンチケって言ってるんだから間違いない。

 高校の同級生なんだろうか。しきりにAKB体験や知識を披瀝し合っている。どの公演に入ったとか、自分の推しは誰だとか。栄は博多はどうだったとか。チケットはピンクながらそれなりの遍歴のある強者のようだ。

 言葉のトーンに、高揚感が伝わってくる。そうだよなあ。いつ来てもワクワクするよな。

 

 18 時30分。ウエストミンスターベルが鳴って影アナ。

 「ずんちゃんか?」後ろのピンチケくんの一人がつぶやく。

 あっぱれその言や過たず「山根涼羽でしたー」。

 おお、やるなあキミ。言われてみれば微かに西のアクセントがあったが、聞き分けやすい声じゃなかった。

 頼もしいぞ。今日日若い子はみんな坂道上ってるのかと思ったらさにあらず。こうやってちゃーんとシアターに通いつめて声だけどメンを当てる「ヤング」もいる。おっさんばっかじゃ、彼女たちも張り合いがないもんなあ。

 

 オバチャが始まれば当然最大音量のmixだ。つられておじさんもちょいと口ずさんじゃったぞ。虎火人造繊維海女人造…。

 ただうるせえ。声がでかい。でも全然不快じゃなかった。

 

 それは「てもでも」のイントロが流れ、黒須と本間が出て来た瞬間だった。

 柏木ポジに黒須、佐伯ポジには本間。

 それを見た後ろのピンチケくんの一人がぼそっと呟いた。

 「みかちぃ」。

 前席のおじさんはびっくりしたぞ。今、この場所でその名前を聞くとは、思いもよらなかった。

 佐伯美佳がパジャドラのステージを降りて10年。どう考えても、彼が直にみかちぃと会っているはずはない(僕もだけどさ)。

 

 彼がどんなつもりで「みかちぃ」と呟いたのかは分からない。

 「あのポジションはかつて『みかちぃ』と呼ばれた伝説のメンバーが立っていた場所だ」という、書誌学的・考古学的な知識に基づく感慨だったのだろうか。そういえば以前「てもでも」をやっていた内山なっきー奈月も、会ったことのない佐伯を思い起こしていたっけ。多くの人にとって(いや、限られた人かな)、今でも「てもでも」は薄倖だった佐伯美香の曲だ。

 

 ひょっとしたら後ろのピンチケくん、「てもでも」の柏木と佐伯の映像を何度も何度も見て、TeamBオリジナルの「パジャドラ」を追体験して来たのだろうか。

 かつての僕のように。

 

 アイドルとはうたかた、泡のようなもの。ほんの一握りの大スター以外は、いっとき輝いてもすぐに儚く消えてしまうのが本来の定め。

 でもここだけはこうやって記憶が次の世代に受け継がれていく。決して大きな声で語られることはないけれど、ちょいとした奇跡のようでもある。

 それはやっぱりシアターの力なんだろう。

 

 --

 

 さてステージ。

 さすがに今日は泣かなかったけど、楽しかった。

 前回いなかった16期の昇格組(黒須、長友、特に山根)が要所要所で場をコントロールしている感じ。ほんのちょっとのキャリアの差なのに、あっという間に成長していくのがAKBの醍醐味だ。そこに佐藤美波、本田、大竹、播磨らが食いついて行く。

 

 山根涼羽。秘かに「16期のや行はヤバイ」と思ってた。つまり安田叶・山内瑞葵・山根涼羽だ。その3人をまとめて見る機会はもう無いのかも知れないけれど。ずんちゃん1人でも見られたよかった。落ち着いて若い子を引っ張ってって、はじけるところははじけて。

 

 佐藤美波。前回でもそうだったけど、ホントのびのび、生き生き。同期の昇格組がリードしてくれている分、前回より自由に見えたかもしれない。

 

 本間麻衣。 全然ぽんこつじゃなかった。ぼーっと突っ立っているシーンは目に入らなかった。それどころか、長い手足を生かした綺麗な表現もそこかしこに見られた。うまくなってるじゃん明らかに。そのせいか自己紹介での声援は一番多かった。

 

 勝又彩央里。初見だったが目を引いた。AKBには珍しいべっぴんさん。こないだの「RESET」公演で、こじまこ横ちゃんと「制服レジスタンス」をやったそうな。うわっ見てえ、と思ったら後ろのピンチケくんも「ぜってー見てー」と呟いておった。

