犬の想いで、、、最終話<カルロス>
気持ちの良い秋風のなか、ゆっくり、おっとり、、、屋上で過ごすカルロス。
彼は既に 5歳11ヶ月になり、グレートデンとしては若くない犬になりました。
白く見えるのは、もう白髪、、、
精悍な♂時代を過ぎ、まるで優しいお母さん犬の顔付きです。
大きなボウル一杯のフードを食べていたカルロスでしたが、その量は減り、身体つきも少し痩せ、、、
ふと見ると、、、何だか睾丸が大きくなってきているみたい、、、
獣医さんに診てもらいました。
炎症止めの薬を飲ませて数日で治まらないとすれば、癌です、、、と。
薬を飲ませ 3日後、出血し始め、、、恐らく癌はここだけではない筈。
もう長くは期待できませんが、睾丸切除をすることになりました。
予想はしていましたが、手術の日、屋上から出たくないカルロスは 2時間以上も地べたに伏せて抵抗をします。
もう手術は止めよう、、、可哀そうに、こんなにも不安がっているのだから、、、
諦めて、手助けしてくれる友人と共に屋内に入ろうとドアーを開けると、、、
驚いたことに彼は自ら、とぼとぼと私の後に付いて来てくれたのです。
解ってくれたんだね、、、カルロスありがとう、、、
医院に着いたのは、夜の 9時過ぎ。
完全に意識を失うほどの強い麻酔はかけられません。
手術台の彼は、やはり痛みを感じたのでしょう、聞き取れない程の小さな声でしたが、ウーと唸り声をあげました。
ごめんね、もう少しで終わるから、大丈夫だよ、一緒に屋上に戻ろうね、、、
彼の頭を抱いて、言いました。
間もなく彼は安心したかのようにすう~すう~と眠り、、、手術も終わりました。
医者が言いました。
2時間もすれば意識が戻りますので、今晩は水だけを飲ませてください。
手術自体は簡単なものですから、明日になれば歩けます。
食事も与えてください。薬も忘れないで。
ただし、癌は他にも転移していますからから、あと 1ヶ月なのか 3ケ月なのか、、、覚悟をしていてください。
それと、、、このまま目覚めない可能性もあります。
自宅に戻ったのは 11時を過ぎていました。
カルロスは毛布に包まり、5階の玄関で静かに眠っています。
小屋に新しい毛布を入れてあげようと屋上に上がり、5分ほどで彼の許に戻りました。
たとえ 1ヶ月でも1週間でも、一緒に過ごそうね、、、と、彼の頭を撫でると、、、
え
、、、だめ、まだ逝かないで、、、もう既に呼吸は止まっていました。
カルロス
カルロス
大きな声で呼びかけました。
涙と共に強烈な後悔が身体の底から突き上げてきました。
不安いっぱいの彼に無理に手術を、、、何て事をしてしまったのだろう、、、
私を信じて付いて来てくれたのに、、、ごめんなさい、ごめんなさい![]()
屋上に上がっていた 5分間ですら、もう取り戻せないのです。
『それと、、、このまま目覚めない可能性もあります。』
医者の最後の言葉が、頭の周りをグルグルと回りました。
カルロスが我が家の子になったのは月齢 4ヶ月、まるで上等の黒いビロードに覆われたような若犬でした![]()
大好きなボスとの御所散歩、、、彼らは遠くに遠くに行ってしまいました。
5年後、ビルの改装に伴い、路面にあった社を屋上に移し替えることになりました。
社は彼らの小屋の跡に据えました。少しでも供養になりますようにと。
犬の想いで、、、その20<一人ぼっちのカルロス>
動物好きの夫は、熱帯魚の世話もしていました。
部屋にはディスカスの水槽があり、月に一度は綺麗に掃除をします。
それを引き継ぐべく、夫がしていた通りに餌を与え、、、2日後、、、
葬儀が終わった夜のことでした。
水槽の様子が変
、、、ディスカスが平らになって水面に浮いています。
水面にプクプクと泡が
適温を遥かに上回る水温になって、、、
熱帯魚の水槽には複数の電気コードが必要です。
まさか
とは思いましたが、最後の掃除の後、夫はその配線を間違えていたのです。
温度調節のセンサーが効いていませんでした。
