内なる石のひびきに、熱き心がやどる -295ページ目

ワインインポーターの仕事 ~ドイツ・アルザス編~

今(たぶん)もこの時も世界最大のワイン展示会はプロヴァインというドイツで行われるものです。

世界にはVINEXPOやVINISUD、ヴィニタリー、アリメンタリアなどなどいろんなワイン展示会がありますが、プロヴァインはドイツ・オーストリアを中心にしたものです。世界中のワイナリーが集まるのでその規模たるや、体育館で言えば50個分とかそれ以上の広さです。

そんな中で一粒のダイヤのように良いワインを探すのは難しいので事前の下調べが必要なのです。

ま、私は何にもしませんけど。

もちろん、取引先も出展しているので新商品を紹介してもらったりします。

ストイックなバイヤーと一緒だとランチも摂らずに1日中回るのでクタクタになります。

でもこれは楽しいです。

あと、大切なのは取引している生産者に紹介してもらうこと。良い生産者は良い生産者を知っています。ワイン誌には載らない素晴らしい生産者はそうやって見つけることも多いのです。

2日間ほどみっちり回ったあとはドイツの生産者訪問です。

よくドイツはご飯がおいしくない、と言われますが、良い生産者は基本的に食いしん坊です。

絶対に美味しいレストランを知っています。ここはテッシュが連れて行ってくれたレストランです。

兎肉がめちゃくちゃおいしく、リースリングと兎が合うのがよくわかりました。

その後はワイナリーに訪問して畑見せてもらってテイスティングです。

テッシュの後はフォンウィニングにも訪れましたが、やっぱり併設されたレストランは素晴らしく、当時シェアする文化のなかったドイツで日本に感銘も受けてシェアできる料理をたっぷりと出していただきました。って食べることだけになってますね。

 

フォンウィニングで感動したのはカーヴでテイスティングではなくて、車に乗ってそれぞれの畑をまわり、その畑ごとにそこで造られたワインをテイスティングする、というものです。これ、簡単そうで他で誰もやってもらったことがありません。

その後はアルザスに向かいます。

このフェミニンな街、なんですか・・・。住んでみたくなります。

ドイツから向かう列車の中、何よりも驚いたのはドイツで買ったPaulのパンとアルザスのPaulで買ったパンの味が全く異なることです。

同じパンショップでのドイツとフランスの差。これはびっくりでした。

 

アルザスも2生産者をまわり、新アイテムのテイスティング、ディナーを終えて帰路に着きます。2013年の出張の話でした。

 

プロヴァインも含め、多くの生産者にサンプルを送ってもらい、社内のテイスティング資格者とバイヤーなどで全員一致の品質と認められたものが新たにポートフォリオに加わる、という仕組みです。

誰か1人の意見で採用が決まることはほぼありません。それは1人の好みや思いだけに偏らないようにするためです。あと、価格に見合ったものかを判断する人も必要だからです。

 

こうやって新アイテムがカタログに載るかどうかが決まっていきます。

ということで、特別編もこの辺で終わります。

ワインインポーターの仕事 ~ブルゴーニュ出張編~

CD-Rからようやく画像を取り戻しました。2006年に行ったブルゴーニュ。

私のブログのタイトルは「内なる石のひびきに熱き心がやどる」としていますが、この出張で撮ったこの写真がヒントです。

どの畑のことでしょう?とある詩人の詩から引用しています。

ってこの撮られている写真があるのに撮ってもらった写真が残っていない、という・・。

この時の出張は現地5日間。とある著名な方に案内して頂いたのです。5日間で55軒回りました。

目的は当初弱かったブルゴーニュのポートフォリオを増やすためでした。

 

5軒で55軒ってまあまあ大変です。普通の出張ではここまでしないです、きっと。

1日に11軒回るということは1軒に1時間も居れないのです。移動もありますから。でも取引がかかるテイスティングと商談ですから生産者側も造っているワインは全部テイスティングしてほしいと思ってくれています。

