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日々好奇心の趣くまま

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トカラ列島・宝島にて。

海中の探索を始めようと海岸からリーフの切れ目を抜けて外海に出たとたん、大きな影が遠くから一直線にこちらに近寄ってきた。
もしやサメか…と身構えた。

落ち着いてよく見てみるとこいつ。



フォーカスも合わないほど近づいてくる。



こちらから近寄っても逃げない人馴れしたカメは伊豆七島などにもいるが、向こうから積極的に近寄ってくるのは初体験。
しかも、いつも他所で見るカメとは様子が違う。
背中一面に海藻がこびりついていて、頭が異常にデカい。



そこで気がついた。アカウミガメだ。
尻尾があり鰭に鉤がついているのでオスの個体。
かなりの大きさなので随分と先輩なのかもしれない。

普段我々が海でよく遭遇するのはアオウミガメもしくはタイマイで、こいつらは陸地近くの比較的狭い範囲を回遊しているので出会う機会は多い。
しかしながらアカウミガメは地球規模で回遊していてメキシコあたりまで往来するため普段は外海にいる。更には絶滅が心配されているほど個体数が減っているので自然界で出会うことは滅多にない。

どうやらこの時期、繁殖のために陸地に近づいてきた個体のようで、こちらをメスと勘違いして寄ってきたのかもしれない。多分海の中で人間など見たことがないのだろう。



放っておいたらいくらでも遊んでくれそうな勢いで、こちらも撮影を忘れて遊んでしまった。
冷静になってもっと撮影しておけばよかったと少々後悔している。
 

島の名前は「宝島」。 

物語の話ではなく実際に存在すると知ったのは島旅を趣味とし始めた頃。
詩的な名前を持つこの島への憧憬は持ち続けていたものの、そのアクセスの不便さもあってなかなか行かれずにいた。


しかしながら、SNS全盛の世の中ゆえ秘境はいつまでも秘境ではないことを数多く思い知っている、そうならないうちにこの島の探索をしようと思い鹿児島へ向かった。

宝島を擁するトカラ列島へは週2便の鹿児島港発のフェリーで一晩。宝島はその最南端にあり13時間の旅。関東在住だと小笠原に渡るより遥かに労力と時間が要る。


途中、多くの個性豊かな島々に寄航していく。いずれの島もそれぞれ面白そう。

 


諸説はあるものの、トカラ列島は悪石島と子宝島の間にトカラギャップと呼ばれる生態系の境界線が存在するらしい。
大雑把に言うと悪石島までは本州の海、子宝島と宝島は南西諸島の海ということになる。

そして出発から13時間後、目的地の宝島に到着。
湾内の風景。


悪石島までとは全く異なる南西諸島の海の色。
ほんの2時間弱で温帯から亜熱帯への遷移を体験できる。

この島、トカラでは珍しく売店があるので食料品に困ることは無い。島の人々はこの上なく親切で迷っていたりすると向こうから声をかけてくれる、なにかとお世話になった。

島内を歩くが、起伏が多い。
トカラの島々は子宝島を除くとほぼ断崖に囲まれている。海へのエントリーの自由はかなり制限されそう。

一周できる道はあるが、村落を離れるとGWだというのにほとんど人に合う事はない。
最南端にある灯台からの風景。

 

 


写真では表現が難しいが、海が不思議な色をしている。沖縄でも本州でもない深い蒼。



今年初めに中国沖で起こった石油タンカー事故による重油漂着が深刻であることを聞いていたので心配していたが、ボランティアの方々の努力でほぼ回収されたらしく、それらしい漂着は今回歩いた限りでは見ることはなかった。
海岸には回収された重油を収めたドラム缶が並んでいた。敬意。

さて本題。

トカラに関する情報についてはWeb上でそれなりにあるが、いずれも陸上のものがほとんど。
海に関しては釣りか外海のクルーズダイビングの情報しかなく、生態系の境界に位置する島の周りの海中にどんな風景が広がっているのかを実際に見てみたいというのが今回の旅の主目的。