こんな事、、、どうして、、
ビルで自営の店は閉め、テナントさんに入ってもらう事にしました。
仕事を辞め、私の日課はカルロスの世話から始まります。
夫の死を理解できないカルロス、、、ボスは来ないの![]()
彼はじっと、屋上のドアーを見続け、私の後に夫が出て来るのを待っています。
カルロス、散歩に行こう、、、リードを付けても動きません。
彼にとっては、ボスが一緒でない散歩はあり得ないのです。
それでも、ブラシを掛ける娘に甘えたり、掃除をする私にちょっかいを出したりして、ボスのいない屋上にも慣れてきたカルロスでした。
8月の或る日、夫が空手の指導をしていたアメリカ人青年が訪ねて来ました。
何度もその練習を見ていたカルロスは、再び青年を見て狂ったように喜びました。
そして聞き耳を立て、屋上のドアーを見つめました。
今日こそは、ボスが戻って来る、、、と。
青年が帰った後、私の膝に首を預け、私の眼を見つめるカルロス、、、
ボスはもう戻っては来ないよ、、、アドルフと一緒に、いつか会えるから、、、
何度もそう言い聞かせました。
9月も中旬に入ると屋上には涼しい風が通り抜けます。
深い悲しみと寂しさの中に居るに違いないカルロスでしたが、彼はまるで悟りを啓いたかのように、ゆっくりとした日々を過ごしました。
夜中には時折、彼の遠吠えが聞こえました。
犬の想いで、、、その19<カルロスとボス>
グレートデンの寿命は 5~8歳と言われています。
その体の大きさを支えるだけの、シッカリした内臓ではないからだそうです。
アドルフは 5歳半の犬生でした。
彼らが 3歳の頃の写真を見ると、、、やっぱり、でかい、、、
見た目はアドルフの方が大きいのですが、背(腰)が高いのはカルロス。
カルロスの方が筋肉がしっかりしていて、体重も多かったのです。
短い寿命なのだから、充実した日々を送らせてあげたいと、、、
それが、夫の口癖でした。
1頭になったカルロスは、夫を独り占め。
彼が寂しがらない様に、暇があれば屋上で過ごす夫。
部屋にあったベンチプレスも屋上に移動し、毎夜トレーニングです。
空手家でもあった夫は、毎日曜日には、一人のアメリカ人青年の指導をしていました。
空手の指導を終え、、、夕方には、御所までカルロスの散歩、、、
屋上に戻り、夕飯までカルロスの世話をする、、、
それは、夫の最も楽しみな過ごし方でした。
5月下旬の日曜日、夕飯前に部屋に帰ってきた夫、、、シャワーを終え、、、
食卓に着こうとして、、、突然、、、床に倒れ、、、
アドルフが逝って僅か 2ヶ月半後のことでした。
兄貴とボスを失ったカルロス、、、
犬の想いで、、、その18<アドルフの犬生>
アドルフは、月齢11ヶ月で我が家の子になりました。
生まれは、奈良のグレートデン・ブリーダーの許です。
そこでは、ドイツ・チャンピオンになった種犬の子を繁殖させていたようです。
3ケ月になると耳をカットして、ペットショップ経由で売りに出していたのでしょう。
耳をカットしたばかりの子犬たち。
この子は、、、繁殖用候補の♀犬![]()
4~6ヶ月、、、無邪気に遊んでいる、、、未だ買い手のつかない♂犬、、、
彼らの里は、自然の中でした。 このハルクインは、牛みたい、、、
もし夫がアドルフを連れて来なかったら、、、既に月齢 11ヶ月の彼は、ブリーダーの許で、種犬として一生暮らすことになっていたでしょう。
彼を迎えに行く当日、可愛い子犬たちを見たいから、、、と、近所の若い男の子が車を出してくれました。
ところが、アドルフは子犬でも小犬ではなく、とんでもない大犬でした![]()
後部座席から運転席にニューと大犬の首を出されたドライバーは、怖くて怖くて![]()
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猛スピードで京都に帰ってきました![]()
