現在連載中の、「パリ&ブリュッセル 第2回目(2010)の旅行記」に関連して、今回は、あまりに「有名」と言えば「有名」な、この、「スタンダードナンバー」をお送りしましょう。
今回の「旅行記」でも、ついに、「シャンゼリゼ大通り」が出て来ました。今回は、実は、前回ほどには、この「シャンゼリゼ」に重きをおいてはいなかったのですが、やはり、「パリ」と言えば「シャンゼリゼ」、「シャンゼリゼ」と言えば「パリ」ですから、記事としても、1度は採り上げておくべきだと思い、書いてみました。
この、「ご当地ソング」として、あまりにも有名なこの曲は、実は、元々は「イギリスの曲」です。シャンソンに詳しい方でしたら、すでにご存知だとは思いますが、そうでない方々にとっては、ちょっと「驚き!」 かも知れません...。
オリジナルは、ロンドンの通りを歌った、バンド、「ジェイソン・クレスト」の4枚目のシングル、「Waterloo Road "ウォータールー・ロード"」(1968)という曲です。
歌詞付きの映像がありましたので、こちらも載せておきましょう。
ちなみに私も、この「原曲」を聴いたのは、今回が「初めて」です。このように、「原曲」は、当時、それほど話題にはならなかったのですが、ピエール・ドラノエ(1919-2006)の手によってフランス語詞が付けられたところ、「世界的な大ヒット曲」となりました。ピエール・ドラノエは、「ムッシュ10万ボルト」こと、ジルベール・ベコー(1927-2001)の作詞家として、数多くのヒット曲を生み出しています(「et maintenant "そして今は"」「Nathalie "ナタリー"」など)。
最初の大ヒットとなったのは、1969年、アメリカ出身ながらフランスで活躍した歌手ジョー・ダッサン(1938-80)によるレコードで、この私も、最初に聴いた録音は、この、ジョー・ダッサンのものでした。彼は、1970年代に、幅広い人気を誇っていましたが、1980年8月20日、タヒチでの休暇中に、「心臓発作」によって、急逝してしまいました。ちなみに、彼の父は、「日曜はダメよ」(1960)などの作品で知られる映画監督、ジュールズ・ダッシン(1911-2008)です(「ダッサン」という姓は、「ダッシン」をフランス語読みしたものです)。
日本では、最初に載せたダニエル・ヴィダル(1952-)のヒット曲(1971年)として知られています。
当時、フランス領であった、アフリカ北部モロッコの出身で、1969年、17歳で歌手デビューを果たしましたが、その直後より、主な活動の舞台は「日本」に移されました。そのため、日本に長期滞在することもしばしばとなり、日本の番組にも数多く出演しました。日本語での録音も多く、ご本人も、「親日家」であることを「公言」しています(日本語も流暢に話されます)。
この6月24日、ダニエル・ヴィダルさんは、群馬県渋川市にある「日本シャンソン館」に来館され、その歌声を披露されました。残念ながら、私は行けなかったのですが、その衣装が、当館に寄贈されたということです。
「群馬県」、ということで、当然、このお二方が、記事を上げていらっしゃいます。かなり遅れてしまいましたが、この場をお借りしまして、紹介させていただきたいと思います。
https://ameblo.jp/utrillo-714/entry-12284396419.html(「ユトリロさん」の記事)
https://ameblo.jp/volare55/entry-12286671066.html(「薔薇色の余生 YasTomyさん」の記事)
「日本シャンソン館」は、日本を代表するシャンソン歌手、芦野宏さん(1924-2012)が、1995年7月に開館した「ミュージアム」で、自ら館長として、シャンソンに関する資料収集や展示、「ライヴ」といったイベントの開催を、積極的に進められました。その「遺志」は受け継がれ、現在に至っています。私は、(まだ)「1度だけ」ですが、この館に足を運び、「見学」をしたことがあります。
「日本シャンソン館」は、JR上越線・吾妻線渋川駅から、徒歩約10分です。渋川駅へは、上越・北陸新幹線高崎駅より、在来線普通電車で約25分となっています。
https://www.google.co.jp/maps/@36.4934373,139.0081334,16.79z
以下に、「les Champs-Elysees "オー・シャンゼリゼ"」の歌詞を載せておきましょう。今回の対訳は、永瀧達治先生のものをお借りしました。
この、「オー」というのは、「~で(場所など)」を表す、フランス語の前置詞「a」(実際には、文字の上に、「アクサン・グラーヴ」という記号が付きます)と、定冠詞「les」(この場合、「la」の複数形です)を「縮約」した形、「aux」のことで、「aux (a+les) Champs-Elysees」という歌詞は、「シャンゼリゼでは(には)」を表しています。
参考までに、「ルフラン(リフレイン)」の、歌詞の読み方も書いておきましょう。
5月のZAZの来日公演でも歌われたこの曲。読み方が分かると、ライヴでも一緒に盛り上がれますよ!!
