10月3日14時 芸劇

指揮/ジョナサン・ノット 
ヴァイオリン/辻󠄀 彩奈*
ハープ/吉野直子*

メンデルスゾーン:序曲《フィンガルの洞窟》op.26    
ブルッフ:スコットランド幻想曲 op.46*
アンコール
エルガー:愛の挨拶
ストラヴィンスキー:葬送の歌 op.5    
スクリャービン:法悦の詩(交響曲第4番)op.54

ノットが都響に初登場だ、
東響の首席に就任する前はN響への客演は有ったが、東響とは任期中は国内他オケとの共演は行わないとのとの取り決めがあったそう
2年前のサマーミューザで入院した井上さんに代わって新日を振ったのは特例だったそうだ
その縛りが解けたノットは今回の都響に続いて大フィル、そして来年には新日、紀尾井に客演が決まっている
あれだけの功労者であるノットに東響が名誉称号を冠していないことと関係があるのかと勘繰ってしまう

最初のフィンガルの洞窟はノットが指揮するイメージが沸かない曲だったが、意外?にも好演
ノットのうねるようなタクトに都響が見事に追随、それもそうだ、今日のコンマスは元東響コンマスの水谷さん、期せずしてオケを変えての共演となった

そして、スコットランド幻想曲、良い曲なのだが演奏機会が少ないのが残念、
変奏の際にはハープが重要な役割を果たすとして中央に配されることが多く、数年前に聴いた実演でも今回と同じく指揮台の前にハープが配置された
ヴァイオリンは辻さんということで期待大、そしてハープといえばこの人吉野さん、オケは12型
曲は序奏と緩急緩急の4楽章から成るが、辻さんは緩の楽章は抒情たっぷりに瑞々しく、急の楽章は荒々しく毛羽立った音色を見事に使い分けた見事な演奏だった、
残念ながら、この曲を前回聴いた時と同様、ハープは良く聞こえなかった、そういえばステージに前部に複数のマイクを立てていたので若しかしたらPAを使用していたのかもしれないが、それでも殆ど聞こえなかった

後半の葬送の歌は初めて聴く、1909年に初演されたが、その後楽譜が紛失され、再発見されたのが2015年だという
こういう曲を採り上げるのが如何にもノットらしい
オケは16型、演奏時間は10分程度で、楽器の使われ方が雰囲気が火の鳥に似た感じでした

最後は、待望の法悦の詩、前回聴いた実演はシティの定期で何と秋山さんの指揮だった、そしてこの演奏が私が聴いた最後の秋山さんになってしまった
ホルン8,トランペット5、さらにオルガンの大木さんも加わり、期待通りの爆演が展開された
何と言っても、トランペットのソロが抜群、文句なしのMVP
会場も大盛り上がりで、当然が如くソロカーテンコールが有った


 

10月2日19時 サントリー

指揮=ローター・ツァグロゼク
ヴァイオリン=ルノー・カプソン

R.シュトラウス:ヴァイオリン協奏曲 二短調 作品8
アンコール
R.シュトラウス:ダフネ練習曲
ブルックナー:交響曲第4番 変ホ長調 「ロマンティック」 WAB104(1888年稿/コーストヴェット校訂版)

昨年、ブルックナー5番の圧倒的名演を披露した巨匠ツァグロゼク
その前の2024年定期は体調不良でキャンセルだったので、心配ではあったが、無事に来日でき喜ばしい限りだ

最初はR.シュトラウス若書きのVn協
ソロのカプソンは読響とは何回か共演している、
私は2023年のベルクVn協は聴いたはずなのだが、ブルグを読みウ返すと半分寝てしまったようだ
ただしカプソンの名誉のため、演奏が悪かったわけではなく、単に疲れていただけっだったことを断っておく

カプソンと共に登場したマエストロは、去年は背もたれに寄りかかっての指揮だったが、今回は指揮に用意された椅子に座っての指揮、
オケは12型、コンマスは林さん
この曲以前にも聴いたことがあるが、やっぱり興味が持てない、特に感想は無い