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おまけに、初めて車に乗ったアドルフは車が怖くて、その中で脱糞![]()
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ドライバーには、とんだ災難でした、、、ごめんなさい![]()
田舎育ちのアドルフは、エレベーター怖い、、、階段も怖い、、、
自動車どころか、バイクも自転車も怖い、ヘッドライト怖い、街そのものが怖い、、、
大きな図体にもかかわらず、怖いモノずくめでした。
翌日の夜、近所を一回りの初散歩に出かけました。
夫とカルロスの後を、、、尾をお腹に巻き込んで、頭を私の腰から外さず、、、
ビクビクしながら、、、ソロソロ、、、と歩くアドルフ![]()
大丈夫だよアドルフ、、、すぐに慣れるから。
私は彼の首筋を撫でながら、ゆっくりと進みました。
短い散歩を終えて、恐る恐る階段を上り、やっと屋上に辿り着いたアドルフ![]()
私の胸に喉をくっ付けて見上げ、、、じっと動かず、、、私の眼を見つめる彼、、、
なんて、いじらしい、、、私は彼の頭をギュッと抱きしめました。
うちの子になって良かった、、、これから、楽しい日々を送るんだよ、、、
一週間も経つと、、、階段なんて、 6階から 1階までを 10数秒で下ります![]()
散歩も、一番前にグイグイと首を付き出して、堂々と歩くアドルフです。
2頭のボスは夫、その命令には絶対逆らわず、、、そして信頼をしているのです。
自分たちを守ってくれるのはボス、、、で、私は、彼らの甘えの対象でした![]()
そのうち彼らの散歩は、夫の自転車に曳かれて、、、御所まで![]()
仕事と家事に忙しくなった私が屋上に上がる頻度は、少なくなりました。
どうも、フィラリアらしい、、、と、夫から聞いたのは、アドルフ 5歳 4ヶ月の頃。
筋肉隆々としていた彼は、痩せ始め、、、それから 2ヶ月経ち、、、
もう今晩がヤマみたいだ、、と、夫。
仕事を終えて屋上に上がると、彼はもう昏睡状態、、、
小屋の中に横たわり、すうすう~と大きな寝息、、、
ごめんねアドルフ、、、もっと早く気付いて治療をしなければならなかったのに![]()
彼の頭を抱いて泣く私の顔を、、、ぺろぺろ、ぺろぺろ、、、カルロスが舐めました。
翌早朝、、、アドルフは逝ってしまいました。
1997年 3月初旬のことでした。 たった 5年半の犬生でした。
今なら、フィラリア治療も進み、もっともっと長生きして暮らせたことでしょう。
犬の想いで、、、その17<アドルフとカルロス>
毎日曜日の早朝は御所へ、、、
歌舞伎役者みたいな隈取のあるアドルフと、ひょうきんな表情のカルロス。
疲れている訳でもないのに、信号待ちでもゴロっと寝転ぶカルロスでした。
犬好きの観光客から向けられたカメラにも、キリ
っとポーズのアドルフ、、、
散歩中にオヤツを貰うことがありました。
カルロスは喜んで、その人の手からパクリ![]()
しかしアドルフは、決して食べませんでした。
私の手で差し出すと、やっと、尾っぽを振って食べてくれました。
同じブリーダーの許で生まれ、彼らが離れて暮らしたのは 2ヶ月。
2ヶ月後に屋上でアドルフと再会したカルロスは、、、
あ
兄ちゃんが来た
、、、ってところでしょうか。
彼らの年齢は 5ヶ月の違いですが、異母兄弟で兄貴分のアドルフは、その役割をを果たしているかのようでした。
そんなある日、撮影の依頼がありました。
カルロスの考える、、、カッコいい、、、といったら、、、
屋上に出る階段の壁に残された歯型![]()
コレを叱る人はいませんでした。
得意になって、ガリガリ
やっていたのでしょう。
犬の想いで、、、その16<カルロスと兄貴>
新しい子犬が来たから、屋上まで上がって来てよ、、、と、内線電話で夫。
1頭だと寂しがるから、もう 1頭を連れて来たというのです。
何処が子犬やねん![]()