すごく丁寧に説明、テイスティングをさせてくれるのですが、ある程度飲むとその生産者の実力がわかってきます。

 

そこで「もうこれで大丈夫です」って言えないんですよね~。そこを案内してくださった方に頼んでやんわりと断って頂いて次!!って感じで次の生産者に向かいます。

もちろん、すでに厳選してくだっているのでどこも美味しいんですよ。その中で選んだ生産者は5、6社だったかと思います。

この生産者はその中でもかなりストックしている生産者で膨大な量の古酒がありました。

ここは大きな取引に至ったのでお昼ごはんまで頂いて3時間くらい滞在しました。

 

当時のメモを残しているのですが、取引に至らなかった生産者も今、日本で有名になっている生産者が複数あります。

 

こうやって日本に新しい生産者が入ってくるのです。今ではブルゴーニュもかなりの量が輸入されているのでこのような発掘はだいぶ難しくなっていると思いますが、知られていない生産者を新たにポートフォリオに加える仕事はなかなかに楽しいです。(あくまでも決めるのはバイヤーで私ではありませんが)

 

ちなみにこの時、先輩とエスカルゴ、どっちがたくさん食べれるか競争して、5日間で私は48個食べました。

でも先輩は60個食べました。エスカルゴは大好きですが、毎日食べるとちょっとしんどいです。

ところでこのワイン、その出張時に案内くださった方に飲ませていただいたロゼです。

エチケットもありません。(貼っていないのではなく、貼られることがありません)

 

きっとこの生産者の名前を言ったら「え?本当ですか??それはうらやましい」と言って頂けると思います。

日本人で飲んだことがあるのは何人いるでしょうか・・・。そもそも造っていることを知っている人があまりいないはずです。

これ以上書けませんが。

 

 

ガメラーを名乗っておきながらムーラン・ナ・ヴァンをピノ・ノワールと答える

ブルゴーニュの出張の話を書こうと思ったら画像がCD-Rの中。取り出す方法が無くて今日は断念しました。

先日、ブラインドで出していただいたティボー・リジェ・ベレールのムーラン・ナ・ヴァン。

私は、マレー・リジェ・ベレールのモルゴンを飲んで以来のガメイ好きです。

大阪のワインバーで飲ませていただいたワイン。ボトル12000円でした。今はそのバーもないですし残念です。

 

確か、ティボー・リジェ・ベレールはクリュ・ボージョレに感動して畑を購入したはずなのでこの同名のリジェ・ベレールのワインはドメーヌではなくネゴスでしょう。ティボーさんと血縁関係でしょうか?

 

このワインは飲んだ瞬間にピノ・ノワールとしか思いませんでした。

それ以外は疑わず、果実味が非常に濃厚なのでもしブルゴーニュならグランクリュクラス。でもニューワールドっぽくないので落ち着いた結論が南アでした。

 

まさかのガメイ。ガメイが高貴なワインを造れることは知っているものの、このレベルのものが造れるとは驚きでしかありません。

 

ガメラーを極めるべく、もっとガメイを知らないといけません。

 

ワインインポーターの仕事 ~ボルドー・プリムール編~

ボルドーにプリムール出張のために訪問した2014年について。

そもそもプリムールって何?っていうところからですが、ボルドーでは新酒予約システムとしてまだ熟成中のワインを先物買いするシステムがあります。例えば1995年ヴィンテージのワインであれば1996年に樽熟成している時に価格が提示され、1997年後半から徐々に世界にリリースされていくのです。先にお金を払っているので安く買えることもありますし、リリース時には暴落しているリスクもあります。

 

ただ、1997年ヴィンテージを除き、プリムールはほぼリリース時の方が高いので、先に買うことがインポーターのメリットとなります。

(1997年ヴィンテージだけ起こった話は以前のブログを参照ください)

 

まずはロバート・パーカーが3月くらいにやってきて点数をつけます。その後、インポーターの試飲が開始されるのです。(今はパーカー氏は引退)

 