aux Champs-Elysees, aux Champ-Elysees
(オー・シャンゼリゼ、オー・シャンゼリゼ)
au soleil, sous la pluie
(オ・ソレイユ、スゥ・ラ・プリュイ)
a midi ou a minuit
(ア・ミディ ウ・ア・ミニュイ)
il y a tout ce que vous voulez
(イリヤ・トゥ・ス・ク・ヴ・ヴレ)
aux Champs-Elysees
(オ・シャンゼリゼ)
「フランス語らしい発音」にするには、シャンゼリゼの「シャン」は、舌をどこにも付けず、「1音」で(音は、「ション」に近いかも...)。「ゼリゼ」の「エ」の音は、口を狭く、「イ」に少し近づけます。
「プリュイ」や、「ミニュイ」の「ュイ」は、丸めた口を、すかさず平らに(ちょっと「強い音」です)。
「ソレイユ」の「ユ」は、実際には強く発音しません。「レイ」にアクセントをおく感じで、「投げっぱなし」な感じの音です。
フランス語の「母音」は、日本語よりも「強め」な傾向にあります。慣れないと、ちょっと発音しづらいかも知れません...。
(que「ク」は、「子音」のみ、または、英語にもある弱い「ウ」が付きます)
それではまた...。
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je me baladais sur l'avenue
le coeur ouvert a l'inconnu
j'avais envie de dire bonjour a n'importe qui
n'importe qui ce fut toi
je t'ai dis n'importe quoi
il suffisait de te parler pour t'apprivoiser
私は大通りをぶらついていた
見知らぬ人にも心を開いて
誰にでも「ボンジュール(こんにちは)」と言いたかったの
誰にでも それがあなただったのよ
話すことなんて、何でも良かったの
あなたと親しくなるには、話すだけで充分だった
(refrain)
aux Champs-Elysees, aux Champs-Elysees
au soleil, sous la pluie
a midi ou a minuit
il y a tout ce que vous voulez
aux Champs-Elysees
(ルフラン)
シャンゼリゼには、シャンゼリゼには
晴れの日も、雨の日も
真昼でも、真夜中でも
望みのものが何でもあるわ
シャンゼリゼには
tu m'as dit j'ai rendez-vous
dans un sous-sol avec des fous
qui vivent la guitare a la main
du soir au matin
alors je t'ai accompagne
on a danse, on a chante
et l'on a meme pas pense a s'embrasser
(au refrain)
あなたは私に言ったわ
地下室で夜から朝まで
ギターを手にする楽しい連中と
約束しているのだと
だから私は、あなたについて行ったの
みんなで歌って、踊って
キスをすることなんか、考えもしなかった
(ルフランへ)
hier soir deux inconnus
et ce matin sur l'avenue
deux amoureux tout etourdis par la longue nuit
et de l'Etoile a la Concorde
en orchestre a mille cordes
tous les oiseaux du point du jour chantent l'amour
(au refrain)
昨日の夜は、他人同士のふたり
今朝は、大通りでの
長い夜に酔いしれた、恋するふたり
エトワールからコンコルドまで
大編成のオーケストラのように
夜明けの小鳥たちがみんな、恋の歌をうたうのよ
(ルフランへ)
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(daniel-b=フランス専門)