まずは宝島で最もフォトジェニックな宝島港。


沖縄でもあまり見ることの無い極度に澄んだ蒼色をしている。残念ながらその透明感は写真では表現しきれない。


手始めにここから素潜ってみる。
白砂の海底が続く。生物はあまりいないが、湾内で波もないのでひたすら気持ちが良い。

 


沖に行くと少々岩が増えてくる。湾内は浅く高々-6~7mといったところ。隠れるところが少ないのか、やはりあまり生物はいない。

元々断崖が多い島であることに加えて、残念ながら滞在中ずっと波が高くエントリーできる場所が限られていた。
入れそうなところからリーフ外に出て周辺を何箇所か探索してみた。流れは幸いあまりなかった。

透明度が非常に高い不思議な海の色。本州とも南西諸島とも異なる。



リーフエッジが切れ込む地形は南西諸島と同様なのだが、生きた珊瑚はさほど発達しておらず(もしくは台風や荒波で失われた?)、幾分か本州の海の面影を残している。かなり沖まで-15mほどの比較的浅い海が続く。

 


そこに巣食う魚も南洋のカラフルなものはあまり多くない。釣り人が多く来るくらいなので大物は多いのだが。

 


ただ、透明度の高さや類を見ない水の色や手付かず感は沖縄でもあまり見ないほど。また、人を見たことがないのか魚もあまり逃げない。



当初の予定ではフェリー2周りの期間滞在、もしくは他の島にアイランドホッピングする予定だったのだが、予報が荒れる方向に変わってしまい安全を見て1周り、つまり二泊三日で鹿児島に戻ることにした。

ということで、残念ながら島の各所で思う存分海の中を探索することは叶わなかった。
機会があれば他の島も含めて再訪したいと思います。
 

愛用していたOlympus TG-3がお逝きになったため新規購入したTG-5。
 

OLYMPUS デジタルカメラ Tough TG-5 ブラック 1200万画素CMOS F2.0 15m 防水 100kgf耐荷重 GPS+電子コンパス&内蔵Wi-Fi TG-5 BLK

 

形が似ているからTG-3用の防水ハウジングの流用ができると思っていたが、どうやらTG-5から形状が変わって互換性が無くなったらしい。
 

 

OLYMPUS TG-5用 防水プロテクター PT-058

 

純正品を買ってもよかったのだが、以前から気になっていた中華水中撮影機材メーカーSea Frogsのハウジングを買ってみた。
 

 

Sea Frogs OLYMPUS TG-5用 水中カメラケース アンダーウォーターハウジング 防水性能60m 防水プロテクター 防水ケース 防水ハウジング 保護ケース 防水プロテクター 水中撮影用 国際防水等級IPX8 イエロー

 

ebayとかで個人輸入すると純正品より\10000近く安く買える。
中華製で品質が不明だったが、TG-5自体も15m防水だし普段撮影するのは水深-0mから深くても-20mくらいまでなので、なにかあっても最悪の事態にはならないだろうという判断。

頑丈そうな筐体。野暮ったいが、見た目は気にしないので問題ない。

 

 

フラッシュ用のディフューザ装備。穴が小さく拡散板が分厚いため随分暗くなる。常時点灯モードはあまり約に立たないかも。


TG-5のlogスイッチを除くすべてのスイッチを操作できる。精度は悪くなく、空押しや空回りはない。


天辺にはホットシュー形状のものをマウントできる。頑丈そうなのでそこそこ重いものでも大丈夫そう。
四隅にアクセサリー取り付け用の穴。



前面には2重のフィルタースレッドがある。67mmと57mm。



例えば、こんなステップアップリングを用意して。いろいろネジ止めすれば前面にいろいろガラクタを装着できそう。
 

 

Kenko フィルター径変換アダプター ステップアップリングN 67-82mm 日本製 887813

 

