人工物という点では同じだと思う
君は教えてくれた
彼はそれを忘れた
鈍く光る電飾で色とられた
東京タワーは、
今日もそびえ立っている
雲の隙間をするりと
避けながら、月の光が
君の顔を突き刺している
妖艶とも不気味ともとれる笑みを浮かべたまま
君は、確かに言った
でも、彼は覚えてなかった
何を言われたのか
なぜ言われたのか
そして、君が誰なのかも
月は地面を照らし
東京タワーは、君を照らす
そして、彼は忘れてしまった
彼はそれを忘れた
鈍く光る電飾で色とられた
東京タワーは、
今日もそびえ立っている
雲の隙間をするりと
避けながら、月の光が
君の顔を突き刺している
妖艶とも不気味ともとれる笑みを浮かべたまま
君は、確かに言った
でも、彼は覚えてなかった
何を言われたのか
なぜ言われたのか
そして、君が誰なのかも
月は地面を照らし
東京タワーは、君を照らす
そして、彼は忘れてしまった
早すぎる起床と朝靄
その時の空は明るかった
カーテンから漏れる陽が、部屋の外を教えてくれる
見渡す限りの白い壁
すっかり枯れ果てた観葉植物
色褪せたコルクボードに貼り付け られた僕
何度鳴ったのかわからない目覚まし時計を止める
脱ぎ散らされた服が、僕の一週間を教えてくれる
ひんやりと、床に寝そべる空気を蹴り飛ばして
僕は、柔らかく暖かな布団から起きる
陽に当たった部屋のなかは塵で埋もれている
それでも、窓も開けずに、洗面台に向かって歩く
蛇口は、泣くように水を滴らせている
鏡越しに陽の光が見えた
白く冷たい光
それに照らされた顔を、力の限り水で一杯にする
鏡は泣いた
蛇口は泣くように、水を滴らせている
カーテンから漏れる陽が、部屋の外を教えてくれる
見渡す限りの白い壁
すっかり枯れ果てた観葉植物
色褪せたコルクボードに貼り付け られた僕
何度鳴ったのかわからない目覚まし時計を止める
脱ぎ散らされた服が、僕の一週間を教えてくれる
ひんやりと、床に寝そべる空気を蹴り飛ばして
僕は、柔らかく暖かな布団から起きる
陽に当たった部屋のなかは塵で埋もれている
それでも、窓も開けずに、洗面台に向かって歩く
蛇口は、泣くように水を滴らせている
鏡越しに陽の光が見えた
白く冷たい光
それに照らされた顔を、力の限り水で一杯にする
鏡は泣いた
蛇口は泣くように、水を滴らせている
摘まんだ贅肉は弛んでいる
影踏み
僕はひたすらに、それを楽しんだ
背の高いビル
ハイヒールの似合う女性
隣の家のお兄ちゃん
生い茂った街路樹の細かいそれ
そして僕
たくさんの影を踏んだ
なんだか、気分が良かった
踏みしめるものがある
それは、僕の位置が高いからだ
影は、それを嫌うように
避ける
僕は、それを追い
三日前に買ったばかりのスニーカーで踏みつける
スニーカーと砂利が擦れた
鈍く
軽やかな悲鳴が聞こえた
僕は、それをいたく気に入り
何度も、繰り返し影を踏む
影は、僕に踏まれたままの
不恰好な姿のまま
僕に、こう言った
「寂しいやつなんだな」
僕は、曖昧に頷いて
影を、さらに強く踏み
爪先を捻った
鈍く
軽やかな悲鳴が聞こえた
僕はひたすらに、それを楽しんだ
背の高いビル
ハイヒールの似合う女性
隣の家のお兄ちゃん
生い茂った街路樹の細かいそれ
そして僕
たくさんの影を踏んだ
なんだか、気分が良かった
踏みしめるものがある
それは、僕の位置が高いからだ
影は、それを嫌うように
避ける
僕は、それを追い
三日前に買ったばかりのスニーカーで踏みつける
スニーカーと砂利が擦れた
鈍く
軽やかな悲鳴が聞こえた
僕は、それをいたく気に入り
何度も、繰り返し影を踏む
影は、僕に踏まれたままの
不恰好な姿のまま
僕に、こう言った
「寂しいやつなんだな」
僕は、曖昧に頷いて
影を、さらに強く踏み
爪先を捻った
鈍く
軽やかな悲鳴が聞こえた