父と家族の末期がん闘病記 -16ページ目

父と家族の末期がん闘病記

2012年6月末、当時65歳だった父が突然、末期の食道小細胞がんとの診断を受けました。
現実と向かい合うため、父との日々を忘れないための記録ブログです。


ここのところ調子が良い父。
昨日はタキソテールの投与を終えた後にお買い物に行き(母の運転で)、庭にトマトの苗を植えたり胡瓜の柵を立てたりと、小さいながらも家庭菜園に没頭していたそうで。

 「 調子に乗ったせいか夕方にはバテて、今日は早く寝ちゃった。 」

と、昨夜電話をくれた母が苦笑いしていました。

そのせいなのか、私が打ったメールに返信も無ければ電話も掛けてこない父。

調子に乗ってバテテしまっているだけなら良いのです。


一方の私は、週末ダンナさんが福岡で開催されている学会参加中のため、一人ぼっちでお留守番。
今日は先月帰省した際に撮影した写真の現像が仕上がったので、実家に送るついでに両親に手紙を書いていました。

ペンを少し走らせては写真に目を通し、また少しペンを走らせては写真に目を通し・・・


写真は、祖父(父の父)のお墓詣りに行ったときのもの。

長男意識の強い父は家族全員でお墓詣りに行けたことに感激し、お坊さんの読経を聞きながら肩を震わせ、抗がん剤の副作用で弱まった足腰をガクガクさせて、横に立つ私の支えなしには立てない状況になっていました。
そんな父の姿を思い出すと、ペンを走らす手がまた止まり・・・

父は祖父に、何を報告し、何をお願いし、お参りしながら何を感じていたのかな。。。


さておき、我が家のお墓が佇む墓苑は、歴代首相も何人か埋葬されているちょっと有名な墓苑でもあります。
安倍総理のお父様のお墓もあり、今年3月に安倍総理がお墓詣りに来た際の様子が管理棟掲示板に掲載されていました。
父はその掲示に見入り、なんだかちょっと嬉しげというか、誇らしげな様子でした。
(このお墓は父が建てたものなのです)

お墓詣りに来て、父が「 自分も近い将来ここに入るのか・・・ 」と暗い気持ちになってしまわないか少し心配だったけど、その心配は杞憂に終わったみたいです。
かと言って、近すぎる将来入ってもらっては困るけど!


そんなことを思い出しながら手紙を書いていたら、ずいぶんと夜更かしをしてしまいました。
ダンナさんがいない日曜日は、思いっきり朝寝坊します(笑)
今日は父の、タキソテール7クール目の投与日。


最近の父は(食道がん末期患者の割には)体調も良い日が続いているとのことで、体力作りのために早朝1時間ほど、地元の海岸まで往復散歩をしているそうです。


父の罹患している小細胞癌に一番良く効くとの触れ込みだったファーストラインの抗がん剤: シスプラチン+CPT-11(イリノテカン)が全く効かなかったこと分かった時は、これでもう父の寿命は決まってしまったのだとひどく落胆したものでしたが・・・

今になってみれば、寧ろそれが良かったのかも知れないと振り返ってみたり。


タキソテールに比べると体力に及ぼす打撃は相当なものゆえ、何クールも使えるような抗がん剤ではありません。
投与には入院対応が必要で、副作用である白血球・好中球の減少により、入院期間も長期化せざるを負えませんでした。

一方、父に著効してくれているタキソテールは比較的状況のよくない患者さんにも使える上に通院投与が可能なため、父が精神的にも安定し、ここまで頑張れることが出来ているのは素人目にもよく分かる。


災い転じて福を為す、とは、こういうことかも知れない。


さて、7月下旬にダンナさんが学会で数日不在になる予定なので、私はその間実家に帰省しようかな。
家族旅行にまた行けたらいいな!

父の食欲は細いものの、抗がん剤が効いてくれているおかげで、食欲だけは若干取り戻してくれている状況です。

そんな父の大好物はお酒のつまみ・・・ イカやタコ、貝柱の燻製。

気付けばいつも、それらをつまんで食べています。

それらに含まれる食品添加物が、食道がんの原因の一つなんじゃないかと家族は思ったりもするわけですが、今食べなくなったからと言って病気が治るというわけでもないだろうし、何より食欲のあるうちに父が食べたいと思うものを食べれることが本人にとってのシアワセだろうと考え、黙認中。

昨年末、抗がん剤のファーストラインが全く効かずに病状が進行し、父の食欲が全く無くなってしまったときには、いくら大好物と言え食べるに食べられなくなってしまった状況を見ていますしね・・・
食欲の沸く食べ物があるということは、何より感謝すべきことだと思うのです。


そして、魚介の燻製類に続く父の大好物と言えばラーメンひらめき電球

食欲が細く、お店で食べるような具の乗ったラーメンを一杯食べきることは出来ないので、自宅でインスタントのラーメンを食べています。

特にお気に入りは、私が九州のお土産として父に送ったマルタイの棒ラーメンシリーズ。
ノンフライのストレート麺で、私も大好きなラーメンです。
博多で食べる屋台ラーメンに負けず劣らずの本格的な味で、コシが強く、生めんにも負けない食感なのです。

週に2,3回は昼食にラーメンを食する父のために、先日帰省した際のお礼の気持ちとちょっと早い父の日のプレゼントとして今回こちらのラーメンを箱で父に送りました。
(※画像はお借りしています。
こちらのメーカーさんでは九州各県シリーズをはじめ様々な種類のラーメンがあるのですが、今回はその中でもベスト2に選ぶ以下の2種類をチョイスしました。)


父と家族の末期がん闘病記

父と家族の末期がん闘病記


着荷連絡を受けたときの父の様子は大喜び!
正直、私が先日の帰省でこちらのラーメンを手土産に持っていかなかったことが残念だったそうです(笑)

ひと箱15袋×2食入×2種類=合計60食だけど、きっとあっという間に食べ切っちゃうんだろうな~


健康なら「 インスタントばかり食べて体に悪い! 」と思うところですが、全く食べれない状態に比べれば、何であっても美味しく口から食べられることは、食道がん患者にとって何よりもシアワセで感謝すべきこと。


食は命の源。
食欲は健康のバロメーター。
体重をキープして、体力を維持し続けて欲しいものです。