 

 小林蘭。こんな子いたっけ? 先月のパジャドラでも会ってるはずだったが、見落としていた。やっぱりセンターがほとんど見えない場所じゃダメだなあ。少々荒いがキレのあるダンス。小柄だけど、踊っていると大きく見える。まだ15歳だがステージじゃ大人びて見えた。これからが楽しみな人に会えた。だからシアターは好きさ。

 

 --

 

 ピンチケくんたちは、最後まで元気だった。

 ひとりは途中からずっとメンバーの1人に向かって愛を告白し続けていた。

 「大好きだー」って。君はオネストマンか大声ダイヤモンドか。

 シアターで恋に落ちると後を引くよ。

 ダメだよ越えちゃヤバいラインを越えちゃ。

 切ない気持ちに留めてせいぜい金を使うんだよ、とおじさんからの大きなお世話。

 それと坂道に流れるなよ。まあシアターの魔法の粉を吸っちゃったらもう戻れないか。

 

 終演後の余韻、彼らはお見送りを待ってる間「『白いシャツ』マジ神だ」って興奮してた。

 そうそう。そうだよなあ。オワコンだの不祥事だの、全部洗濯しちまえばいいんだよ、なあ。

 

 ホントは

   激しい嵐を

   力に変えろ!

水夫は嵐に夢を見る

 って言いたいところなんだが、これも不祥事なんでイヤんなっちゃう。って曲に罪無しだと思うんだが、どうよ。

 

 

 

 

 

words

ダレカニアイサレタイ

ダレカニアイサレタイ

 自分が誰よりも輝いている星であるか、または誰にも顧みられることのない無価値なごみであるか。

 その両極端が同居して、常に不安定で、ダレカニ認められたい、ダレカニ抱きしめられたい、と呪いのように己を縛り付ける。

 思春期とは多かれ少なかれ、そういう時期だった。

 

 自分を愛してくれるダレカを求めるのでは無く、自分からダレカを愛すること。

 本当はそれが魔法のカギなのだが、それに気がついた時には、たいていすでに満身創痍だ。そのケガを治していくのが、長い長い余生のはじまりだったりする。

 

 そんな思春期の女の子たち、それもかりそめにも「アイドル」と名のつくいわば「アイサレル」エリートたちの集団だもの、そりゃあいろいろあるだろうよ。

 彼女たちはあどけない顔をしていながら、とても切れ味のいいナイフを隠し持っている。

 いや、隠してる自覚も、それが切れる、という意識もなく、そもそも自分が何を手にしているのかわからないままに振り回す。

 他人や自分を傷つけてしまってから、何で血が流れているんだろう、と当惑する。

 

 ちょっと恐いけれど、それが彼女たちの魅力のひとつでさえあるし、彼女たちの傷を見届けるのも、AKBという船に乗り込んだヲタの使命だということも知っている、つもりだ。

 

 だがそれにしたって。なあ。

 どうすんだよ、これ。

 

 うん。新潟のことだよ。

 僕は憤っている。

 

 新潟のことはよくは知らない。

 だがかつてそこに一粒の種が撒かれ、芽吹き、ようやく花々が咲こうとしていることを、僕は諸先輩のレポートから知っている。多くの人たちが、アイドルなんて言葉、人生で使ったことのなかったような人たちまでが、その花々を愛で、大切にしていることを知っている。まことに言祝ぐべきことだ。

 でもその花が、ちょっとしたことで散り、枯れてしまう危ういものであることも、僕は骨身に沁みて知ってもいる。

 

 詳しいこと本当のことがわからないのに、あれこれ言うのは控えるべきなのだろうが、それでもなあ。

 

 刃物を突き立てるのは、ヲタの心臓だけにして欲しい。そのやり方を教えるのが大人の仕事だろうに。

 

 --

 

 パジャマドライブの招待状が届いた。

 

