連続小話『OLホステスは見た!』第13話です。
気楽にお付き合いください![]()
容姿はNHKのアナウンサーっぽいと言われます。
民放アナウンサーでないのはなぜだろう
そんな私がOLをしていた20代半ばに迷い込んだ、夜の街でのお話です。
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↓前回のお話はこちら
ここから今日のお話。
前回はナゾの紳士・瀬川さんと、本と映画の話で意気投合したOL。
翌週のお店は、ほぼ満席状態だった。
店側は3人なので、3組以上お客様がいらっしゃるとかなり大変なのである。
私は不慣れなこともあって誰よりもてんてこまい![]()
しかし、こういう時のママの采配は見事だった。
放置してもOKなお客様と、ママや女の子が着くべき席を見分けて、上手く回していた。
「放置してもOK=どうでもいい」ではなく、お店に理解がある(または理解を示すことをステイタスにしている)お客様という意味
「あそこのお客様、最初から最後まで誰も付かなかったけど大丈夫なのかな…」
という心配が当たったことは、私の知る限りでは一度もなかった。
放置しまくったお客様でも、お見送りの際にはママは必ず駆けつけた。
丁寧に謝り、手土産を渡し、エレベーター前で深くおじぎをしてお客様を見送っていた。
「今日は大繁盛やったなあ、よかったなあ」
と言いながら、お客様たちは皆、笑顔で去っていくのでした。
そして後日ちゃんとまた来てくれる、不思議な世界![]()
話は戻り。
優雅な北新地のラウンジで、ひとりてんてこまいなOL。
ママの指示により、アイスペール3つを氷で満たすのが今のミッション。
カウンター内で必死にアイスボックスに手をつっこんでいると、声をかけられた。
「どう?元気かい?」
アイススコップ(氷をすくうやつ)を握ったまま顔を上げると、瀬川さんだった。
「瀬川さん!いらっしゃいませ」
瀬川さんの定位置、カウンターの一番奥は他の方が座っている。
「どうしよう?」と私が考えているうちに、瀬川さんはちょうど空いていたわたしの目の前の席にスッと座った。
ふぅ、良かった。
引き続き氷と格闘しているわたしが見えているのかいないのか、嬉しそうに話しかけてくる。
「元気そうやな。しかし今日は盛況やなあ
」
「そうなんです、すみません。少しお待ちくださいね
」
と言いつつ、頭の中はパニック。
まずこのアイスペール3つをやっつけて…瀬川さんのお酒と葉巻のお世話して…あ、あそこのお客様グラスが空きそう…
もう…何から手を付けたらいいの…
ママ「つきこちゃ~ん、こちらのお席にピーナツとレーズン、追加お願いね~
」
さらに増えた!
瀬川さん「どうや、何か新しい本でも読んだか?」
ちょ、ちょっと待ってね!
わたしは子どもの頃から心の中が顔に出にくいようで。
喜びも悲しみもパニックも、人に伝わらない。
この日をどう乗り切ったのか覚えていない。
けれど嬉しいこともあった。
この日以降、瀬川さんはこのポンコツ新人(私)の出勤日に必ず来てくれるようになったのだった。
『OLホステスは見た!』第14話に続きます。
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