JUJUのジャズアルバム『DELICIOUS 〜JUJU's JAZZ 3rd Dish〜』(難読!)が明日12月5日にリリース。本日4日は店着日です。

 

 

僕は全曲のボーカルディレクションと、M1「Remember(The Good Times)」の作曲編曲、M3「Englishman In New York(Duet with 久保田利伸)」、M4「Fly Me To The Moon」、M9「Besame Mucho」、M12「Walk Between Raindrops」の編曲やら演奏やらで参加しています。

 

 

いやー、2018年の夏はこちらのアルバムとToshlさんのアルバムにガッツリ浸っておりました。贅沢な時間でありました……。

 

■Remember (The Good Times)

僕が今年の春に初めて行ったイタリアのローマの街並みを見て、一瞬で書きあげたメロディー。通常は旅先って全く曲が出来ないのですが、イタリアは生まれまくった。また曲を作りに行かなくちゃ……(という名の逃避願望)。この曲のJUJUのエレガントさと悪女感を行き来する感じが最高なのです。メロディーはあっと言う間だったのですが、ここまでのビッグバンドアレンジは初めてだったので、そこそこ難産!

 

■Englishman In New York(Duet with 久保田利伸)

この曲のことについては先日のブログも参照して頂くとして、久保田利伸さんとプロデューサーの松尾潔さんが恐ろしい数の候補曲を挙げた中から3曲くらいまで絞り、最後スタジオでJUJUを交えて歌ってみて「あ、今回は絶対にこれ!」となった1曲。最後の最後は即決でした。

 

 

にしても、久保田さんもJUJUも歌詞にある"legal alien"として過ごして居たニューヨーク。JUJUは歌手になる前に、既に現地で久保田さんと面識があったそうで、そんな二人が20年越しくらいにニューヨークについてのデュエットを歌う、という奇跡。

 

そんなレコーディングでもあったので、僕も大変気張っており、この曲の僕のイメージするピアノの感じは、自分ではどうしても表現できなそうだったので、なんと巨匠の島健さんにお願いするという贅沢が叶いました。ドラムは初めてご一緒した若き天才の横山和明さん。

 

ちなみにデュエット企画。今回の企画にそぐわないだけで候補に残っていた最後の3曲くらいはどれも本当に素晴らしかったので、いずれ披露して下さい!ってか、お二人でデュエットアルバム出してー。

 

■Fly Me To The Moon

この曲、クインシー・ジョーンズ編曲のシナトラのバージョンがもちろん有名ですが、ブラジル好きの僕はアストラッド・ジルベルトの下手ウマバージョンも大好物。イントロの「ダバダバ」のパートは、アストラッドのバージョンをなぞるのが悔しくなって、僕があたかも昔から存在していたが如く新たなダバダバを作ってみたのですが、いかがでしょうか。中盤のフェイクメロディーは、JUJUの作曲能力炸裂。

 

■Besame Mucho

僕は高校生の時にこの曲を知り、以来大大大大好物。ベタベタな歌謡ラテンのメロディーを静々と歌うのって、泣けませんか?原曲はメキシコの曲ですが、キューバのフィーリンみたいなテイストを入れたくて、西岡ヒデローさんにマラカスを振って貰いました。ビブラートが個性であり魅力であるJUJUによる、おそらく初に近いノンビブラート歌唱レコーディング(ユーミンのモノマネは除く)。♪ベサメ〜、ではなく、♪ベサメー。

 

■Walk Between Raindrops

あまり人に言ってこなかったですが、実は今までドナルド・フェイゲンの作風がそこまでは得意ではありませんでした。メロディーの中で「んん?なぜそっちに行くんだろう」みたいな箇所が多く、本当に美しく素晴らしいのに、メロディーを辿って行くと何故か挫けてしまっていたのです。ですが、改めてこの曲に向き合ってみましたところ……済みませんでした。どう考えても天才でいらっしゃいました。未熟な偏見と不勉強を心より反省いたします。音像のイメージは、スナーキー・パピーの中で歌うレイラ・ハザウェイみたいな感じ。マイアミが舞台の曲ですが、今回のアルバム、裏テーマがニューヨークなので作品の統一性を考えていたJUJUが遊びで歌詞のマイアミ→ニューヨークにして録ったバージョンも録音データの中には残ってございます。いつの日か世に出たら面白いな。

 

……と自分の関わった作品について列挙しましたが、島健さんと安部潤さんたち巨匠のアレンジは本当に本当に素敵で、今回の作品の中では一番通好みの曲ではありますが「I Didn't Know What Time It Was」は、僕がもっともJUJUのジャズシンガー然としたフローを感じる1曲。

 

聴いてほしい!凄く、凄く、ウットリできるジャズアルバム!JUJU、そしてプロデューサーの松尾潔さん、こんな最高な機会を下さって本当にありがとうございます!そして、全面的にサポートしてくれた田中義人くん、石成正人さん、波多江健さん、大神田智彦くん、西岡ヒデローさん、ヒットミー、石川周之介さん、宮内岳太郎さん、ストリングスの皆さん、その他の皆さん、本当にありがとう!

 

 

 

……という流れで、昨日丸の内のコットンクラブにて開催されたアルバムリリース記念のライブにお邪魔してきました。

 

スペシャルゲストがまさかの久保田利伸さんだったのですが、前述の「Englishman In New York」の後にもう1曲ということで、まさかの「Indigo Waltz」を。僕にとって久保田利伸さんは、音楽を通して、音楽、いや人生のカラフルさを教えて下さった方で、その原点が僕にとっては「Indigo Waltz」。43歳目前の夜に、目をウルウル潤ませながら、アーバンな3拍子に身を委ねました。ああ、素敵なバースデープレゼントすぎたよ(勝手にそう受け取るおめでたい体質)。久保田さん、これからもずっとインスピレーションを我々に下さい!

 

 

あと、今回サポートで参加していた輝ける天才のシンガーソングライター森大輔くんがピアノ異常に上手くてびっくり。