 前のご招待から1ヶ月とちょっと。

 そんなに早く呼んで貰えるとは思わなかった。

 ひょっとしたら、こういう「事件」の後だからなのかもとちょっとだけ思った。

 りっちゃんとあんにん(とスタッフ1名)が傷つけられた日のすぐ後にも、僕は呼ばれた(結局公演自体キャンセルになったが)。

 まあ100パー妄想なのだけれど、こんな時に呼ばれるってことは、僕が心臓をさらけ出すだけの「安心安全なヲタ」としてシアターの女神に認められているってことなんじゃないかしらん。

 

 うん。熱いまなざしと、小さな声援と、貧弱なフリコピだけ携えて、心臓を突き刺されに行こう。

 

 ここでついた傷は、シアターの魔法だけが癒してくれる。

 まだ会わない君たち。

 いつの日か必ず新潟にもこの心臓を持参し君たちの前に差し出すから、どうかそれまで耐えていておくれ。

 

 お願い。

 

 

 

 

 

 

 

words 

 

 17時着。ほぼ1年ぶりのシアター。カウンターには小さな箱が2つ。地震と大雨への募金だ。 

 お賽銭投入してシアターの女神に心の中で感謝。だいぶ干されてたけどな。

 

 列に並んだ時から1巡で呼ばれるイメージでいっぱい。今日こそはセンター最前だ。

 まあそれでも事件前の2列目なんだけどね。

 18時10分、抽選開始。

 16順下手4列柱3。この位置だと3人以下のユニットはほとんど見えない。立ち見センターは3列めくらいなら空いてたんだけど、もうね、座りたいんですよ。年だから。

 

 開幕、暗闇の中に響く円陣のかけ声。

 「いつも元気。冷静丁寧正確に」。ゆる〜い間延びした声だ。ちょっと笑っちゃうぞ。

 

 それでもあのイントロが流れ、あのコスチュームが光の中に浮かぶと、いっきに頭の中をイメージが駆け巡る。

 何回再生したかわからないAX2009の奇跡

 ピアノソロで歌う竹内

 そしてわが懐かしの13期14期(とみぃちゃん)

 そりゃ涙腺も弛みますよ。もう年だし。

 

 働き方改革が叫ばれる昨今、「無理な努力無駄な努力無茶苦茶な努力」とか「圧倒的な努力」とかの評判はよくない。

 無理をしているとすぐに「休め」と言われるし、休ませないと「ブラック」とか言われるし。

 

 でもね、今の君ではなく何者かになりたいんだったら、人並み以上の叶えたい夢があるんだったら、死にもの狂いでやらなきゃいけない時がある。

 そんなことは、昔の僕はよーく知っていたんだよ。

   夢は汗の中に

   少しずつ咲いて行く花

 馬齢を重ねて努力をしない言い訳ばかり上手くなった。

 諦めた夢を思い出すことも絶えて無くなった。

 

 そんな僕の目の前で、(まあ正直ヘタクソな子もいたけどさ)一心不乱に踊り、歌う彼女たち。

 咲くか咲かない分からないけど今はこれしかない、と心に決めたように。

 

 世間じゃAKBはもうオワコンだって言ってる。

 テレビをつければ一目瞭然だ。

 気の利いた子はナントカ坂を目指している。そっちがよっぽど華やかだ。

 

 でも僕らにはシアターがある。

 ここに(栄に。難波に。博多に。新潟に。瀬戸内には港を求めてさまよう船もある)。

 毎日「初日」に望んでいる彼女たちがいる。

 

 ちょっとくらい泣いてもいいじゃんか。

 

 追記:感想

 

 下手に着席したせいで、センターの様子を直接見ることはほとんどできなかった。3人以下のユニット曲は特に。まあこうなることは分かってて座ったんだけどさ。

 こういう時はシルエットを堪能するのも乙。負け惜しみじゃないよ。「見えない」のもシアター体験のうちなんだって。

 「天使のしっぽ」なんて、しっぽのシルエットが可愛いんだぜ。

 「てもでも」もそう。シルエットだけならみかちぃに見える。

 あと「純情主義」ね。あれは衣装のシェイプがカッコいいから。ただターンがちょっともっさりしていたように見えたのは気のせいか。

 「ジャンヌ」の旗の持ち方は、ちゃんときくぢに倣ってたかな。左手下の右手上、で。さすがにそれは影じゃわからない。 

 「黄金センター」、なんで? 一瞬いぶかしんだが、そうか、「水夫」がお蔵入りなんだ。「曲に罪なし」なんだけどなあ。カッコイイしミズオ。まあ「黄金センター」僕の好きな、そして研究生に相応しい曲だからいいけど。ああ、確か竹内が推されてる頃だったなあ、彼女も卒業かあ。

