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水の中。

海外小説のレビューと、創作を。


作家マーシャル・フランスが愛した町・ミズーリ州ゲイレン。
大ファンであるフランスの伝記を書く許可を得て、主人公トーマスはこの町へ滞在するが、ここの住人はどこか奇妙。
彼らが伝記の完成を急がせる、その理由とは――
キャロルのデビュー作にあたる、ダーク・ファンタジー。


というわけで、ジョナサン・キャロルです。
これがキャロルの世界の始まりにあたる作品ですが、「月の骨」のように他作品とリンクする部分はなく、どちらかと言えばホラー色の強い一作。

主人公トーマスは映画スターを父に持つ、抑圧された人格の持ち主で、趣味は仮面収集。
気難しい彼が好きなものがもうひとつあって、それがマーシャル・フランスという作家の作品なのです。
同じ本を奪い合ったことから出会ったガールフレンドの提案で、トーマスは夢にまで見たゲイレンを訪れるのですが、そこには恐怖が待っていた、というわけです。

この恐怖がどういう恐怖であるかは読んでいただくとして、ラストが素晴しい。
残酷などんでん返しと、その後の予想もつかない結末。
変な話ですが、私はちょっとスカッとしました。

良さを語ろうとすると、だいたいネタバレになってしまうという、非常に紹介の難しい作品。
なので、ちょっと卑怯な手段で宣伝を。
世界一のお話おじさんである、スティーヴン・キング様(サマって……)が、なんとコレを読んでキャロルにファンレターを出してしまった、という逸話でいかがでしょうか。

ちょっと読みたくなりませんか?


(評価★★★★)



「アタシさー、これから旦那に優しくなろうと思うんだよね」

「えっ……」

同僚Aちゃん
が、突然改心したもようです。
私は驚きました。
「ど、どーしたの? またヘンな本(注)でも読んじゃったの?」
説明しよう。
同僚Aちゃんはオトコマエな言動とは裏腹に、意外にも繊細な神経の持ち主で、よく「スピリチュアルなんとか」みたいな人生の手引きの書を読んでは、心安らかに生きる道を探しています。

その知識によって、私のことも啓蒙しようとするのですが……
(例)「感謝することによって、円滑現象が起きるんだって!」「ひとを妬むとね、アカシックレコードに記録が残っちゃうからね!」等。←私にもわかる日本語希望……どうもサンマーク出版系ではなく、もっと怪しげな宇宙理論のような気が……。
そのへんは、まあ、よく分からないので置くとして。

要するに、ひとに優しくなりたいんだそうです。
甘えんぼうな旦那さんに厳しくしていたけれど、こんどは優しくしようというわけです。

いいね、それ。

よく聞いてみると、とくに何かに影響されたわけではないそうで。

やっぱり生き方アドバイス本は、人を変えたりしないものなのかもしれません。

おみやげでいただいたナパワインを開けたら、なかなか美味しかったです。
同じカリフォルニアワインでも、作中に出てくるOPUS・ONEのような高価なものではありませんが、メルロー種は若くてもやわらかくて飲みやすいですね。


著者: オキモト シュウ, 亜樹 直
タイトル: 神の雫 1 (1)




とかいう私の浅いウンチクはさておき、「神の雫」


国際的ワイン評論家を父に持つ、ビール会社の営業マン・神咲雫が主人公。
その父の死によって、もうひとりの後継者である天才ワイン評論家と、億単位の資産価値を持つワインコレクションの相続をめぐる争いが始まってしまうわけなのですが――

主人公は父への反発から、ワインを飲んだこともないという、一見とてもフツーのサラリーマン。この対決、凡人VS天才という、やってみるまでもない勝負のように見えるのですが、しかし。

凡人であるように見える主人公が実は天才型で、才能に恵まれた天才のように見えるライバルが秀才努力型という、この構図……どこかで見たことが。

ああ、あれだ。

「ガラスの仮面」だ!!

と、スッキリしたところで、モーニング掲載のこの作品、作画も美しくてオススメです。
ウンチクと共に、お酒を楽しみたい大人の方に。

(ここで漫画の紹介するの初めてかも!)


だそうで。

アメーバブログ運営局さん の記事に驚きました。
アメーバにも変化の波が(いや投資の波か?)


