須藤は不思議な夢を見る。炎が渦巻く、血なまぐさい戦の夢。
ある日あらわれた少女に「シュトヘル」と呼ばれた瞬間、どことも知れぬ場所に意識がとばされていた。
自分は女で、兵士で、そして死んだはずだと言うのだ。
「きみはシュトヘル(悪霊)、ほんとうの名は教えてくれなかった……さいごまで」
長い話になると語り出した、目の前の少年は何者なのか?
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- 「皇国の守護者」の漫画版作者さんの最新作。
うわー、これは驚きました!
原作つきの前作しか知らない読み手としては「オリジナルだとどうなるのかなー」などと思っていたのですが……。
あのー、いわゆるパロディ作家さんなどにも言えることなのですが、完成された世界観の中で「こうだったらいいな」ということを語ることが上手い方が、必ずしも物語をゼロからつくりだす力があるわけではないと思うのです。
これは資質というよりは、どちらを好むのかという問題なのかもなーという気がするのですが、いずれにしても読解力と創造力って、あまり両立しないものなのですよねえ……。
しかし本作はそのような予想を裏切って、かなりイイです。
やはりこの作者さんは物語ゴコロ(なんじゃその新語)のある方で、セリフなども本当にもう、いちいちいちいちカッコいい。
そしてなにより導入部の迫力が素晴らしいですね。
だってあのー、現代日本→13世紀のモンゴル、といきなり舞台を移す、いわゆる時間モノであるわけですよ。
いやーんタイムスリップしちゃった!
しかもなんかオンナノコに性別も変わってるし!
という、どう考えても陳腐なコメディになりそうなシチュエーションが、どういうわけかシリアス戦記として成立してしまうという離れわざには感心しました。これは構成の上手さなのでしょうねえ。
●現代日本(須藤はビンボーで平凡な少年)
●13世紀の現在(シュトヘル死亡)
●13世紀のちょっと過去話(いかにして彼女はシュトヘルとなったか?)←今このへん
このように時間を行きつ戻りつする早い展開だと、明かされていない過去部分が気になって、設定自体へのツッコミを忘れさせてしまう効果がありますね。
いやー本当に上手い。感心。
まだまだ物語は始まったばかりですが、続きを楽しみに待っております。
(それにしても巻末の自作へのツッコミおまけ漫画「シュトヘルちゃん」はすごい。
「主人公は、健気な!(萌え) ドジっ子(はあと)! なんですー!!」
という、シブイ作風から百億光年もかけはなれた主張ですが、言われてみればなんかそうかもしらんという気もしてくるマジック……こういう笑いがとれるとこに作者さんの客観性というかオトナさが出てますね)











