葉が落ちきった木を蹴り飛ばしているよう -5ページ目

通過フィルター

線がある



地面から天井まで引かれている



こちらから見ると、その線の中に面があるのがわかる



面がある



僕は、その面を通る



否が応でも


今までもそうしてきた



その繰り返しだった



面と面の連続



無数の線



つまり、僕は一つの立方体の中にいる



僕は目の前の線を見た



線の横に


月曜日、AM11:25と印字されている



面がある



面を通るという事は、さっきまでの空間とお別れをするという事



まっすぐにしか進まない立方体の中の僕



後戻りはできない



面がある



面と線が随分近づいてきた



そろそろお別れの時間



僕は、これから月曜日AM11:25に行く



さようなら



寂しいというより、哀しい




面がある




月曜日、AM11:25

角のない消しゴム

さようなら



僕が一人死んだ



あっけないものだった



僕は、殺虫剤をかけられた虫のように、コロリと死んだ



不思議と悲しくない


涙もこれっぽっちも出そうにない



繰り返されてきたからだ


もう、僕は数えられないほど死んだ



隅の角には、死んだ僕が折り重なってる



たまった洗い物のような僕を見ても、やっぱり悲しくない



きっと、明日にも僕は死ぬだろうから



いちいち悲しむのも、おかしな話だ



さようなら



今日死んだ僕は、ひどく感情的な僕だった



すぐに怒り狂う僕だった



そんな僕が死んだ僕は、どう変わったんだろう




わからない



さようなら



真っ白な僕になるまで、死んでいく僕へ



さようなら

薄荷が特に気に入っていた

ドロップは、からからと音をたてるだけだ



一粒、二粒くらい



たぶん、その缶の中にはそれだけ入っている



それしか入ってない



薄荷、苺、檸檬、葡萄、林檎



色んな味のドロップが入っていた



この缶がパンパンに膨れていた時



ドロップを取り出すのが楽しみだった



何が出るのか見当もつかない博打のようなその行為は



ハラハラとスリリングで心躍った



缶を振る



ドロップは、からからと音をたてる



もう、この缶の中にあるドロップの味は全部知ってる



それで、次に出てくるドロップも味も大体わかる



退屈だなぁと思い浸りながら、缶を振る



ドロップは、からからと音をたてるだけだ