「光る君へ」第32話~ドラマを楽しみたいのは山々なれど・・・ | 前世はきっと平安貴族

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歴史大好き!とりわけ平安時代をこよなく愛する私です。
こんなに惹かれる理由はきっと前世で生きていたからにちがいない。
源氏物語ネタをメインに、色々思っている事を書いてゆきます。あらすじとか一切書かずに自分の思いだけを強引に綴ってゆきますので悪しからず〜。

あのね、信じてほしいんだけど

 

私はさ、悪口ばっかり書きたいわけ

じゃないのよ。

 

「光る君へ」が始まった時

”史実は史実、ドラマはドラマとして

楽しんでいただければ”

という文章を読んだわ。

 

うんうんまったくその通り!

だからドラマとして楽しもうと

思ったのよね。

 

 

そう!楽しみたいのよ!

 

だけど・・・一体どうやったら

楽しめるんだろう?

 

せっかくこの時代が大河ドラマになって

「ブラボー!」だったというのに

楽しさからはどんどん遠ざかっている。

 

重ねて申し上げますが、

私は「光る君へ」を

心から楽しみたいと思っております。

 

けどさ~、やっぱり違うんだよ。

 

こんなんじゃない!って思うのよ。

 

これまでにさんざん悪口ばっかり

書いておきながら「信じてほしい」も

無いとは思うけど・・・

 

ああもうほんとモヤモヤ。

 

 

例えばね、今回のまひろの態度よ。

 

一条天皇に献上した物語が

関心を持たれなかったようだと

道長から聞いた時、

 

「帝にお読みいただくために

書き始めたものにございますが

もはやそれも

どうでも良くなりましたので、

今は書きたいものを書こうと思って

おります」

 

どうでも良くなった、って

帝に対してアンタ随分と偉そうな。

 

書くために「紙を寄越せ」って

道長に言ったよね?

 

で、あんな高級越前和紙を大量に

運ばせておきながらこれかい!

 

「もらったもんはこっちのもん」

とばかりの態度にムカムカした。

道長よ「紙返せ!」と言っていいぞ。

 

 

なんかさ~

まひろっていつも偉そうなんだよね。

 

結局、一条のひと言でまひろは

彰子中宮の元つまり宮仕えに出る

展開になるんだけど、その話を道長から

された時もびっくりするくらい冷静だった。

 

仮にも帝が自分を所望してくださる

なんて、目もくらむような光栄に

気を失ってもおかしくないでしょ。

 

なのに

「物語ならここで書いたものを

届けさせます」

って、本当にめんこくない!

 

挙句の果てに

「私は”おとり”でございますか」

だと。

 

そうね~囮じゃなくて

”劣り”の方ね(笑)

 

 

しかし一条にしても、最初は

「物語?ああ、忘れておった」

とか言ってたのに

 

「書き手の博学ぶりは無双と思えた」

などと言ったりして、この変化は

どういう事なんだろう?

大体「桐壺」を読んだだけでそこまで思うか?

 

そうそう

「あれは朕への当て付けか?」

とも言ってたけど意味が分からない。

 

予告を見ると来週で明らかに

なりそうな気配なので

様子を見てみよう。

 

 

そんなわけで、ついについにまひろは

彰子中宮の女房として宮中へ。

 

しかしねぇ、せっかく人生の転機と

なる大事なシーンだというのに

”ある事”がいちいち気になって

集中できないのよね。

 

何がって?

 

まひろが道長と実は恋仲で

娘まで産んでいるという事実よ。

 

出仕前の挨拶でまひろは初めて彰子に

会ったわけだけど、どんな心境だったんだろ?

 

 

彰子様は自分が想いを寄せている男の娘。

 

誰はばかる事なく世間に披露され

しかも中宮という身分になっている。

 

ひきかえ自分の娘・賢子はどうだ?

彰子様の異母妹でもあるというのに

道長の子だとは絶対に知られてはならない。

 

そして道長のそばには倫子がいる。

 

自分が望んでやまなかった

正妻の地位を不動のものにしている。

 

とまぁ、

こんな風にまひろの心の内を

いちいち想像してしまい、

「紫式部、初出仕」という

歴史的シーンに全然集中出来なかったのだ。

 

 

かえすがえすも脚本家は

何故まひろと道長を不倫関係に

したのか?

 

精神的に深く結びついた

プラトニックな関係の方が

よっぽどいいじゃん。

 

そういうのを「ソウルメイト」って

言うんじゃないの?

 

不倫関係にする事で、視聴者が

ハラハラして面白いドラマになる

とでも思ったんでしょうかね?

 

この先もずっとこの「余計な関係」の

せいで、ストーリーに没頭できなく

なりそうです。

 

 

さて、安倍晴明がとうとう天寿を

まっとう致しました。

 

道長が来るまで臨終の瞬間を延ばして

いたとはさすがの能力!

