川崎新田ジム 古橋岳也ブログ -3ページ目

川崎新田ジム 古橋岳也ブログ

川崎新田ジム所属 古橋岳也のブログ。

すみません…

ブログの事をすっかり忘れており、長らく放置してしまいました。

これから更新続けて参ります🙇‍♂️




さて、以前の記事の続きになりますが、Kくんと揃って念願の試合へ出場する事になりました。

しかもこの大会にはジムから自分とKくんだけでなく、黒田さんも出場する事に!


黒田さんはアマチュアで既に2戦の経験済み(といっても黒田さんもオープン戦のみ)

ところが、この頃のアマチュアはルールが厳しく、フックを打つとオープンブローを注意されたり、ダッキングなどの頭を動かすディフェンス動作が大きければバッティングの注意が来たりと少し勝手が違いました。


当時はこちらのグローブを使用。


黒田さんもスパーリングではジム内で無双していたものの、アマチュアでは注意が重なり反則を取られて失格負けが続いていたのです。


黒田さんはアマチュア初勝利を!

自分とKくんはデビュー戦勝利を目指して大会へ臨むのでした!


そんな3人が出場するアマチュアの大会は横浜市民大会。

会場は横浜文化体育館で行われます。


初めはスパーリングこそまともに出来なかったものの、徐々に色々な選手とやり合う事が出来るようになり、自信を深めていた高校生古橋。

もちろんKくんもモチベーションは高く、日々の練習にも熱が入っています。

黒田さんは相変わらずジム内で無双中。

相手になるのはプロ選手だけでした…


さあ!

そんなやる気に満ち溢れた3人がいよいよ試合当日を迎えました!


俺は実戦向きなんだ…

今日は華麗なるデビュー戦を飾ってやる!!!


そんな思いを胸に秘めた高校生古橋。

やる気に満ち溢れた当初の思いとは裏腹に試合開始時刻が近づくとどんどん不安になってくる…


相手強そうだな…

こんなグローブでやるのか…

今までの練習で大丈夫か…

なんて思ったり。


そんな不安をよそに先に試合を行った黒田さんはRSC勝ち!

つまりTKO勝利ですね。

その次はKくんで、しっかり見せ場を作っての判定勝利!

2人共に勝利で自分の番が回って来ました。


自分の不安は最高潮に達し、試合開始のゴングが鳴らされました。


そんな心理状態だと試合のリング上はいつもスパーリングでやっているリングの感覚ではなく、どこか雲の上にいるというか、フワフワとした地に足がつかない状態。


おまけに相手がやたら遠くに感じ、こちらのパンチは届かない…そんな感覚に陥りました。


そうなると手数を出す事が出来ず、1発良いのを入れてやる!と無駄に力んで大きいのを狙ってしまうもの。


その通りに相手がパンチを出す瞬間に右の大振りを振っていました。


当然ながらそんなパンチは当たりません。


2、3回繰り返すと相手も分かって来たのか、パンチを出すフェイントを入れて来ました。

そのフェイントに見事に引っかかり、右の大きな空振り…と思いきや、打ち終わった瞬間に相手の右がクリーンヒット!

そのままスタンディングダウンを取られてしまいました。


こうなるともうパニックです。


とにかく挽回しなきゃ!その為には1発デカいのを!と焦りが焦りを呼び、負の連鎖が始まります。


相手は当然同じパターンで攻撃に転じればいいので、この時点で勝負ありでした。


ダウンを貰った時のように、相手がフェイントを入れ、そのフェイントに見事に反応して右の大振りが空を切る…


違ったのは相手の打った右の感触でした。


グシャ!!!


と嫌な音がしたと思ったら左目の視界が歪んでいます…


それと同時に強烈な痛みと吐き気。


完全に戦意を失ってしまいました。


最初と同じくスタンディングダウンを取られてカウントが進みますが、途中でストップの合図。


セコンドは止めるの早いよ!と不満気でしたが、当の本人は


「早く止めてくれて良かった…」


と完全に戦意喪失。


今思っても本当に情けない笑


1R1分程でRSC負け(TKO負け)


終わった…と安心したのも束の間。

強烈な痛みと吐き気が思い出したかのように襲ってきました!

1人では歩けず、その場でへたり込んでしまう程に。


腫れはないものの、もしや眼窩底骨折では?との疑いが。


安静にしてても回復の見込みが無いため、会場へ救急車を呼ぶことになりました。


大丈夫?


と周りからの心配を受けるも尋常じゃない痛みと吐き気にそれどころではありません。


少しして救急車が会場へ到着。


試合を終えた全選手、スタッフが心配そうにこちらを見ている中、自分は救急車へと運ばれました。


「情けない…」


救急車へ乗るまで痛み、吐き気に加えて情けなさが自分を襲いました。


そのまま病院へ運ばれ診察を受けるも眼窩底骨折は無く、安静にすれば回復するだろうとの診断。


その時の様子をこちらにも簡単に書いたのでよろしければご覧ください。

孫創基トレーナー
https://ameblo.jp/daisuke---f/entry-12666357925.html

という事で、アマチュアデビュー戦は現実を突きつけられる苦い苦い思い出で終わりました。

次回はプロデビュー戦へ。
早めに更新します…

さあ、いよいよ実戦が始まります!



