相談 詐欺 | デブリマンXの行方

デブリマンXの行方

いつか見えない社会問題になると信じている自分のような存在について、自分自身の人生経験や考えたこと、調べたことをまとめ、その存在を具体的にまとめることを目的とする。

 

 

今日はこんなニュースを目にした。

わたしが驚いた点は2つ。

 

1.逮捕者が26人という規模

2.ターゲットが20代から30代の女性

 

1についてだが、26人もの人数がまとめて捕まるというのは珍しいと感じた。

リーダー以外の実名報道は今のところ見ていないが、組織的なのは明らかというのを超えてもはや企業的ではないか?という印象を持った。ターゲットを明確にして成果を上げている辺り、マーケティング能力も確かであるし、はっきり言ってタチが悪い。その才能をどこかで生かせなかったのかと思うが、上げている収益を見ればリスクに見合ってしまったのかもしれない。

 

次に2について。

おそらく、これは見た目よりも遙かに深刻な社会問題の氷山の一角である。

まず、被害者は約8600人。先日の闇金が約1万5000件だったが、世の中そういったものに手を出してしまう人が驚くほど多く、しかももうどうにもならないのだろう。

 

また、このNHKの取材に応じている被害に遭ったという20代の会社員の女性もところどころ怪しい。メディアリテラシー能力について現代人はもう壊滅的なので深く突っ込まないが、それ以外の部分についても随分と破綻している。以下、その部分の抜粋。

その後、やりとりしていた男性を名乗る人物から「相談に乗ってくれたお礼に50万円を渡したい」と申し出を受けますが、サイトの運営側から個人情報を交換するには、正規会員への登録や、有料回線の設置が必要だと説明されます。

女性がその料金を振り込んだあとも、さまざまな機能を解除しないと回線を設置できないなどと、うそを言われて繰り返し現金を要求され、最終的には消費者金融で借金までして総額で150万円を支払ってしまいました。

女性が頻繁に金融機関に向かう様子を不審に思った女性の母親が詐欺だと気付いたということです。

この文章の中には色々と細かい経緯が略されているので、結果的に50万円のために150万円払ったとか、なぜか消費者金融が登場していることは横に置く。それはそれとして「相談に乗ってくれたお礼に50万」を鵜呑みにする金銭感覚は致命的だと思う。そして、以下の動機に繋がるそうだ。

被害に遭ったという20代の会社員の女性
「自分の手続きのミスで相手とのやりとりに支障が出ていると思い込んでいたので、支払いを繰り返してしまいました。副業で得たお金で母親にプレゼントしたり、旅行に行ったりしたいと考えていました。心を踏みにじられて、本当に悲しいです。返金は難しいと思いますが、詐欺グループやサイトがなくなってほしい」

お礼の50万円を信じる単純さ。

親孝行のためだったという優しさ。

返金は難しいと理解している潔さ。

このコメントが建前でないのなら、驚くほどの純粋さである。

「娘とはいえ消費者金融を利用」「親孝行の対象が母親限定」であることから察するに、元々裕福な家庭ではないと思うのだが、それでもまるで温室育ちの花である。これからの暗い世の中に備えて、自然と若者の無知化が進んでいるのではないかとすら思う。

 

もちろん、これはただのテレビニュースで、被害者も本人とは限らない。しかし、被害者の中にはテレビのニュースに出演できないほど深刻な問題のある家庭があるのは間違いないだろう。

 

最後に、記事の一番下にあった副業による1か月の収入。

また、独立行政法人「労働政策研究・研修機構」が、おととしに実施した調査では、「仕事をしている」と答えたおよそ19万人のうち、「仕事は2つ以上(副業をしている)」と答えた人は、6%にあたる1万1300人余りでした。

 

また、副業で得られる1か月あたりの収入は、5万円以上10万円未満が30%と最も多く、次いで10万円以上15万円未満が13.2%、3万円以上4万円未満が10.5%などとなっています。

これだけ見ると、これまた夢に溢れる内容である。まるで副業しないのがバカと言わんばかりの高収益であり、こういう無責任なデータが被害者女性を増やしている側面はあるのではないだろうか?

 

このデータの出所を探してみたが、よく分からなかった。しかし、独立行政法人「労働政策研究・研修機構」のホームページでそれらしい記事は発見したので載せておく。

詳細は本文を読んだ方が良いが、要するに副業をしている人は7.2%。副業の6割強が「パート・アルバイト」「フリーランス等」(2017年の時点)であり、勤務時間や収入の少ない人が行っているケースが多いということを示している。この割合自体は、2022年の以下の記事の調査でも大きくは変わっていない。つまり、本業がアルバイトの人が副業としてアルバイトしているようなものである。であるから、「5万円以上10万円未満が30%」という高収益性は何もおかしくはないと考えられる。

 

加えて、この手の話に付きもののオチがもう一つ。

この記事の示すところは上記の記事と重なるところも多いが、要するに副業をするのは貧困層と富裕層の割合が高いという話である。

わたしの持論、金持ちと貧乏人の行動パターンはよく似ているは、未だにその反証を目にすることができないでいる。