リフレクターとかリングライトとかアームとか諸々。このハウジングを選んだ一番の理由はこれだった。

早速マクロ用の即席三脚を作ってみた。



キャップは付属しておらず、運搬時は別途こんなもので保護しておいたほうがよさそう。

 

HAKUBA レンズキャップ レンズプロテクトキャップ 67mm 脱落防止フック付 KA-LCP67

 

下部には1/4の三脚穴が三連。

 



というように外の拡張性は十分のように思える。

外見上の唯一の懸念点はシャッター部分で、とてもチャチい。気をつけないと運搬時に折れる心配あり。



ゴムの遮光シールドが付属しているが、チャチいし取り付けにくい上にすぐ外れる。



中を開けると、ゴムリングが二重になっている。結構ちゃんとしている。



驚いたのが、こんなものが入っている。



これは漏水検知回路で、濡れるとLEDが点灯してブザーが鳴る。結構大きい音。電池交換は剥かない限りはできない模様。
これは別途部品として幾つか欲しいレベル。そのうち自作してみようか…

さて、TG-5の新機能で一番期待していて、かつ水中で多用するであろうマニュアルフォーカス。
これが結構難易度が高いことが判明。

マニュアルフォーカスを行う手順はハウジングがない状態だと以下の通り。



・1でEVFの拡大率を選び
・2を半押しにして大雑把なフォーカスを確保。
・半押しの状態で3を押してフォーカスロック。
・4&5でフォーカス位置を微調整。

陸上でも慣れが必要な行程だが、水中だとこれらの位置がこんなに離れてしまう上に並びが不規則になる。

 


問題点は

・半押しの遊びが少なく、ちょっと力が入ると全押しになる。
・フォーカスロックまでの距離が長く、半押しを維持しながら押すのはかなり難しい。

まあ練習を重ねるしかないかと。

実はまだバケツに漬けた程度で、正式に進水式を行っていないのでGWにでもやってみようかと思っています。
 

バイカモ(梅花藻)。
清流の中でしか生息できない緑の美しい多年草。

機会があるたびに各地で撮影しているが、某所でたまたま生息地を見つけた。
人工物で護岸されて景観を損ねていたり水量が多くて近づけない場合が多いのだが、今回はほぼ自然の地形+水量も少なくて近接撮影が可能。

 


バイカモを見つけるとついつい時間を忘れて撮ってしまう。

 



もっと斬新な撮影法がないかいろいろ試行錯誤しながら。
 

 

東北某所での出来事。

その日の運転総距離は一般道で200kmほど。加えてロケハン目的の山歩きを何本かこなしながら。
夜になって力尽き、然るべき場所を見つけてベッドメイキングをさっさと済ませて車中泊。
翌朝、疲れが残っていたものの先の予定もあるので出発しようとしたところ、車の下から嫌な破裂音が…

降りて見てみるとやってしまった。
ずっと愛用していたOlympus TG3をタイヤで轢いてしまった。



どうやら昨晩暗闇で朦朧とした状態でベッドメイキングをしている時に気づかずに落としたようで。
いつも出発前は車を一周して落し物チェックをする習慣はつけているのだが、このときは車の下にまで転がっていたので見えなかった。

電源は入るのだが、液晶が割れて使えない。データは無事。
ただし筐体は無事のようなので、さすが15m防水デジカメと妙なところで関心したり。

という事件をきっかけに、そろそろ新規機種を考えていた時期だったので1世代スキップしてTG5を購入いたしました。



2世代違っても外見はほとんど進化がないが…



この機種で期待している新機能としては

・4K動画
・RAW撮影
・マニュアルフォーカス
・高感度
・マクロ機能の改善

あたり。もちろん従来からの水中での使い勝手も。

元々、先代のTG3は日常のスナップやロケハンとかの記録目的であまり多用することは考えずに買ったのだが、使い勝手が良過ぎる上に多機能なので最近は一眼より出番が多かったり。
今後TG5も体の一部となって、陸上・水中を問わずいろいろな景色を撮ることになるかと思います。