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真の国益を実現するブログ

真の国益を実現するため、外交・国防・憲法・経済・歴史観など
あらゆる面から安倍内閣の政策を厳しく評価し、独自の見解を述べていきます。

トヨタ等輸出型大企業においては、消費税に関して輸出還付金が入ることから、むしろ課税を望ましいものと考えているとの論説が散見されます。共産党系を中心に展開されてきましたね。
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-10-23/2013102306_01_1.html

http://no-shouhizei.com/modules/news/index.php?id=433

拙ブログでも何度か、その説は誤謬である旨指摘してきましたが、今だに共産党系以外の保守系識者の一部においても、この説に疑いを抱かずに、消費税増税を経団連等が必要と訴える真の理由として勘ぐっているようなので、再度整理しておきます。

消費税ですが、企業が国内から国外へ輸出する場合、消費税は「消費地課税主義」を取っているので、その売上に関して消費税分を価格に転嫁できません。
一方、輸出製品であっても、国内下請け企業からの仕入等には消費税が課税されますので、預かった消費税より支払った消費税が多くなることから、その差額が還付されることになります。これがいわゆる輸出還付金です。(共産党などが「輸出戻し金」と言っているものです)

例えば、200万円の自動車の場合、国外へは消費税転嫁なしの200万円で売却ですが、100万円の材料等仕入れた場合は、消費税課税分の108万円を支払うことになるため、8万円分の消費税を負担することになります。したがって、この8万円が還付されます。

国内取引であれば、200万円の自動車を216万円で売却し、16万円の消費税を預かっていることになり、預かった16万円と仕入の際に支払った消費税8万円の差額、8万円を納税することになります。

この自動車製造企業の利益は、次のように輸出時も国内販売でも変わりません。
①輸出時は、200(売上)-108(仕入+消費税)+8(還付金)で、100万円です。
②国内取引では、216(売上+消費税)-108(仕入+消費税)-8(納付消費税)で、100万円です。

お分かりいただけたかと思いますが、これでも次のような反論があります。

輸出型大企業は、国内の仕入れ下請け企業に対して、消費税分を転嫁しないよう圧力をかけ、消費税分安い価格で納品するよう買いたたいているので、結果として還付金分不当に利益を得ているというものです。

上記自動車販売の輸出時に当てはめると次のようになります。
100万円の仕入れ材料等を消費税分不当に買いたたいて納品させるとすると、
100万円÷1.08で92.6万円が仕入れ価格となります。
したがって、この自動車製造企業の利益は、
200-100(仕入+消費税)+7.4(還付金@92.6×8%)で、107.4万円となり、7.4万円増えます。まあ、7.4万円分買いたたき納品させているので当然こうなります。

しかしながら、消費税の価格転嫁に関しては、2013年10月から消費税転嫁特別対策法が施行され、具体的には、公正取引委員会に「転嫁Gメン」と呼ばれる専門調査員を任命し、転嫁が適正に行われているか監視しています。(1989年の最初の消費税導入時には、内閣により新税制円滑化推進本部が設置され、このような問題に対処してきました。)
https://www.jftc.go.jp/tenkataisaku/
常に監視の目を光らせ、違反者には指導や勧告、さらには勧告企業の公表まで行っています。
https://www.jftc.go.jp/tenkataisaku/index_files/1806torikumi.pdf

勧告一覧の中には大企業もありますが、輸出還付金で不当な利益を得ているとして批判対象となっているトヨタや日産等はありません。

このような監視制度がある中で、不当な買いたたきは難しいでしょう。勧告されれば、信用がた落ちで、世間から強い批判にさらされること間違いありません。また、内部告発も十分に考えられますからね。

とにもかくにも、消費税によりトヨタ等輸出型大企業が不当な還付金を得ているなど、荒唐無稽な説なのであります。無論、消費税転嫁云々とは別に、大企業による下請け企業に対する買いたたき等いわゆる下請けいじめが存在することは否定しません。

経団連等経営者代表が消費税増税を主張する理由としては、善意に解釈すれば、財界のお偉い方々が、政府の累積債務による財政破綻及び後世への負担転嫁を心配しているからであり、悪意にとれば、実質賃金低下を望んでいるからではないでしょうか。決して輸出還付金で儲かるからではありません。


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財政健全化を目的とし、歳出抑制と消費税増税等歳入増加に勤しむ財務省バッシングが一部界隈で盛んに行われています。
例えばこれ。
https://www.sankei.com/premium/news/180414/prm1804140008-n1.html
無論、自国通貨と中央銀行を有しており、変動為替制度を採用している我が国おいては、財政健全化を目的にする必要もなければ、現在世間を騒がせている森友学園疑惑で露呈した公文書破棄等隠蔽体質は、十二分に批判に値するものであり、これは非常に深刻な問題と考えます。

