②の続き
演出、セットについて。配役が出たときにFIRRRE?WATERRR?SINGERRR?って
なった方も多いはず。おそらくコロス的なものとは思ってはいましたが、
舞台の要所要所でいいアクセントとなって効果的に使われておりました。
原作では途中休憩が「INTE“RRR”VAL」と表現されてて小ネタが効いてましたが、
それを踏襲してくれているのも原作ファンにとってにくい演出ですね。
そもそも原作が超スペクタクルアクションが売りな所、どうやって宝塚で表現する?
あの見どころの一つのビームとラーマの邂逅シーンなんて舞台じゃ無理では?
と思っていましたが、原作では力づくで助けてた子供、舞台ではさらに
物理的に助けてましたね(笑)FIRRREに巻かれてたところ、ビームが
旗を一振りしたところでWATERRRにさっと変わるところなんて鳥肌物!
そもそも原作からしてビームを水、ラーマを火に例えてましたが、
『ロミジュリ』しかり青と赤の対比って舞台で良く映えるんですよね。
ぱっと見子犬のようにw元気溌溂としたビームが暖色系に見えるところ、
まるで虎のように虎視眈々と獲物を狙い、拷問の時も神の子然りじっと耐える様、
その静謐さは水のよう。方やクールで兄貴分で一見寒色系に思えるラーマは
その奥底にずっと燃やし続ける熱い心があり、まさに全てを燃やし尽くす炎。
舞台を赤に青に染め上げて、時に火は水を干からびさせ、時に水は火を消して。
でも合わさったときは爆発的なエネルギーを持つ。ドスティや森の戦いもですが、
二人の関係性をFIRRREとWATERRRとして表現するのが舞台ならではの醍醐味!
二人が戦うところでWATRRRとFIRRREがぽつんと離れて座ってるのがもう
FIRRREとWATERRRが一番活躍してたのが上記のドスティと森の戦いですが、
ドスティの時にFIRRREから徐々にWATERRRに代わるシーン、照明も徐々に赤から
青にかわってるんですね。照明と合わせての使い方も本当にうまいと思いました。
森の戦いといえば、やはりビームの槍と森中に飛び交うラーマの矢の表現が凄い。
あんな照明の使い方初めてかも。宝塚の照明技術も本当に進歩しましたよね。
あそこのシーン、ちょっとビームが波動拳使いになってるのが面白いw
ラーマのエビぞりシーン、場面は違えど原作のこれこれというシーンがあって嬉しい!
舞台演出上仕方がありませんが、バイクの修理が銃の修理、ジェーンの壊れたのが
車から自転車に変更。バイクから銃は街中の修理屋に銃を修理に出していいの?
と突っ込みは置いとけばwシーンの流れとしては問題なし。自転車は正直あの場で
すぐ直ってるよね(笑)ラーマ兄貴が普通に回収していったのが面白かった(笑)
原作の見どころであるマッリ救出のために動物たちと一緒にカチコミシーン。
まぁ当然ながらこちらも無理。代わりにビームが潜入アクション張りに忍び込みますが、
この時のビームの動きが虎っぽいのは原作の動物シーンの代わりのためか。
ここで一つ疑問。ドスティの時にビームが意味深に巨大肉を背負っているシーンがあります。
これは原作にもあるシーンで、上記の動物さんたちのお食事だったわけですが。
今回はそのシーンがないとしたら、あの肉は一体だれの?
まぁペッタイヤたちもよく食べそうだしなー(笑)ということで仲間たちの食事ということでw
動物が放たれるシーンがない代わりに、今回の一番の目玉のセットといっていいのが
巨大虎のセット!オープニングから度肝抜かれました。まぁ一瞬『ジャガビー2』か!
とも思いましたけどこれぞ、ザ・トップスターの登場シーンですね。
全体的に大掛かりなセットは虎ぐらいですが、セット感がなくきちんと場面を
作っているというか、(マッリのオリにしても何シーンかで使いまわしているけれど、
あのシーンでキチンとマッリのオリに見えるし、他のシーンは壁や飾りにみえたり)
舞台の使い方や奥行き、特にドスティのシーンは空間の使い方が本当に感動しました。
何気好きなところ。多分皆さんも同じだと思いますが(笑)
幕が上がる前のところ、虎さんや鹿さんが横切ってたのが可愛かった
続く