カルロスとは異母兄弟で、既に 11ヵ月の成犬グレートです。
名は、アドルフ。 なかなかのイケメンやないの![]()
(それに比べて、、夫・当時 52歳のお腹といったら、、、
)
私達は大型犬には慣れていますから、子犬といやぁ子犬ですが、、、
カルロスとアドルフは、甘えん坊の 2頭です![]()
グレートと言えば、、、ヨダレ![]()
![]()
従って、屋上に行く時の私の恰好といえば、作業用の繋ぎでヨダレ![]()
除け。
手すりと壁に沿って移動、、、何故って
押し倒されない為です![]()
エアコンの効いた人間様用のサンルームは、彼らのリビングと化し、、、
床はボロボロ
、、、
それでも、誰も文句は言いません。
元気で楽しく暮らしてくれれば良いのですから。
イタズラだって、並みのレヴェルではありません。
彼らの口が届くところにある物は何でも、、、
タオル、毛布、クッション、ビニールクロス、植木鉢、ブラシ、ボール、ホース、、、
翌朝には、 10センチ角程の大きさに引きちぎられたり割られたり、、、![]()
牛の大腿骨を煮たのが彼らのオヤツでしたが、、、3日も経たずに屑と化します。
ほら、、、悪そうな顔をしてるでしょ![]()
彼らは、人が大好き
とりわけ、若い女の子たちをね![]()
中 1になった娘のクラスメイトたち、、、わあー
デッカイ
これ、、、犬![]()
初めは怖がっていた女子たちでしたが、、、可愛い~
と、記念写真![]()
今では、とても考えられませんが、2頭は共に去勢をしていませんでした。
1993年頃の写真です。
カルロスだけでなくアドルフを迎えて、大正解でした。
昼となく夜となく屋上で遊びまくる 2頭は、夫にとっては、大事な大事な息子たちです。
犬の想いで、、、その15<フジは突然、、、そしてカルロス>
ビルの建築は、娘が小学 6年の 9月から始まり、 10ヵ月間の予定でした。
その間、商売は休業ですから、家族の皆が時間たっぷりの暮らしが出来ました。
いいえ、そうでない人も、、、中学受験をする娘は、下校するや塾通い、、、![]()
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その頃の京都は、中学受験日は 3月 Ⅰ日が解禁でした。
商売で忙しく、普段の勉強を看る暇がなかった私には、たっぷり 6ヶ月の時間が与えられました![]()
塾からマンションに帰宅、夕食を済ませた娘に、過去問題集の指導です![]()
娘の学校は児童数が減り、6年生はたったの 16人![]()
水泳もバレーボールも、大文字駅伝も、、、大会だけでなく早朝練習も、、、何でも参加しなければならない![]()
そんな中、彼女はよく頑張りました![]()
夫はというと、、、熱帯魚にインコ、、、何よりも、毎日フジを連れて御所への散歩を楽しんでいました。
スリムで立派な大人に成ったフジ。
3月、ようやく娘の受験が終り、、、寒さがぶり返したある日、、、
夫のマンションで、、、普段より大人しいフジ、、、何だか疲れている様子、、、
風をひいた
、、、うそ、、、
獣医さんから貰った薬を飲ませ、、、その 3日後、、、急性肺炎だと、、、
フジは 3歳半で、その犬生を終えてしまいました![]()
急性肺炎といえば、実家にいた秋田犬マルの 2匹の子犬もそうでした。
その症状を言葉で話せない動物たち、、、飼い主の無力を思い知りました![]()
2002年だったと思います。動物医療も今とは違ったのでしょう。
ビルの建設は予定どおりに進んでいます。
完成間近の5月、夫の部屋を訪ねると、、、![]()
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生後 4ヶ月のグレートデン♂、、、でかい
、、、そしてくさ~い![]()
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この子は、奈良のブリーダーの許から、夫が自ら連れて来たというのです
