4か月ぶりの実家帰省から帰ってきました。
今回は3泊4日という短い期間だったものの、電話やメールでどんなにやり取りを重ねるよりも、一目会える価値の方がどんなに高いかを実感する時間でした。
父の様子はと言うと、5月7日にタキソテールの投与(6クール目)を終え、副作用による全身のしびれと体力の低下はいつものこととして、前回1月の帰省時に比べ食欲は増し、状態は格段に良くなっているようで一安心。
副作用で夜眠れない状態からも解放されて、まとまった睡眠がとれるようになっているとのこと。
昼間は2時間起きては2時間床に入って休み、また2時間起きては2時間休み・・・というような過ごし方です。
以前は強い副作用と弱まった精神とをアルコールで紛らわすため、四六時中ヤケ酒に溺れていましたが、お酒の量も若干理性でコントロール出来ている様です。
減ってしまった体重を元に戻すのは厳しいようで、一気に年を取った感は否めないのですが、起きている時は病気を感じさせないほど良く喋り、良く笑っていました。
そんなこんなで、1日目は私が実家に着いた時間が夕方だったので自宅でのんびり過ごし、
2日目は父の外来診察に一緒に行き、
3日目は祖父の三回忌のお墓詣りへ。
最終日の4日目は、写真スタジオで家族の集合写真を撮影しました。
祖父の眠るお墓は富士山のふもとにあり、ドライブも兼ねて片道1時間半ほど。
墓苑で過ごした時間を含めて約7時間、父は体力を使い果たし疲労感が大きかったようですが、こうして家族全員でお墓詣り出来たことに感激し、涙を流して喜んでくれました。
私はお墓の中で眠るおじいちゃんに、まだ父を連れていかないでね、お墓の中に一人だけで寂しいとは思うけど、まだ父を呼んじゃだめだよ!とお願い。
ただ、正直おじいちゃんがお墓の中で一人寂しがっているとは思えず、おじいちゃんが亡くなった時に妊娠の判明した姪っ子(今回一緒にお墓詣りに行きました)がおじいちゃんの生まれ変わりのような気がするのです。
・・・こんなこと書くと、オカルトチックですけど!
なのでお墓詣りをしていて、おじいちゃんに呼ばれて父がもうすぐこのお墓の中に入るんだとか、そういう考えも全く沸いてこなかったのが、今振り返るとちょっと不思議です。
実際、当分父が入ることにならないことを祈ります。
だから次また会う父と、笑って過ごせますように。
次はまた一緒に、旅行に行けますように!
そういえば、父の病:食道の小細胞癌についての現実を、ブログに詳しく書いていませんでした。
主治医から言われたことは、
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・スキルス性胃がんと同じような悪性度の高い進行癌。
・国内はおろか世界的にも症例は極めて少なく、標準治療法も確立されていない。
・父がお世話になっている大学病院は食道がんの治療で有名なのですが、それでも今まで数例しか見たことがない。
・治癒は不可能。
ということ。
その上で自分なりにネット上で調べたり、医学論文に目を通して分かったことは以下のとおり。
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・1980年~2002年の間に報告されている食道小細胞癌例のうち、治療法ならびに転帰が明らかになっているのは、183例のみ。
うち、日本では48例のみ。
・上記の症例に拠ると父と同じ遠隔転移があった場合の生存率は、5年生存率2%、50%生存率は6か月。
・1年生存率は10%、50%の生存率は6か月。
すでに10年以上前のデータではありますが、絶望に値すべき生存率の低さ・・・
症例数が極めて少ないだけに、10年以上前も今も、治療に関する状況は殆ど変っていないのです。
だからこそ、今父が11か月目を迎えられていることは、本当に奇跡のような現実なのです。
主治医が、抗がん剤のセカンドラインの効果に目をまん丸くしているのは当然でしょう。
父は、このあまりにも厳しい現実を、あとどれだけ裏切ってくれるのかな。。。
先日、主治医は父に対して
「 癌とは長く付き合っていくことになりそうですね。 」
と言ったそうです。
"治る"とは、決して言ってはくれないけれども。
出来るだけ長く長く、それが本来の" 寿命 "と呼べるような年齢まで、付き合って欲しいと思います。
やっとこ、実家帰省のスケジュールが決まりました。
1月に帰省してから、実に4か月ぶり。
九州 - 関東と離れているだけに、両親が健康なら年に1、2回帰省するのがせいぜいというところなんだろうけど。
父が末期がんに侵されているとあっては、毎月でも帰りたい娘心。
土日をふくめ、たった3泊4日のスケジュールだけど、それでも嬉しい。
夫は当直も入っていないので、夫は夫で自分の実家( 今住んでいるところから車で2時間くらい )に帰るそうです。
飛行機はすでに予約できたし、空港までのバスチケットも購入。
16日に帰省するから、まだ丸々1週間あるんだけど、気持ちが前のめり。
父は17日が通院&抗がん剤投与デーなので、一緒に付き添えるのもありがたい。
ダンナさんが父のためにと買ってくれたプレミアム焼酎を渡すのも楽しみだ!