後半は16型だが、CBをオケ最後列の8人並べた配置、押し出された打楽器は後列右側に
この配置以前にもどこかで見た記憶があるのだが、どこで見たか思い出せない、

今回の演奏は改訂版に基づく版だそうで、おそらく聴くのは初めて、カットが有る他、シンバルが加えられているという
ブルックナーのシンバルというと交響曲7番、ノヴァーク版ではアダージョのクライマックスでたった一回だけ叩かれる、同時に打たれるトライアングルも唯一の演奏機会、同じタイミングでティンパニも叩かれるので、その時だけのために、シンバルとトライアングル奏者が必要になる
精確の悪い私は7番のコンサートでは、演奏中に時折、この2人の奏者に視線を向けずには居られない
今回のシンバルはたぶんティンパニの左に座っている彼なのだろう、

演奏は期待に違わず、素晴らしいものだった、ホルンについての不満はあるが、言ってもきりがないので止めておく
弦楽の各パートの分担が明確化され、ヴィオラのパートが、チェロのパートが分解度高く伝わった

従来のノヴァーク版とコーストヴェット校訂版との違いは可成りあったという印象、
詳しくは専門家のレビューを参照されたいが、カット以外にも、変更が目立った

そして肝心のシンバルだが、4楽章前半にようやく一撃が有ったが、その後には出動は無く、そのまま終曲を迎えると思っていたのだが、4楽章後半にまさかの弱奏2打があった
コーストヴェットさん、この弱奏2打は要らないです

最近は、無理矢理ソロカーテンコールは見届けずに会場を去ることにしているが、今日は最後まで拍手を送った
次回は、是非8番をお願いします

 

9月30日19時 オペラシティ

指揮:リオ・クオクマン
ピアノ:清水 和音

レスピーギ:組曲「鳥」
ショパン:ピアノ協奏曲第2番 ヘ短調 作品21
アンコール
レスピーギ:リュートのための古風な舞曲とアリアより イタリアーナ
プッチーニ:歌劇「マノン・レスコー」より第3幕 間奏曲
レスピーギ:交響詩「ローマの松」

今月の定期はレスピーギ没後90年ということで、最初と最後にレスピーギを配したプログラム
とは云っても、今年もそろそろ終盤にかかるがレスピーギを特集したコンサートは初めて、

本日の指揮者は定期初登場のクオクマン、去年のLFJでシティを振ったのを聴いている、その時演奏されたのは福間さんがラベルの両手、グッチが左手のピアノ協奏曲、
去年はクオクマン指揮の香港フィルも聴いている、これは反田さんのチャイコンが目当てで聴きに行った
2度あることはで、今日も演目にはしっかりとショパンの2番が組まれている

最初の組曲「鳥」は実演で聴くのは初めて、レスピーギには古い音楽にルーツを持つ作品が多いが実際に演奏されるのは、リュートのための古代舞曲が大半なので、今日は貴重な機会だ
演奏は第1Vnが8の小編成、コンマスは戸澤さん
前奏曲とそれぞれ鳥名の表題を持つ4曲とからなる20分強の作品なのだが、実に耳なじみの良い作品だった

2曲目はオケを14型にしてショパンの2番、清水さんは言わずもがなの日本を代表するピアニストだが、実演を聴くのは久しぶり
若いころに比べるとだいぶ貫禄もついてきたようにも思える
当然演奏技術的には問題ないが、淡々と演奏しているようにみえてしまった
その分あっさりとした印象、クオクマンも無難な伴奏なのだが、いささか物足りなかった

後半は同じ14型でマノン・レスコー間奏曲、
これはクオクマンの選曲なのだろう、躍動感のある演奏で楽しめた

そして最後は「ローマの松」、2Fのオルガンの左に7人のバンダが配置された
開始部分はハイピッチだったが、いささか演奏の粗さが目立った、グロッケンやトライアングルが連打される部分はうるさいだけだった
最近シティは演奏が立て込んでいるようなので、有名曲である松についてはリハーサルが足りなかったのかもしれない
また、個人的にはバンダはぜひ会場後部にも置いて街道感を演出してほしかった
でも藤岡さん曰く「最高に盛り上がる曲」だけあって、最後には最高に盛り上がった