「7SEEDS」15巻(田村由美) | 水の中。

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「おまえの親は人殺しだ!」
ついに花の父親が「教官の貴士先生」であることを知った夏Aチーム。両親の真の姿を知らずに育った花に対して、安居は憎悪をむき出しにしてくるのだったが……。




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うーわー!
花への憎しみを正当化(しかしムチャクチャな理屈だなー親の責任を子にとれってさ……)して、
ガンガン敵意をぶつけてくる安居はコワイな~。

しかしそれ以上にオソロシイのは、という人物。
「安居をこれ以上傷つけるな」
という、ただ聞いただけでは「ふーん」な言葉の意味するところとは!


安居はこれ以上の悲惨な出来事に耐えられないから、自分が悪役に徹する――つまり、自分が安居の代わりに彼の平穏を乱す人間を始末する、の意なのですよね。



えええええー、なんじゃそらきもちわるいー! 相手を抱え込み、いえスポイルしすぎなご意見で、なんなのこの保護欲。
涼は安居のリーダーとしての素質と能力を認めて、評価しているのではなかったの?



しかし考えてみれば、涼という人物も夏Aチーム選抜という「親も身内もなし。いるのは周りの競争相手のみ」という特殊な環境下で育っているわけで、本人の自覚よりも歪んでいるのだろうなーと今回あらためて思わされましたね……。
私はこういう「この人だけがすべて」、みたいに一人にやたらと思い入れるキャラクターに感情移入しがちではあるのですが、正しい愛だけが愛ではないと思うのですが、それにしても涼のこれはなあ……。



愛する人の間違いを正すことが出来るのか。



……というハナシなわけですよね。
病んだままのこの人であれば、ずっと自分を必要としてくれるかもしれない。
自分はそれで幸福かもしれない。
だけどそれでいいの?



私はイヤだなーと思います。やっぱり最後の最後のところでは、その人に幸せになってもらいたい。
だって自分のものにはならない部分だって、やっぱりその人で、それも含めて愛したはずではなかったのか。



うーん。私としては、安居がどうこうというよりも、涼にこそ変わってもらいたいなーと思うのですが、どうだろう。
すんごい意志が固そうなんですよねえ……。

まあ、この作者さんの世界において、涼のこの破滅的な理屈が通るとも思われない(たぶん)ので、安居のエピソードにどのように決着がつけられるのか、ハラハラしながら待っております。