というわけで、アメブロ利用者以外のみなさまにお知らせですが、アメーバブログの大規模リニューアルに伴い、

3月30日(水)午後9時  ~ 4月1日(金)午前9時

上記の36時間、閲覧ができません。失踪したわけではありませんので、そこんとこヨロシクでございます!

サイバーエージェント藤田社長のブログによると、5月末には○億をかけたサーバーへ移行する予定もあるそうで、今後が楽しみ。



ここ「水の中。」 、あほー記事が8割を占めるヘンテコ書評ブログですが、書いている私自身が寂しがりやさんで、いつも巡回するところが更新されていないと、ひどくがっかりしてしまうため、せめて自分のところは何でもいいから(オイ)毎日更新するぞー!という、気合のみで運営されています。

最近気になっていたのですが、よそのみなさまのブログ名を見ると、タイトルだけで何を書いているか分かったり、かっこよかったり、想像させたりするステキなネーミングなんですよね……。

ウチは……ええと、ウチは……

ウチは何やってんだかぜんぜんわかんねえこんな名前ですが、これからもヨロシクでございます。

(ところでタイトル最後についてる「。」ですが、いつも文章を書くときのクセでつけてしまっただけで、わざとではありません。事故。)



盲目の幼い妹を連れた浪人・宮永直樹は、川で溺れる子供を助ける。
子供は八代目市川団十郎となる役者であり、彼に自分を助けた責任をとれと言う。
この出会いが双方の運命を運命を変えていくが、直樹には隠された過去があって――



著者: 杉本 苑子
タイトル: 杉本苑子全集〈3〉傾く滝

実はここで宮部みゆき「ぼんくら」について書くつもりでいたのですが、
どうでもいいやという気持になり(フツーに面白いと思います。あんな真相をつくらずに、ただの人情物語の連作であれば、もっとよかったかも)、それならどういうものが読みたいのかと自分に問いかけてみたところ、この杉本作品みたいなのがいいなあ、と。

これは八代目市川団十郎が生きた江戸(天保の改革あたり)を舞台にした、たいへん面白い風俗小説であり、悲恋の物語であり、復讐を待つ人の物語であります。

縦軸となるのは、直樹の秘められた過去と、彼に対する団十郎の執着なのですが、市川家をとりまく人々の、愛憎入り乱れた人間関係が面白い。

華やかな歌舞伎の世界の裏側に驚いているうちに、数えきれないほどの登場人物たちと、彼らの持つ事情に巻き込まれ、時代の変わり目に流されていってしまいます。地味な脇役から、小憎らしい悪役まで、全員が魅力的に描かれているところが素晴しい。

私自身は団十郎の恋(なんと直樹を家庭教師にしてゴーインに親公認の仲に!)は正直どうでもよくて、ラストあたりは団十郎の親友・坂東しうかと一緒に悲しんだり怒ったりしてしまったわけなのですが……。

ところで、これ、講談社文庫のものは今はもう絶版で、「杉本苑子全集3」にしか入っていないのですね!えー、こんなに面白いのに、もったいない……。

というわけで、図書館派の方はぜひ!

(評価★★★★★)

私の発言、

「近所のスーパーにねえ、おはぎがたくさん積んであったの。
おはぎフェアーだね!」


すると、同僚Aちゃんが

「……あんたそれ、お彼岸だから

常識人としての私の地位に、危険信号が!!




連休ですっかり忘れていた、日曜朝の正義の味方
「魔法戦隊マジレンジャー」

たったいま観たところです。
今回は物語らしい物語もなく、ひたすらウルザードと戦い続けるマジレンたち。

そう、ウルザード

マジマザー(マジレンジャーたちの母)が殺された回、録画に失敗して半分しか観ていない私、
「え? ウルザードってだれ?」
だったのですが。
画面に映った謎の魔導騎士ウルザード、何がどうというより、明らかにマジレンたちと同じテイストの、その紫コスチューム……。

このひと……他人であるほうが、むしろびっくりするだろうな……。

そんな謎の騎士はさておき、本日いちばん勇気をもらったのは、マジレッド魁(カイ)くんが、子供を救うために使った魔法。
「ランドセルよ!ロケットブースターになれ!」
ランドセルがドカンと火を噴き、
「わあああああああ」
悲鳴をあげつつ、飛び去る子供(助かってヨカッタネ!)。

ところでこの「マジレンジャー」、プロデューサーコメントによると
異国感を出すために海外ロケも予定している」
とのことですが、これ以上どう現実から離れたいのか、私には……よく……。

私の大好きな「仮面ライダーヒビキ」については、ヒビキの同僚であるイブキ役の俳優さん、彼がセリフを言うたびに
「そこはそうじゃねえだろう!!」
と素人ながら文句を言いたくなってしまい(いちいちヘンなんだものー)、物語については何も思うところがなかったとです。

以上、愛と勇気のレポートでした!



