新潟県・貴渡神社 | 神社に隠れていたモノ

神社に隠れていたモノ

神社の彫刻を見て、何の物語か教えてほしいと思ったことがあり、調べた結果をブログします。タイトル「神社に隠れていたモノ」は覆屋の中にこんな素晴らしい彫刻が隠れていたのかという思いから付けました。

2023年4月19日  新潟県長岡市栃堀の貴渡神社に参拝しました。

 

由緒

栃尾の機神様と称される植村角左衛門貴渡は、栃堀村の庄屋の家に生まれました。天明の大飢饉に際し、角左衛門は米作りだけでは悲劇が絶えないと実感して米沢織りを習い、縞紬の製作に成功します。そして、北荷頃の大崎オヨの織った縞紬の見事さに感嘆し、オヨからその製法を教わり、その後、角左衛門によって栃尾紬が全国に知られる名産品になりました。ここ嘉永元年(1848年)に建築された貴渡神社は、植村角左衛門貴渡をお祭りした神社で社殿の彫物は幕末の名匠「石川雲蝶」の作とされています。

貴渡神社は巣守神社の境内の一角にあります。 参道を進むと巣守神社の社殿があります。

 

覆屋

 

本殿

 

中備:龍  木鼻:獅子と獏

 

右面の胴羽目:蚕の飼育

 

左面の胴羽目:機織り

 

背面の胴羽目は無し

 

右面の脇障子:桑負い(蚕が食べる桑の葉を運んでいる)

 

左面の脇障子:繭煮(繭を60-70℃のお湯で煮ると、繭のタンパク質が溶け、糸がほどけやすくなる)

 

蟇股に干支が彫刻されています

蟇股:猿と蛇 / 龍

 

蟇股:鳥と山羊 / 猪

 

手狭:鳥

 

コメント:栃尾織物の基礎を築き、縞紬を広めた、祭神植村角左衛門貴渡翁を奉るために建てられた神社。その彫刻も織物に関したものでとても興味深いものでした。

 

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