初日に映画館へ。
原作のヤマシタトモコの漫画にはとても思い入れがあるので、期待しすぎないように、と思いながら。
わりと冒頭から違和感。
いや、実写版はかならずしも漫画の登場人物のビジュアルを再現するものではないんだけど。
槙生が違った。
がさつな振る舞いの新垣結衣、見た目は槙生っぽいんだけど声が。
声が可愛いすぎて私的にはNG。
可愛らしさが必ずしも武器になるわけではないんだな、残念。
槙生のぶっきらぼうな言い方、しかし声が可愛すぎて違和感。
終盤、どんどん好好爺に。
原作は11巻まであるので、ストーリーがつぎはぎだらけになるのは仕方ないんだけど、エピソードのここぞというシーン、あのセリフ、私の心に染みたあれこれがことごとくといっていいほど削られていたので、もうこれは監督や脚本家とは趣味があわないのだろうなと思った。
なぜこのエピソードを使ったのに、あのシーンがない??
好きなシーンとか、印象的だったセリフ、私とはチョイスが違うんだなきっと。
違う国の女王、ないの、がっくり。
音楽、ピアノがなんか耳について煩かった。
高木正勝なのに?
ええっ!
これは私のコンディションが悪かったのかな?
予告時点でちょっと音の大きさがしんどかったのはある。
映画を観ながら、ずっと漫画のシーンを脳内再生していた。
この時の朝の寂しさへのとまどい、槙生の他人と一緒にいることの息苦しさ、えみりの迷い。
槙生の朝への気持ちは11巻分かけて成長していったので、二時間ではやはり無理がある。
原作を知らなければ、テアトル系のちょっとこじゃれた映画作品として見られるかもしれない。
叔母と姪の同居生活を孤独ののちハートフルに。
しかし原作の例えようもない孤独や憎しみや差別や怒り、分かりあえなさ、少しずつ歩みよるも合致することはない、それぞれの寂しさや前進のさまを知っているから、私には違和感だらけだった。
うーん、がっくしでした。
新垣結衣には荷が重い。
一番違和感を感じたのは事故現場に花を手向けるシーンかな。
朝も槙生も絶対しないだろう。
医学部志望の女子は強くて脆くて涙が煌めいていた、良かった。
朝がご機嫌で歌うシーン、部屋と、あと校内で歌いながらひょいひょいと進む朝。
あのシーンはなんか微笑ましかった。
奈々ちゃん、鋭さと優しさが出てた。
笠町くんは、見た目からしてナイーブな感じで、もうちょいゴツい人希望。
ゴツいのに中身ナイーブな笠町くん、というのが好きだな。
染谷将太と夏帆は良かった。
アニメ化も決定しているので、そちらに期待。