上の写真ですが、手前の部屋も、向こうに見える庭も、ミニチュアです。

小石川後楽園へ散歩に行ったのですが、入口によくできたコレがあったので、感動して、つい撮影。
あ、梅や桜(もう咲いているんですね!)も綺麗でしたよ。←つけたしのよう

この小石川後楽園、江戸時代に徳川家の中屋敷だったところ。
庭園は、池を中心とした回遊式築山泉水庭(舌かむよ)。
洗練された庭とはちょっと違いますが、広くて自然がいっぱいで、気持のいいところです。

そうそう、帰りに東京ドームシティでお茶したのですが、ここも素敵な空間ですね。
「ヒイイイイー!!」
「キャアアアー!!」

敷地内を縦横無尽に駆け巡る黄色のジェットコースター「サンダードルフィン」乗客の悲鳴が響きわたり、のんびりした休日に、ちょっとした非日常感を与えてくれます。

そこのスターバックスで、連れが先ほどまでいた小石川後楽園のパンフレットを読みながら

「あ、あそこ紅葉もキレイだって。紅葉も見にこーよーな!!」

平気で言いやがるので、15分ほど説教しておきました。

ダジャレを平気で言うひとは、笑いとゆーものを甘く見てると思うので、見つけしだい指導を!

ただし60歳以上は……仕方ないかな……。


よく選手たちのコメントで
「見えない力」と言われている、K-1的シナリオ

格闘技はショーでもあるので、興行側にある程度の意図が存在するのは仕方がないが、
K-1のマズイところは、観客が誰一人として望んでいないような結果を出そうするところ。
昨年の武蔵の決勝進出にまつわる疑惑判定の連発はひどすぎて、一観客としてまったく楽しめなかった。

ところで、本日、韓国はソウルで開催されたアジアGP
ガオグライ・ゲーンノラシンのおかげで、かなり盛り上がった様子。
いつも不愉快なジャッジが多いが、今回のチェ・ホンマン優勝は無理がなくてよかった。
曙のチェ・ホンマンとの二戦目は「?」な降り方だったが、角田からムリヤリ得た一勝なので、守ったほうが得策かもしれない。

曙×角田の試合では、実況も解説も
「角田さ……角田選手」
と言い直していて、おかしかった。
それくらい現役から遠いひとなのに、この話を断れなかったんだろうなあ……。

お疲れさまです。


これは小説ではく、紀行文です。

現在は原題「TRAVELS」の通りのタイトルがついていますが、以前の
「インナー・トラヴェルズ」
という邦題のほうが内容と合っていて好きだったので、ちょっと残念。


著者: マイクル クライトン, Michael Crichton, 田中 昌太郎
タイトル: トラヴェルズ―旅、心の軌跡〈上〉

原書は1988年に刊行。ハーヴァードを主席で卒業した医学博士でもあり、若くしてベストセラー作家となってしまった30歳の若きクライトンが、
「で、どうしよう?」
と自分探しの旅に出て、いろいろ怪しげな体験をするという、心と体の旅が描かれています。

↑この説明では、まったく伝わらないと思いますが、クライトンが誠実に率直に本音を語り、単なる紀行文ともエッセイとも一味ちがう、興味深い一冊となっています。

テーマとは若干ズレますが、女性が男性一般に対して抱いている誤解についての一文に「なるほど!」と思うところがあったりして(私もそう思ってました。世の男性の皆様ごめんなさい)、クライトンの洞察力には感心します。

世の作家には、書きたいから作家になっている人と、作家でいたいから書いている人の二種類しかいないと常々思っていたのですが、クライトンの場合には結局のところ映像をやりたくて作家になってしまった、ということなのでしょうね。作家の枠におさまらない、多才なクリエーターだと思います。

旅先で、潮風に吹かれながら読むのに向いている一冊。いやちがった、上下あるから二冊

巻末に村上龍との対談もアリ。

(評価★★★★)