新潟県・秋葉三尺坊大権現(秋葉神社) | 神社に隠れていたモノ

神社に隠れていたモノ

神社の彫刻を見て、何の物語か教えてほしいと思ったことがあり、調べた結果をブログします。タイトル「神社に隠れていたモノ」は覆屋の中にこんな素晴らしい彫刻が隠れていたのかという思いから付けました。

2023年4月19日 新潟県長岡市谷内の秋葉三尺坊大権現(秋葉神社)に参拝しました。

 

由緒

天文20年(1551)常安寺の守護神として上杉謙信が楡原の蔵王堂より遷したと伝えられています。火伏の神として名高く「火坊日本総本廟秋葉三尺坊大権現」として多くの崇敬を集めています。奥の院は、弘化3年(1846)に落慶したものであるが、彫刻はやや遅れて安政年間の頃のものと思われます。石川雲蝶が小林(熊谷)源太郎と二人で8年間の歳月をかけて彫ったもの。東側には烏天狗の酒宴、南側には大天狗の前での烏天狗と若武者の試合、西側には烏天狗の敗北の図が彫られています。

拝殿

 

 

欄間に彫刻があります

 

扁額の両脇にお面

 

黄安仙人
列仙伝という中国の道教にまつわる説話集で、70人の仙人たちの伝記が載せられている。その一人が黄安。黄安は中国前漢の武帝時代の仙人。家にいる時には三尺程ある大亀に乗っている。逸話に、今年で何歳になるかと聞くと、この亀は三千年に一度顔を出し、今まで五度頭を出しているので一萬五千歳と答えたという。長寿、永遠の象徴となっている。

 

蝦蟇仙人の劉海蟾  (蛙が左側にいます)
中国の列仙伝中の一仙人で、蝦蟇を使って妖術を行ったという。後足が一本しかないという三足蝦蟇を引き連れ
ており、蝦蟇仙人の名称で知られる。絵画には鉄拐仙人と対幅に描かることが多い。

 

覆屋

 

本殿  彫刻師:石川雲蝶と小林源太郎

 

右面の胴羽目:烏天狗の敗北の図

 

背面の胴羽目:鞍馬天狗「僧正坊」から武術を習う牛若丸(義経)
幼い日の牛若丸(源義経)は、鞍馬山で鞍馬天狗「僧正坊」の指導のもと、夜な夜なカラス天狗達と剣術や妖術を習い、兵法を学んでいたという。

 

左面の胴羽目:烏天狗の酒宴

 

腰羽目は3面とも獅子

 

妻飾り:獅子/龍

 

海老虹梁:龍  手挟:鳳凰

 

中備:2頭の龍

 

コメント:上杉謙信公の旗揚げの地という秋葉公園内にある神社。胴羽目彫刻だけでなく、海老虹梁や中備も素晴らしい出来でした。

 

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