 

 正直言って、相笠や西野に遭遇した時のような視線を強奪されるようなビックリはなかった。でも総じてみんな一生懸命だった。特にドラフト3期(「ドラ3」って言ってた)メン。

 前から言ってるんだけど、自己紹介でどんなに恥ずかしくても四の五の言わずに何かキャッチフレーズ的なことをやるべきなんだって。名前が売れていない連中は特に。とにかく名前を憶えて貰わなきゃ始まらないんだから。

 ドラ3のメンバーは、ほとんど全員がやってた。誰かが指導したのかな。

 それは絶対必要なことだ。

 ただ惜しむらくは、遠慮がちに「私が○○と言ったら、××と答えたら嬉しいです」てなパターンばっかだった。

 栄なんかコール&レスポンスを顔写真付きのプリントで配ってるぜ。「お願い」なんて他人行儀なことは一切ない。いきなり本番。ヲタを信じて引っ張っていこうぜ。

 

 16期昇格お預け組は、ちょっとだけセンパイなせいか、同期の中でやっている時より伸び伸びとしていたような気がする。

 特に佐藤美波

 ハツラツとしてて見てて楽しかった。舞台が跳ねた後のBGMで「初日」のカラオケが流れたんだが、ずっと踊ってたこの子。

  

 本間麻衣。 

 ポンコツ属性を自覚しているのか「自分は背が高いことしか取り柄がないから、もう5センチ身長が欲しい」だって。

 そんな切ないこと言わないの。前見た時よりずっとよくなってるって。その長い手足をもっと活かすパフォーマンスがきっとあるはず。

 

 本田そら吉橋柚花

 初見のメンバーで最初に目を惹いたのはこの2人。後列端っこでもしっかりやってた。

 

 岡田梨奈

 うまく言えないが、何かをこじらせてる感あり。

words

   冷静に考えれば/お馬鹿な話

 いやあ干された干された。

 正月に1回シアターに呼ばれた後、干されっぱなし。

 応募してなかったわけじゃないんだよ。いやむしろ応募しまくっていた。行けるか行けないかわかんない日でも取り敢えず申し込みだけはしてた。最初の頃は当然はずれた。いや、いいんだよ、はずれを重ねるのが大事なんだよ、と思いながら、ひと月。ふた月。み月。幸先のいいことに、4月にはに呼ばれて、松村センパイに会うことができた。こりゃあ今年は運がいいぞ、と思ってた。

 だが。

 

 5月6月7月8月。

 春が過ぎバカみたいに暑い夏が来て、今年はホントにくるのか心配だった秋がまあ当然ながらやってきた。

 「世界は夢に満ちている」「神曲縛り」「M.T.に捧ぐ」「会いたかった」「ただいま 恋愛中」「PARTYがはじまるよ」「夢を死なせるわけにいかない」「最終ベルが鳴る」「大人になっても、全力でやらなきゃダメじゃん!」「秋葉原発祥フレッシュレモン、出荷します」「ミネルヴァよ、風を起こせ」「サムネイル」「ヤバイよ!ついて来れんのか?!」「アイドル修業中」「手をつなぎながら」「シアターの女神」「RESET」。

 

 9月10月11月。

 全て蹴られた。寒い冬になっていた。

 その間ナンバにも干された。せっかく関西に行くチャンスだったのに。

 この頃には、もうぼかぁAKBに嫌われたんだと、拗ねていた。落選のメールの後、どっとくる営業メールに辟易としていた。

 13周年のお祝いも目の前を素通りした。どうでもいいような気持ちにもなった。

 

 そういうの、よくないんだね、きっと。もっと素直な気持ちで申し込まなきゃ。

 

 やっと年末に届いた招待状が、研究生公演「パジャマドライブ」。

 

 16期研究生公演で心惹かれたメンバーはあらかた昇格してしまったので、馴染みの少ない人と、全くの初見のお嬢さん方だ。

 正直言えば、横ちゃんやずっきーや彩希さんに会いたかった。

 