しかしながら、財政健全化至上主義は財務省だけの問題なのでしょうか、また我が国だけの問題なのでしょうか。

ポーランド出身の経済学者ミハウ・カレツキ(1899~1970)がケインズ流の「公債でまかなわれた政府支出」を通じて完全雇用を維持するという政策に対して、やがて政治的現実によってしっぺ返しを食らう可能性があると述べています。
<出典:根井雅弘著『サムエルソン』(中公文庫)P86~87より)
カレツキは、「産業の主導者」が完全雇用政策に反対するようになる理由を三つの側面――「政府の雇用問題への介入に対する嫌悪」「政府支出の使途(公共投資や消費補助)」「完全雇用の維持によって生じる社会的・政治的変化に対する嫌悪」――から考察しているが、とくに重要なのは3番目である。高水準の雇用が持続すると、それは資本家と労働者のあいだの力関係を後者に有利な方向にシフトさせる。いまの仕事を辞めても、すぐに別の仕事が見つかるような状況なら、労働者は資本家の言いなりにはならないだろう。しかも、高水準の雇用の持続はやがてインフレを招くが、それは大小の金利生活者が好むところではない。かくして、とカレツキはいう。
「このような状態においては大企業と金利生活者の利害との間に強力な同盟が形成されそうであり、またそのような状態は明らかに不健全だと言明する経済学者をおそらく一人ならず彼らは見出すことであろう。これらすべての勢力の圧力、とりわけ大企業の圧力によって、政府は、十中八九、財政赤字の削減という伝統的な政策に後戻りしようとするだろう。不況がそれに続き、政府の支出政策は再び自らの権利を回復することになる。」

このカレツキの警告が100%正しいとは思いませんが、彼はケインズの『一般理論』の同時発見者であり、極めて鋭敏な感覚をもった天才経済学者です。少なくとも大企業経営者と資本家にとって、政府赤字増での有効需要拡大による雇用情勢のひっ迫を歓迎しない側面があることは事実でしょう。

また、何度か紹介してきましたが、「失われた20年」の本質は『Think outside the box』ブログで頻繁に言及されてるいるように、緊縮財政よりも、企業業績拡大が賃上げにつながらなくなったことです。
http://totb.hatenablog.com/entry/2018/05/13/195250

財政健全化への邁進は、財務省が悪いというよりも、政治的現実と考える方が自然に思います。財務省批判よりも、株主重視・グローバル経営に対する歯止め、労働組合の強化を訴えることが必要ではないのでしょうか。


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外国人による我が国の土地取得が、ここ数年来問題になっています。
北海道だけで東京ドーム1000個分の土地が購入されているとも言われており、観光投資としてのリゾート地だけではなく、水源地や飛行場周辺の土地まで及んでいるようで、安全保障の見地からも見過ごせない問題です。

現状では外国人による土地購入は違法ではなく、規制が出来ないため、自民党では問題意識を持ち、「安全保障と土地法制に関する特命委員会」で議論をして、土地取得規制に関する法案整備に向けて詰めた議論を行っているとのこと。
『中国資本が日本の土地を大量購入。一体なぜ? 規制しなくて大丈夫? 政治家に聞いてみた』

当然ながら、かなり以前から保守系団体を中心に、安全保障上の問題を主眼として、外国人土地取得への規制が声高に主張されてきました。また、主な土地購入者である中国等への批判も高まっています。

しかしながら、国民全体へはその危機感が共有されていないように思います。何故でしょうか。
次の土木チャンネルの大石久和土木学会会長と吉原祥子氏(公益財団法人 東京財団政策研究所 研究員・政策オフィサー)の対談(「次世代への土地の継承は公共性の認識と法整備が鍵」後編)において重要な指摘がなされていますので、是非ご覧いただきたいと思います。
吉原 祥子氏は、過日拙ブログでも取り上げた『人口減少時代の土地問題』(中公新書)の著者であります。
『所有者不明土地問題に関するお薦めの本』



この動画の1分40秒頃から吉原氏が外国人土地取得問題への見解を示されています。
①違法ではない、②(我が国の法体系)土地の強い所有権、④地籍も半分しか確定していない、⑤登記も任意である、というような制度である中、国の安全保障上、どういった課題が生じうるかを正面から考えてこなかった。したがって、我々日本人の責任であり、土地を購入する外国人にとっては自由な経済活動、それを非難することはできない。

(3分頃から)
地方では、日本人の観光客はこない、企業の投資もない。このような地方の現状からは、外国人が来る、投資があることは、少なくとも短期的には地方経済を潤すため、歓迎している部分もある。したがって、事象によって色んな見方が出来て、重要なのは我々が土地制度を正面から議論すること。

(さらに続けて、ここが重要です
安全保障の部分だけを取り出していくら議論しても、一部の人たちだけで盛り上がっても、問題の規模感というものが世間には正しく認識されないし、何が本当の問題化も伝わりにくい。
迂遠であるとしても、土地問題を地道に考えていくことが、安全保障上の問題解決につながる一歩となる。


右寄りと言われる方、あるいはいわゆるネトウヨが、いくら中韓を批判しようが、政治家の弱腰を批判しようが、この問題は前に進みません。
必要なことは、迂遠な解決法ではありますが、公共という概念を念頭におき、我が国の現行の土地所有権等のあり様を理解・議論すること、また疲弊する地方経済の現状を認識し、インバウンドに依存しない内需拡大のための公務員増や交通網整備等を中心とした、地方経済活性化の正しい処方箋を訴えていくことです。



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