ミルグラムの服従実験 スタンフォード監獄実験 | デブリマンXの行方

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いつか見えない社会問題になると信じている自分のような存在について、自分自身の人生経験や考えたこと、調べたことをまとめ、その存在を具体的にまとめることを目的とする。

今日、「1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365」という本を読んでいたところ、「ミルグラムの服従実験」というものがあった。

その名前は初めて聞いた気がするが、内容は結構有名なものなので知っていた。

この実験で証明されたことは、要するに、有識者の指示さえあれば、普通の人は極めて残酷な行為ができるということ。

この普通の人というのが重要で、特別な素質が無くてもよいし、むしろ無い方が都合が良いということである。

身近な例えで言えば、上司の指示で粉飾決算とか、実験データの改ざんとか、まあ何にでも例えられると思う。おそらく、大切なのは「自分の意思ではない」という言い訳であり、それさえあれば大衆はどんなことでもできるしやっちゃうということである。

 

この実験に似たものでスタンフォード監獄実験というものがある。

こちらは近年その結果が疑わしいとされているし、わたし自身この実験の映像を短大の講義で見た時に素直には受け取れなかった。というのも、わたしの人生経験からすると、監視役と囚人役が役にはまるのが早すぎると感じたからで、特に囚人役の服従が早すぎるのが気になった。

 

ただ、この実験そのものを否定するつもりはなく、おそらく最終的にはそのようになるんだろうなとも思っている。具体的に言えば、囚人役の人間は以下のような気持ちを段階的に経ていくと考えている、

1.実験開始時のわくわく感

2.囚人役をすることに慣れた退屈感

3.常軌を逸した看守役の行為に対する怒り・反発

4.怒り・反発を抑えられたことによる無力感(あるいは脱走)

5.長期的な無力感による思考停止

6.従順化あるいは無気力化

この実験は6日目に強制終了されているが、もしも無期限で行われていたら概ね3ヶ月くらいで6番まで進行するのではないだろうか?

期限付きというのは不自由な生活を送る身としてはとても大きい心の支えで、実際保育士時代のわたしも、3月末までというゴールが定められていたからこそ、現場での不適合を抱えながら耐え抜くことが出来た。上の数字で言えば4番まで進行したが、耐え抜いて脱走したと言える。

 

いずれの実験にせよ、多くの人間には与えられた環境に抗う力が無いという証左ではないだろうか?

そして、多くの人には自分のいる環境を変える力は無い。

環境を変えるよりは、自分に適した環境を見つける方が、おそらく建設的である。