 でもあれだよな、「研究生こそAKB」だもんな。ひよっこ達をしっかり見ろ、という、空の高いところにいる人の思し召しなんだよな、これって。しかも「パジャドラ」。

 

 思い起こせば5年前峯岸坊主みぃちゃんが二度目の研究生を勤めていたころのことだ。

 今でもありありと思い出せる。岡田(奈)のパフォーマンスに息を呑んだ夜だ。

 こういうものを、目の前で見ることが出来ることの幸運と幸福を噛みしめた。

 

 時は流れ「AKBにいそうって、もはや悪口」の時代、研究生はどんなパフォーマンスを見せてくれるんだろうか。

 シアターでしか会えない大事な人に、また僕は巡り会うことができるんだろうか。

 あそこは、今でもそういう場所のままでいてくれているんだろうか。

 初めて会った時、その額がまぶしかった。

 どうしてこんな小娘が、この場所に立っているのかと、問い詰めようとした、その矢先、そのまぶしさにクラクラした。

 

 それからずいぶん年月が経った。

 たくさんの友だちが去って行く、その後ろ姿を、ずっとずっと見送って行った。

 

 どんなに辛かったのだろう。その立場は。その日々は。

 自分が努力することは、誰でもできる。

 でも自分以外の人に、それも年上の人に努力を強いることがどれだけ辛かったことか。

 

 それでも君は歯を食いしばってその場に立ち続けた。

 

 そして今日。

 

 じゅり坊。

 おめでとう。本当に本当におめでとう。

 僕の敬愛する松村センパイはちょっと惜しかったけど、君がそこに立てたことで、僕は十分嬉しかったよ。

 

 うん。

 世界はまた一つ前に進んだ気がするよ。

 

 じゅり坊。

 

 

words

  どんな荒れた土地も/ひとつの種蒔けばいい

  やがて芽を出したら/希望の実をつけるだろう

 「荒れた土地」だなんて失敬な表現だが、「オワコン」と言われたら、何となく頷いてしまう自分がいる。

 でも僕らには劇場がある。アキバに。栄に。難波に。博多に。新潟に。瀬戸内がどうなっているのかは知らないけれど。

 

 劇場があって、そこに行けば必ず彼女たちに会えるということが、どれほど多くの人の支えになっていることか。

 ネットが発達して、家にいても世界と好きなだけ繋がっていられる今だからこそ、「会いに行く」「会える」ことの意味は大きい。

 

--

 

 SKEバージョンのMIX抜きオバチャが終わると、聞き慣れたイントロ。

 Team S4の「Reset」ではライトがついた瞬間J茉夏ゆりあが宙に浮いていて、足が着くのと同時に音が鳴った。あのタイミング。今から思い出しても鳥肌が立つ。

 

 今日はちゃーんと板に立ってたけどね。

 そして飛び出してくる松村センパイ。

 とうとう劇場で会うことができた。武道館舞浜を経て、やっとたどり着いた。

 

 上手後列。

 ステージ中央じゃ誰かの長い手足がダイナミックに動いているのが視界のはじでもよくわかる。おそらく荒井か古畑だろう。普段だったらそっちに目移りするだろうに、だめだ、今日は視線が離れない。

 

 最近送られてくるメールの写真はすっかりべっぴんさんになっていたのでちょっと心配してたのだが、そんなこたないやっぱりちょいブス変わらないかおたんだ。パフォーマンスもよっこらしょだ。見てるうちに目から汗が出て視界が滲む。

 

 おかげでM4の「ウッホウッホホ」まで全然他の子をちゃんと見られなかったよ。

 

 ユニットのMARIA。懐かしいなあ。オリジナルの公演DVDを何回見たことか。

 トップはブラックサテンのハイカラー。肩がふくらんだいわゆるパフスリーブの長袖。前身ごろの左右、肩から縦にシルバーのモールが入っている。袖にはジュエリーのビーズが散りばめられ、胸には銀のクロス。
 ボトムはレース地(?)のペチコートと、それを覆うドレープの入ったブラックサテンのスカートなのだが、左の丈が短いAKBお得意のアシンメトリーなカット。だから増田が左半身になってステップを踏むと、ペチコートの下から左足が見え隠れする。全体はすごく上品なスタイルなのに、端なくも見えるこの白い足とのコントラストがすっごく艶やかである。