+![]()
お風呂から出たばかりでホッコリしている様子ですが、部屋中、野生の臭いが充満![]()
数日間、毎日洗って、、、やっと普通の臭いのワンコになりました。
名前はカルロス。
7月、完成した屋上に引越しです。
でも、ちょっぴり寂しそう、、、
この 1ヶ月後、屋上の住人が 2匹になりました。
犬の想いで、、、その14<フジ>
娘が小学 3年の冬、それはふうちゃんとの別れの 10ヶ月後のことでした。
我が家にやって来たのは、ふうちゃんの子供の頃とそっくりな赤ちゃん犬![]()
鼻の上の小さなシワシワもそっくり![]()
でも、この子は土佐犬ではなく、グレートデン♀![]()
名前は富士山のフジ![]()
ふうちゃんは娘のお姉ちゃん的存在でしたが、フジは娘の妹となりました。
4~5週間も経つと、スリムな美人
になったフジ。
登校前に、家の近所をグルッと一回りの散歩に出かけます。
最後に六角堂に寄るのですが、まだまだ帰りたくないよ~と抵抗するフジ![]()
日曜日には、御所まで出かけます。
思いっきりランラン
して、、、初対面のワンコ達に、コンニチワン![]()
一ばん年下のくせに、一ばんデッカイフジです。
フジ、、、大好き~![]()
生後 3ケ月のフジ、、、ちょっと痛々しいですが、タレ耳をカット。
耳のカットには賛否が分かれますが、不衛生になり耳の病気を防ぐ為でもあるのです。
1歳になったフジ、、、グレートデンにしては小型ですが、スタイルは抜群![]()
2歳の頃、、、雑誌のコマーシャルにスカウトされたのですが、、、
男の子だと思われていたようです![]()
フジが 3歳の頃、木造の家をビルに建て替える工事が始まりました。
建築中は、娘と私、フジと夫の 2か所のマンションに分かれて住むことになりました。
犬の想いで、、、その13<ふうちゃんと仲間たち>
ヒラメちゃんが新しい家族の許に巣立ってから、ガレージが寂しくなりました。
しかし、ふうちゃんには寂しがる暇はありませんでした。
新しい仲間がやって来たのです。
それは、小さいニャンコ
♀と 1匹のリスザル♂
動物好きの夫に掛ける歯止めは無いようです![]()
ニャンコの名はトト、、、リスザルはキキ、、、
その頃には、ふうちゃんは子供時代に好きだったソファを卒業していました。
ただし、車での移動中に入っていた小さなボストンバッグを見つけると、前足を突っ込んでキョトン
としています。
ふうちゃん、、、大きくなったね
リスざるキキは、相当なヤンチャ者です。
トト
の尻尾を掴んだり、、、おやつを横取りしたり、、、
ふうちゃんの頭に飛び乗って、耳を引っ張ったり、、、
ふうちゃんが大事に小屋の奥に隠している、ワンコ用の歯磨きガムを盗み取って、自分のケージに隠したり、、、
マンションに連れて帰ってお風呂に入れてあげると、、、
あ~あ、ええ風呂やった、、、と気持ちよさそうにデッカイ態度です。
トト
だって、平気でふうちゃんの頭に乗っかります。
ふうちゃんはというと、迷惑そうな顔をしながらも動じることはありません。
土佐犬ですから、元々の顔つきが、タレ耳・タレ目・タレ頬なんで、、、ね。
その頃、マンションにはインコも居ました。
娘はペットたちに育てられたと言っても、過言ではありません。
ふうちゃんは首輪は付けていましたが、散歩の時以外はロープ無しです。
半分開けられたガレージのシャッターの下で、悠々と昼寝を楽しむ毎日でした。
近所には他に大型犬を飼っているお宅はありませんでしたら、犬好きの子供たちとも仲良しでした。
娘が小学 3年生の春の午後、ふうちゃんが変な格好で昼寝しています。
上半身だけを小屋から出して、、、
ついさっき迄は、普通に歯磨きガムを噛んでいたのに、、、
娘より 1歳年上ですから、彼女は 9歳になっていました。
恐らく、心臓か、、、脳卒中、、、
