入手経路:ヤフオク
価格:★★★

 飛騨の一位一刀彫の小坂礼之(二代・哲人)作の茶杓ですが、一位ではなく、梅の茶杓です。

 この方は茶道具研究の宗和会に参加されている方で、一位に限らず指物をされるようですね。

 神代とあるので埋れ木なのか?と調べましたが、神代梅というものはないようで、この神代が何を意味するのか分かりませんでしたが、銘ということはないと思います。

 おそらく、禅昌寺の勅使手植えの「ゆかりの梅」の枝で作られたのか、はたまた岡山の神代梅の里の梅の枝なのか……飛騨の梅と信じましょう!(笑)

 さて、銘ですが、飛騨の梅杓ということで、飛騨の歌人・姉小路基綱の詠んだ梅の歌から銘を引きたいと思います。

 探しましたところ、次の歌から引くことに決定!

水のあわにきえぬ色香やうかぶらむ
落ちても梅の花の下風
 飛騨国司 姉小路基綱 卑懐集之外より

 では何処を引きましょう?

「水泡」? 「落梅」?

 答え合わせは来年の初釜で(笑)

 これで、木地八種は榊・松・梅の三種となりました!


入手経路:ヤフオク
価格:★★★★★

 岡本陽斎は京都在住で山中に工房がある輪島塗の塗師です(山中塗じゃないの?と思いますが)。

 私はこの方の塗物が好きで、気にいると岡本陽斎作とか岡本陽斎工房造ということが多いです。

 これもそんな一つです。

 松喰鶴【まつくいづる】とは松の小枝を咥えた鶴の模様をいい、別名・松喰鶴【まつばみづる】とも言うそうですが、これ多分、誤読が定着した物だと思われます。

 松も鶴も延命長寿の縁起物。瑞木・瑞鳥です。元々は東ローマやペルシア発祥の花喰鳥【はなくいどり・はなばみどり】を和風化したものだとされています。

 藤原氏全盛の頃に流行した物だそうで、縁起物ということから通年柄だとされますが、菊の季節に重ねると良いかもしれませんね(菊の節供は長命節でもあるので)。

 但し、季語としては冬を意味しており、松も歳寒の三友の一つですから、旧暦十月〜十二月に使うのが良いでしょうか。

 吹雪なので、小雪(11月後半)〜大雪(12月前半)の頃でもいいですよね。

 東京では雪といえば2月(旧暦正月)なので、その頃でも良いかもしれません。

 皆さんなら、いつ使われますか?
 

 
 月桑庵の道具がヤフオクばかりなのは事実ですが、ヤフオクではない品もありますので、偶にはそういうものを紹介いたしましょう。
 
 こちらは、吉村楽入先生の丸印の半筒茶盌です。
 
 黒楽ですが、かせ釉で、艶がない品になります。
 
 ただし、こちらは箱が特殊。
 表千家出入りの故稲尾誠中の杉箱なんです。
 
 斜めに板を取ったために面白い木目のでた箱になります。
 
 楽入先生曰く「こういうもん、よろこんでくれはりそうなんは、あんたぐらいやと思いましてな」とのこと。
 
 母子共に、箱を喜び(いや、茶盌も好きですよ?)、大切にしておりますw
 
 かせ釉とは、痂釉または悴釉と書きます。
 
 痂はかさぶた、悴はやせおとろえる、の意味なので、やはり痂のほうが意味としては通りやすいですね。
 
 風折風の茶盌だと思いますので、烏帽子から烏の字を引いて、烏文木(黒檀の異称)から音を借りて「宇文(うぶん)」というのはどうでしょうかね。
 
 宇文とは、北周の皇族です。北周は南北朝時代の北朝の王朝の一。『独孤伽羅~皇后の願い~(2018年)』という華流ドラマで徐正曦(シュー・ジェンシー)が演じた宇文護という人物が大好きでして、この名前に因みました。
 
 少しわかりにくい銘なので、主茶盌にはしませんけれども、気に入って使っていきたいと思います。

 村田珠光の弟子で、津田宗達の従弟にあたる鳥居引拙は、名人と『山上宗二記』に名の挙がる人物です。

 

 この鳥居引拙が考案した棚物が【引拙棚】または【引拙袋棚】と呼ばれる「袋棚 引拙好」です。

 

 
 こちらが引拙棚です(写真はお借りしました)。
 
 これ紹鴎棚やんけ!と思ったでしょう?
 現在の溜塗は糸目溜塗の即中斎好みから派生した糸目なしのものであると考えられます。
 
 ただ、残念ながら紹鴎棚は「春慶塗」なんですよ。
 
 赤いのが正式ということになります。
 
 ただし、引き戸ではなく倹飩蓋であるという話があり、色々と検証が必要です(大日本茶道学会の松木棚の左側のようになっていた可能性もあります)。
 現状の形でも、倹飩式で開けることはできるので、一度点前をしてみたいですね。

 初釜はやらないですが、出してやってみようかなー(ちょうど時期ですし)。

 本日は旧暦十二月廿五日、甲辰年丙寅月戊戌日。二十四節気の第一、立春です。

 暦の上では春。
 二十四節気では新年を迎えたことになります。旧暦とはまだずれがありますが、立春を迎えると干支が変わることになります。

 また、厄年なども本来は立春を過ぎてからということになり、古い風習の残る地域では、これから厄払いが始まります。

 今年も閏月の関係で、年内立春(旧暦12月の内に立春を迎えること)となります。これはだいたい半分ぐらいの割合で新年立春(新暦1月前半の内に立春を迎えること)となります。稀に、朔旦立春(旧暦元日に立春を迎えること)となりますが、三十年に一度ぐらいの割合で非常に縁起の良い日とされます。

 立春は、雑節の八十八夜、二百十日、二百二十日の起点となっている季節の分かれ目です。

 大寒がようやく過ぎ、空気が湿り気を帯びてくるため、関東などでは雪が降りやすくなり、「二月のドカ雪」があったりします。梅の花がほころび始め、徐々に暖かくなる季節ではありますが、残寒や余寒といって、まだまだ寒さがのこるのもこの時期の特徴です。

 寒中見舞いは節分までとなり、立春已後は「余寒見舞い」となります。余寒見舞いは雨水(2月下旬)前までですので、年賀状や寒中見舞いを出しそびれていた方は、余寒見舞いをお出しになることをお勧めします。

 この時期の掛軸としては「寒梅著花未」や「梅自発清香」、「渓梅一朶花」など「梅」を詠んだ句が好まれますでしょうか。花を主題にしたものは、この時期よりもっと後になってからが似合いますね♪