MARIA4

  センター増田。

 当時は衣装についてだけでもこれだけ書けた。

 今や「お、かおたん見た目はカッコいいじゃん」。だいぶ老化したよね。

 

 かおたん、途中でマイクはずれたとか、ターンが遅いとか、そういうこともうどうでもいいや。

 かおたんが「MARIA」を歌うこと。そこに意味があるんだもの。

 なんども言うが、MARIA、それは「赦す人」。そして「癒す人」でもある。

 

 たとえばこの人のこと。

 まあ現役時代からやらかし続きでしたね。降格され昇格して写真撮られて。それでも多くの人を惹きつけたパフォーマーには違いなかった。

 そして卒業後。転進先のギョーカイがギョーカイだけに、彼女は村内では語ることを憚られる「不都合な人物」となってしまった。

 アキバで言えば中西。

 にも関わらずかだからこそか。

 かおたんも黙っていれば波風も立つまいに、こんなだったり、あんなだったり、お返しにこうだったり。

 誰もが中西について口をつぐんでいた2012年に

 りなてぃんさんは永遠で

 AKBさんはこじはるさんに

 憧れています(´;ω;`)

研究生日替わりブログ2012.1.13

 と何のためらいもなく語っていたのかおたんのことだから、こんなことはごく当たり前のことなのだろう。

 道こそ違え、一度仲間となったからには、決してその人を裏切ることはない。

 

 それでこそ、我らが大将。

 

 公演終了間際、大場が挨拶で総選挙での選抜入りを目指すことを語った。

 しかし集まった大場ヲタの反応は、正直100%とは言えなかった。「え、選抜まじで」という空気もなきにしもあらず。

 恐らくそれが歯がゆかったのだろう、松村センパイ並み居るヲタにしきりに気合いを注入。しまいには「みなを選抜に入れなかったら、来年はもう会えないからね」とまで言い放った。

 

 大将あんたも選抜入り狙ってるんでしょ。人のこと言ってる場合じゃないでしょ。

 

 いや、人のことを言う、それがまた自分のことでもあるんだ。

 同じ夢を見るとは、そういうこと。

 百尺竿頭さらに一歩。

 その一歩を進めればフツウに考えれば落下。

 でもその一歩を踏み出す勇気を持たなければ、上には行けない。松村香織はそのことをよく知っている。

 

 必要なのは、信じる心と妖精の粉。それさえあれば、飛べる。

 その「妖精の粉」は、たぶんヲタどもの血と汗と涙で出来ている。心に一抹の痛みを感じながら、それを傲然と要求できる者こそ、我らが大将。

 

 なあ御大将。

 今年こそもう一度行くぜ。

 

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 あああ。かおたんのことばかり書いてしまったけど、それ以外のメンバーもよかったんだよホントだよ。

 SKEって総じて全力で、後列端で力抜いてる子って基本いない。

 それを再確認。

 

 古畑奈和

 6年ぶりのお目見え。

 ものすごい存在感。鏡獅子のように髪を振り乱し妖しく笑う。ガタイもものすごくいい。プロレスやれるんじゃんマジで。

 松村センパイが出てなかったら間違い無くこの人ばかり見ていただろう。

 

 内山命

 「君について」、しっとりとした歌声に聞き惚れてしまった。不覚なり。

 

 高木由麻奈

 え、こんなべっぴんのお姉さん栄にいたっけ(←失敬)? と思ったらこの人だった。

 梅本Team Eのメンバーだったから、よく見知っているはずなのに。

 

 小畑優奈&北野瑠華

 今日初見だったが、よかった。だが今見て個体識別できるかどうかわからん。

 

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 お見送り、胸ポケットから小さなカードを取り出して松村センパイに見せる。

 「早推し認定証」。

 今から5年前。

 「SKE48終身名誉研究生」であったかおたんと数ヶ月前にやらかして降格された峯岸みなみの2人が中心になって行われた、AKB48グループ研究生 武道館公演「推しメン早い者勝ち」のDVDのおまけ。

 松村センパイは破顔一笑、「ああ、なつかしいねえ」とすぐにわかってくれた。

 大場の挨拶が本人の言うとおり長くて、生写真も劇場横の串焼き屋での一杯も諦めざるをえなかったけれど、それ以上のおミヤゲだったよ。うん。