 

晴明が伝えたかった言葉は

「ようやく光を手に入れられましたな」

これってどうせまひろの事なんだろうな・・・

 

「いずれあなた様の家からは

帝も皇后も関白も出られましょう」

 

うんうんわかってるよ~

私たち、それはちゃんと

わかってるからぁ~

 

しかしここまで道長にとって良い事

ばかり言われると何だか晴明が

ウルトラ太鼓持ちのように思えてきた。

 

大体、陰陽寮という朝廷の機関に

籍を置き、村上~冷泉~円融~花山

~一条と複数の天皇の御代に仕えた

あの安倍晴明だというのに、

このドラマではまるで

兼家や道長たちのお抱えフィクサー

のような存在だった。

 

このように、陰で操っていた

晴明がいなくなり今後は誰が

その役目を担うのだろうか?

 

彼にとって代わる存在、

つまり悪役を引き受ける人間は

この先も間違いなく必要だ。

 

何故なら道長は絶対に「善人」で

なければならないからだ。

 

早ければ来週にでもその人間が

クローズアップされるのではと

期待している。

 

 

さて今回、

土御門邸で漢詩の会が開かれて

伊周の作品が読まれたけど、あれは

道長に恭順の意を表したというより

皮肉たっぷりな自虐的作品のように

思えたけどね?

私の感じ方がおかしいのかな?

 

それを斉信、公任、行成は

道長の度量の大きさを褒め称えていた。

まっ、いつものアゲアゲ~です。

 

それはともかく、伊周の事を

「儀同三司」と紹介していたのが

印象的だったなぁ。

 

儀同三司とは、儀礼の格式が

三大臣(太政大臣・左大臣・右大臣)

同じであるという自称です。

 

この頃の伊周はそう呼ばれるほど

地位が上がって来ていたのね。

 

そこで、儀同三司というと

真っ先に思い出されるのが

百人一首に「儀同三司の母」の名で

入っている伊周の母・高階貴子。

 

この時貴子はもうとっくに

この世の人ではないけれど、

後世でこのような呼び名をつけて

もらえた事は、本人にとっても

大きな供養になったのではないかと

しみじみ思ってしまいました。

 

あれほど”伊周命”だった貴子なので

こうして息子の肩書を呼び名に

つけてもらえた事は、さぞかし

嬉しかったのではないかと。

 

 

話は前後しますが、今回は

1005年に脩子内親王が裳着の式を

行ったところからスタートしました。

 

裳着というのは女子の成人式。

かつてこんな記事を書きましたので

良かったら読んでみてください

 

 

しかし脩子様はこの時8歳もしくは9歳。

 

さすがにいくら何でも女性の身体に

なったとは思えないのだが、何故

こんなに早く裳着をしたのか?

 

それは多分、内親王を愛してやまない

父・一条が彼女を保護するためで

あったろうと思われる。

 

裳着をして成人とみなす事で、

脩子様には三品という位が授けられた。

 

そしてこれは先の話になるけれども

彼女が12歳の時には一品に叙され

破格の封戸も与えられたという。

 

これが一条の愛でなくて

何であろうか?

 

脩子内親王の弟君・敦康親王が

今回も出ていた。

 

素直で利発そうな可愛い子息子を

見る一条のまなざしが優しい。

 

しかし敦康が一条の事を

「お上」と何度も呼ぶのが気になった。

 

何故「父上」ではないのだろう?

 

以前、まだ幼かった頃の一条は

母・詮子の事を「母上」と

呼んでいたのに。

 

帝に対してはたとえ息子でも

「お上」と呼ばなくてはならない

とか?

 

ご存知の方、教えてくださいあせる

 

 

脩子内親王

敦康親王

そして定子様崩御とひきかえに

生まれた媄子内親王

 

この3人の遺児たちが

今後どのように描かれるのかが

とても気になるところです。

媄子内親王に関してはスルーされる

ような気もするけど・・・

 

 

 

私ね~、今回大笑いしちゃったの!

 

それは火事の中、一条と彰子が

手を取り合って逃げるシーン。

 

こんなんあるわけないっしょ!

 

昭和のドラマか!

 

これで一条と彰子が一気に

恋愛モードに、ってか?

 

安っぽい演出だわ~ギャハハ!

 

と笑っていたのですが・・・

 

何とこれは史実であった事が判明びっくり

 

詳しい事はこの権中納言先生の記事に

書かれております。

 

いや~まったく面目ございません汗

 

あの火事で神鏡が焼けてしまった

という事は知っていましたが、

まさかこんな展開があったとは。

 

謹んで反省させていただきます。

 

 

と、少ししおらしく見せておいて

最後にもうひとつだけ書いても

い~い?

 

まひろが内裏に向かって出発する時に

為時が涙ながらに言った言葉

 

「お前が女子(おなご)であって

良かった」

 

ってこれ、意味わからん・・・。

 

まるでこの先まひろが大成功を

収めてこの家の安泰が約束された

かのような喜びよう。

 

これが永遠の別れかと思うような

涙のシーンだったけど、

 

大丈夫ですよ。

まひろさんは後宮に馴染めなくて

すぐ戻って来ますからね!