下校した娘は、大きな箱に入って眠るふうちゃんを見て泣きました![]()
彼女にとってふうちゃんとの別れは、初めてのペットの死の経験でした。
おっとりした性格で、無駄吠えも無く、賢くて大人しいふうちゃん、、、
私には、学生時代に飼っていた秋田犬、うお~ん
と尻尾ペンペン
のクロの想いでが重なりました。
人よりも短命の、ペットとの別れを避けることは出来ません。
ふうちゃんとの別れで、感じました、、、
ペットたちは、順々にその命を繋いでくれている、、、
新しい子が前の子の命を継いで、また私の許にやって来る、、、
これからも悲しい別れがあるに違いないけれど、縁あってやって来る子がいれば、精いっぱい育ててあげよう、、、そう思いました。
犬の想いで、、、その12<ふうちゃんと赤ちゃんブル>
まだお母さんが恋しいのか、赤ちゃんブルたちはふうちゃんの後を追います。
ヨチヨチ、、、ヨチヨチ、、、ちゃんと歩いているのですが、短足ですから、、、
お座りをしていても、立っているのか
座っているのか![]()
オシッコ
をすると、お腹が濡れます![]()
ふうちゃんはというと、赤ちゃんブルたちを大歓迎![]()
ふうちゃんが横たわると、ブルたちがオッパイを吸い始めました![]()
よく見ると、驚いたことに、オッパイが出ているのです![]()
動物の母性って、すごい、、、感動![]()
彼らは、いつも一緒にいました。
ご飯は、大きいボウルが 2つ。
一つはふうちゃんのご飯。
もう一つには、ブル 2匹が身体ごと入り込んで、、、
ご飯つぶだらけの縦より横に長い顔を、重たそうにかしげます![]()
その顔が似ているので、彼らの名前は、チエちゃんとヒラメちゃんに決定![]()
私たちは、マンションから店に通っていました。
毎朝、おはよう
ふうちゃ~ん
、、、と声を掛けると、喜んで 3匹が小屋から出てきます。
ある朝のこと、ころころと出てくるヒラメちゃんの後を、ゆっくりとふうちゃんが、、、
まだ眠たいのか、チエちゃんが出てきません。
ふと、ガレージから店に通じる土間を見ると、、、一つ、、、二つ、、、と、割れた卵が、全部で4個。
何か様子がいつもと違う、、、
小屋の中のチエちゃんは、じっとして動きません、、、え、、、息をしていない![]()
前日、近所の子供たちが、赤ちゃんブルの抱き合いっこをして遊んでいました。
子供たちが帰ったあと、、、チエちゃんが、ハイハイをしています。
よく見ると、後ろ足が脱臼していたのです![]()
獣医さんに直してもらいましたが、どこか他にもダメージがあったのかもしれません。
チエちゃんを抱き上げようと夫が小屋に入る、、、と、生卵が 3個、、、
動かなくなったチエちゃんの為に、何度も失敗しながら厨房から卵を運んだ![]()
夫の腕に抱かれた、くったりとしたチエちゃんに顔を近づけ、くう~ん![]()
ふうちゃんの悲しそうな声、、、
まるで、ぬいぐるみのワンコみたいに、じっとしているチエちゃん、、、
近所の子供たちのせいではありません。
私たちの不注意でした。
ごめんね、、、チエちゃん、、、![]()
ごねんね、、、ふうちゃん、、、![]()
その 2カ月後、ヒラメちゃんの正式な家族が決まりました。
私たちは、夫の友人の家で生まれたものの、貰い手の無い赤ちゃんブルを預かっていたのです。
すっとぼけた顔をして、ぶっといあんよでポテポテと歩き、、、ところ構わず居眠り![]()
タレ目と重たそうなほっぺのヒラメちゃんです。
「どうちて皆は、わたちの顔を見て笑うの
」 と、顔をかしげます。
もう、、可愛すぎる![]()
2ヶ月もすれば、別人ではなく別犬になってしまうブルドッグです。
新しい家族の許で、チエちゃんの分まで可愛がってもらって、元気な日々を過ごしてくれるようにと願って、彼女を送り出しました。























































