一つ残ったオセロの白い石
知らない犬に手を噛まれた
食いちぎってしまうんじゃないかと、心配になるほどに
憎悪に満ちた牙が、僕の手を挟んでいた
一体、僕が何をしたっていうんだ?と問いかけるも
犬は只々手を噛むだけ
僕は怒るよりも、手を振り払うよりも先に
悲しくなった
涙が流せるのなら流したかった
流れるのは血だけ
僕の血だけ
ぽたぽたと滴る
僕は突きつけられた
一人っきりを
僕の手を噛み続ける犬に
僕は噛まれている手に別れを告げ
一人になることにした
そうするしかなかったんだ
知らない犬に噛まれたんだから
食いちぎってしまうんじゃないかと、心配になるほどに
憎悪に満ちた牙が、僕の手を挟んでいた
一体、僕が何をしたっていうんだ?と問いかけるも
犬は只々手を噛むだけ
僕は怒るよりも、手を振り払うよりも先に
悲しくなった
涙が流せるのなら流したかった
流れるのは血だけ
僕の血だけ
ぽたぽたと滴る
僕は突きつけられた
一人っきりを
僕の手を噛み続ける犬に
僕は噛まれている手に別れを告げ
一人になることにした
そうするしかなかったんだ
知らない犬に噛まれたんだから
凸と凹の方程式
あの子を殴ったその子は
馬鹿にされたから
としか言わなかった
その子に殴られたあの子は
馬鹿にされたから
としか言わなかった
私にはわからない
一体どちらの子が馬鹿にしたのかが
私の左側からは
その子が
馬鹿にされたから
と言い
私の右側からは
あの子が
馬鹿にされたから
と言う
そして、間に挟まれた私は
浸るほどに考えている
私が小一時間ほど考え
膝がガタガタと震え始めた頃
山田さんが教えてくれました
二人とも馬鹿にしたのではないですか?
と
私はなるほどと納得し
家に帰ることにしました
馬鹿にされたから
としか言わなかった
その子に殴られたあの子は
馬鹿にされたから
としか言わなかった
私にはわからない
一体どちらの子が馬鹿にしたのかが
私の左側からは
その子が
馬鹿にされたから
と言い
私の右側からは
あの子が
馬鹿にされたから
と言う
そして、間に挟まれた私は
浸るほどに考えている
私が小一時間ほど考え
膝がガタガタと震え始めた頃
山田さんが教えてくれました
二人とも馬鹿にしたのではないですか?
と
私はなるほどと納得し
家に帰ることにしました
渇れきった小さな葦
カカシが土に埋まっている
何をするわけでもなく
空を睨んでいる
欅の手と足
雑草で編まれた麦わら帽子
丸いゴムボールに腐った蜜柑がつけられている
カカシが土に埋まっている
ざわざわと囁く芽のない小麦畑
昨日の雨でぬかるんだ土
カカシは不機嫌そうな顔で
空を睨んでいる
僕は
そんなカカシを見ていたら
なぜだか 腹がたってきた
だから僕は
カカシの欅の足を蹴って
へし折った
カカシは両の手を仰ぐように
ぬかるんだ土に倒れた
カカシは不機嫌そうな顔で
空を睨んでいた
何をするわけでもなく
空を睨んでいる
欅の手と足
雑草で編まれた麦わら帽子
丸いゴムボールに腐った蜜柑がつけられている
カカシが土に埋まっている
ざわざわと囁く芽のない小麦畑
昨日の雨でぬかるんだ土
カカシは不機嫌そうな顔で
空を睨んでいる
僕は
そんなカカシを見ていたら
なぜだか 腹がたってきた
だから僕は
カカシの欅の足を蹴って
へし折った
カカシは両の手を仰ぐように
ぬかるんだ土に倒れた
カカシは不機嫌そうな顔で
空を睨んでいた