この時のプリムール出張は2014年でしたのでテイスティングするワインは全て2013年です。サンプルは瓶詰めされていますが、実際には樽に入ったワインをこの日のためにボトルに詰めている状態です。

 

この写真の会場は1つ目の場所です。合計3日間くらいで朝昼晩と回るのでこの本数のテイスティングを1日に3-4回やります。×3日間です。

よくテインスティングって羨ましいと言われますが、もうね、苦痛でしかありません。特にこの年は2013年という雨が多くて完熟が難しかったヴィンテージでしたから全てのワインが青いんです。いわゆるピーマンの香りが非常に強くボディが弱く、タンニンだけが口の中に残ります。

まだワインとして完成していないタイミングですから余計にです。1日に300本くらいテイスティングするのでもう何がどうだったかなんてあんまり覚えきれません。もちろん、メモを取っていますが、「青い」とか「タンニン強い」とか「バランスが悪い」とか一言だけです。あとは◎、〇、△、×とかの記号です。

それでもほぼ格付シャトーかブルジョワクラスですから贅沢なテイスティングであることは確かです。

 

大体、村ごとにどこかのシャトーが持ち回りで会場となります。例えばこの年はサン・ジュリアンはシャトー・ラグランジュで、ポイヤックはダルマイヤックで、とかです。

 

タンニンは歯茎にダメージを与えるので歯茎が痛くて晩御飯が食べれないこともあるほどです。最後の番なんてボルドーにいるのにブルゴーニュの白ワインをおねだりしたほどです。

でも5大シャトーは別格です。

ここはラフィット・ロートシルトですが、ちゃんと場所が確保されていて待合室みたいなところから交替で入ってややじっくりとテイスティングをさせてもらえます。シャトー・マルゴーはポール・ポンタリエさんがわざわざ出迎えてくれたりで感動しました。

最もすごかったのはシャトー・オー・ブリオンでした。1人1人に席が用意されてじっくりとテイスティングできますし、何よりも豪壮な感じがさすがボルドートップシャトー!!って感じでした。

 

何を決めるかというとみんなで最後、話し合って何が良かったとかあの村がこのヴィンテージは良かったなどと点数などと比較しながら話し合います。そして数量を決めるのです。1年後のリリースに向けて。

 

とはいえ、マイナーなシャトーは出来がものすごく良くても売れるとは限らないのでその辺の判断が難しいのです。ボルドーに関しては味わいだけが全てを決めない、という点も難しい点です。

 

それにこれだけの量を飲むわけにいきませんから全て吐き出します。3日間で恐ろしい量をテイスティングして優劣決めて、数量決めて・・(ま、それは僕の仕事ではありまけど)というプレッシャーを感じて旅を終えるのです。

 

他国の出張も産地は違えども似たようなところがあります。思っているよりはハードです。

豚カツよりもエスカルゴにカリピノ

珍しく自宅で揚げ物。天ぷらは揚げてくれないけど。

新たにお盆が増えた我が家。赤は和食器が映えますね。

 

とんかつに合わせたのはブレッド&バターという独特の名前を冠するピノ・ノワール。

このワインを飲むと「なんだ世の中、やっぱり樽と濃厚な果実味って求めているんじゃない!」って思ってしまいます。

世界的に食事も軽め、ワインもアルコール度数を低めに造って樽熟成をあまりしない、新樽は使わない!っていう傾向がかなり進みましたが、そんなに世の中味の好みは変わりません。

 

樽香しっかり、果実味濃厚、アルコール度数高め、こんなワインが造られるとやっぱり売れるんですよ。

 

そしてとんかつと合う、というよりエスカルゴバターとぴったりです。そのくらい濃厚なピノ。

エスカルゴは大好きなんですが、今や冷凍で日本でも普通に買えますし、むしろ手軽に食べれる料理になりました。

 

以前、ブルゴーニュに出張に行った際に先輩と5日間で何匹食べるか競争しました。48個食べたのに負けました・・・。

それほど好きなエスカルゴ。このワインと合わせるには最高です。