雨降る土地にうたが生きる -3ページ目

あした


また明日
また明日と
日記帳をつける人がいる
その明日はどんな明日だろうか
考えあぐねて時間は残酷に過ぎる

君に逢いたくて
書いた手紙に記された文字
頼りなくて
破り捨てそうになる今がある

また明日
また明日と
何もかもを先送りにする人がいる
明日の夢が真実に変わるといいな
切ない希望を抱えて

空の夢


青い吐息で夕暮れが夜に変わり
誰かが透き通った涙を流す頃
きっと友達は温かいスープを飲んでいる
だからねもう泣くのはやめよう
海が深くなってしまうからね

貴方のお仕事がやっと終わり誰かが花束をくれるころ
影を伝うようにただ身を隠し消えゆく人がいる
いつか未来を語り合ったあの二人に帰れるならいいね
酔っぱらって虹の夢を見た夜のように
大きな空のひとかけらを少し借りてこよう

日の出に朝焼けがあたりを照らし
寝床から眠い目をこすり起きる頃
きっと恋人はまだベッドの中で寝息をたててる
だからね今すぐ起こしに行くよ
熱いコーヒーと焼きたてのトーストで


十分に生きてきた
その礎を基に
諦めることなく

十分に生きてきた
その礎を基に
諦めることなく

そして戦争がやってきた
私は背番号のない制服を着た
なじめない空気をよんで
木造りの戦闘機に乗った

さようなら
ありがとう
言葉にならない言葉と共に
私は艦艇に突っ込んだ

骨のない墓所に
私の名前が刻まれ
ときに
両親は涙を流した

賭博の日々


お前と遊ぶと面白い
と言われて
気づけば私はがんじがらめ

今日があれば良かった
それがいつまでも続くと信じた

ルーレットを回せ
そして球を回せ
笑うも泣くも他人の勝手

ディーラーの魔法の手に
躍らされたのは私の勝手

いじめられた子供のように
両手で顔を塞いで泣いている人がいる

お前と遊ぶと面白い
と言われて
気づけばあなたもがんじがらめ

指先


いつの日も優先するものは
言葉足らずなあなたの指先
その方向へ向かって
歩いて行けば間違いないと

だけどちょっと待って
恐ろしい言葉を実は隠し持って
私を貫こうとしているのではないのかね

酷いことをして
私をどんどん貶めて
牢屋の中の虜にしようとしているのではないのかね

いつの日も優先するのは
顔をすげ替えただれかの指先
その方向へ向かって
歩いて行けば間違いないと

ずいぶんと肥えた脳みそで
語られる言葉はしどろもどろで
気が付けば何かが決定している
そしてその指先がいつも気になる

時に


ああ僕らの失敗よ 現実逃避することなく
その胸に刻めよ 明らかな後悔を

ときに僕らは見失って
あくせくして夢の欠片を見つける

眠っている間にも
起きている間にも

ゆらりゆらりと夢はたゆたって
四の五の言えない現実は
ゆっくりと崩壊していく

あなたのためのまなざしが
不意に自分よがりになって
例えようもない間違いが
まんべんなく降り注ぐ

この街に
そうまんべんなく降り注ぐ





夜空がキラキラと星を散りばめるころ
あたしはあなたの住む町を想う
初めて会話した雨宿りのコンビニ
あなたは空の様子を眺めていた

あれからいくつかの季節が流れ
ときに悲しみの雨を受け入れて
それでもこころの片隅には
いつでもあなたがいた

その声が届かない この胸に
残酷に日々は続いてあたしは
何度か涙を流した 雨のように

これが恋じゃないならあたしは
あなたに惹かれる理由などない
こんなよく晴れた夜空にあたしは
あなたの姿を描いているよ


海の群青と空の青が出会う場所
そこに揺蕩う思い出の影
60億の夢が紡がれる場所
やさしい風はいつも誰もの味方

愛の真実はどこかに埋もれて
掘り出されるのをただ待っている

夕焼け静かに西を染めるころ
影はゆっくりとその身を消してゆく
ちりばめられた宝石のような星々
木々を揺らす夜風は誰もの味方

罪のありさまはどこまでも穢れて
救われる時を静かに待っている

風よ静かに
すべての熱を冷ませよ

約束の地


最初から行き先など決めていなかった
流れるままつらつらと
夜は果て無く思えた きっと
それは自分が未熟だから

時に家族さえ傷つける
罵詈雑言を連ねたこともあった
反抗期さと簡単に
片づけることなどできなかった

普段の生活が息苦しく思えたとき
なぜか胸が詰まって らしくない行動をした

遠く遠くへ逃げていけば
全てが無に帰すると思っていた
時間は無慈悲に過ぎ去り
当たり前すぎる結論へ向かう

どんな険しい言葉も
誰をも傷つけるものじゃない
王者のように気取っていた日々が
ただその冠を無くしただけで終わる

純粋なこころは濁って
自分でも制御できなくなる
言いたくもなかった自己憐憫に
一番傷つくのは自分自身だった

最終の地で
ゆっくりと横たわり
そっと目を閉じる
そこが約束された地だと知らずに

ルサンチマン


明日が来ることを恐れた
未来の姿に顔を覆った
そんな日々に今夜さよならを言おう

両方のポケットに手を突っ込んで
イギリス兵のようにひざを伸ばして歩いた
喉が渇いても腹が減っても
いつも僕らの味方なんだコンビニは

ちょっと歩けば渇きと空腹と引き換えにして
店員に紙切れを出せば癒される
人によってはその紙切れを
パチンコ玉に換えて遊ぶそうだ
朝から晩まで子供のように

紙切れは僕の鼻をかむには固すぎて
しかも価値という強い鎧をまとっているらしい
しかたないな
僕は紙切れのもとに跪こう

頼りない風が明日の天気を告げるよ
紙切れと交換で手に入れたパソコンは
面白おかしい現実をくれるよ

ただ
明日が来ることを恐れた
未来の姿に顔を覆った
やはりそんな日々に今夜さよならを言おう