俺は実戦派だから!


寸止めのマスなんかじゃ実力分かんないから!



なんて謎の自信を持ってスパーリングをする事に。



前の投稿にも書いた通り、テレビの世界戦とはじめの一歩でしかボクシング知識が無かったので、ジムのプロ選手はそうでもなさそうに思っていたんです。




そんなみんなが驚くであろう古橋のスパーリング相手を務めるのは自分より少し前に入った1つ下の当時中学3年生だったプロ志望の練習生。



後に同時期にプロデビューをしたKくん!



シニアリーグで野球をしていた為、クリクリの坊主頭で見た目は正直強くなさそう…



「よし!絶対勝てる!」



スパーリングなんで勝ち負けは当然ないのですが、頭の中では圧勝してるイメージしかなく、その勢いのまま開始ゴングが鳴りました!



「パーン!」



まず初めに相手のジャブが自分の顔面を捉える!



クソー!こっから倍返しに…



と思っていたものの、身体は頭と正反対にガッチリとガードを固めていました。



そう、カメ作戦に逆戻り。



「そうだ…相手も本気で殴りに来てるんだ…」



殴ることしか考えていなく、殴られることはすっかり忘れていましたが、1発の被弾から、その恐怖心が一気に古橋を飲み込みました。



手を出そうにも下を向いてしまい、しゃにむに手を出したところで当然相手には当たらず、こちらが疲労するだけ。



言い忘れていましたが、スパーリングのグローブは試合の倍近い重さがあり、しかも初めてのスパーリングという事で、フカフカタイプのおもちゃみたいなグローブを使用していました。

これですね。



なので、空振りするにも疲労が伴い、フカフカのせいで当たったとしてもそこまで手応えないんです(その割にやたら怖かったのですが…)



「ストーップ!!!」



スパーリングを見かねた孫さんから中止の合図。



初スパーリングは1R1分弱でTKO負け。



ショック…



殴られるのがこんなに怖いのかと…



今までの甘い考えが根底から覆されました…



今まで殴り合いの喧嘩をした事がなかった古橋には全てが初体験で理想と現実のあまりの差にしょんぼり…



ただ、ここで不思議だったのは辞めたいと一切思わなかったんですよね。



くそーっ!!!と悔しさが圧倒的に上回りました。



今は恐怖心が上回ってるけど、本当の俺はもっと強いから!



と根拠のない謎の自信が消えることはありませんでした。



それから何度もスパーリングを重ね、少しずつ少しずつ成長して行ったんです。



まずはガードで固まるのを防ぐためにとにかく固まらず動くこと。



止められなくなって来たら練習して来たパンチを出して行く…と。



本当に少しずつ。



初めはKくんだけだったスパーリング相手も他の練習生ともこなせるようになり、なんとか2ラウンドのスパーリングを誰が相手でも止められずにこなす事が出来るようになって行きました!



こうした成長が実感できると嬉しくて堪らないんですよね。



休めと言われていたのに休みの日は作らず、週7日毎日ジムへ通っていました。



そんなスパーリング、練習態度が認められるようになってくると格上のプロ選手の相手を務める事が出来、Kくんと交代交代でプロ選手に挑んだり。



大した事ないと思っていた4回戦のプロ選手でしたが、当然ながら実力の差はハッキリ。



止められずにこなせていたスパーリングもプロ選手相手には全くと言っていいほど歯が立ちませんでした…



悔しくて次にまたプロ選手とやるまでにKくんと共に練習、スパーリングで打ちのめされる…



といった感じで格上のプロ選手ともスパーリングを重ねて行き、毎回やられはしたものの、段々と自信を深めて行くことが出来ました。



そんな練習をこなしていると試合がしたくなってくるもの。



当然プロになるのはまだ早かったのですが、アマチュアの大会があると孫さんから聞き、練習を共にこなしていたKくんと一緒に出場したいと孫さんに懇願!



このアマチュアの大会はオープン戦でトーナメント形式ではなく、1試合のみで終わるもの。



ほとんどが高校ボクシング部に入りたての選手やプロデビュー前のジム所属選手が出場する大会。



つまり自分達とほぼ同じ経験年数の人達が出場する大会でした。



2人の熱意が通じたのか会長からも許可を得てアマチュアの大会へ出場する事が決定!



今度こそ自分の力を発揮する時が来たのです!






アマチュアデビュー戦へ続く…


毎日の練習に取り組む姿勢を見ての判断なのか、孫さんから実戦練習をするためにマウスピースの準備をするようにとのお言葉を!

 

 

まずはスパーリングの前にマスボクシングという寸止めでパンチを当てないスパーリングをプロ志望の練習生とすることに。

 

 

初めての実戦練習でめちゃくちゃ嬉しかったのを覚えています!

 

 

というのも、初めての実戦練習でこれからさらにレベルアップ出来る!という思いに加えて、新田ジムは出来たばかりだったので、プロ選手自体が少なく、プロ選手がいても4回戦。

 

 

ボクシングを始めたばかりの古橋ははじめの一歩とテレビでやっているボクシングしか知らないわけですよ。

 

 

おまけにテレビのボクシングを見ていても

 

「なんでもっと手出さないんだよ」とか「そんなパンチくらい避けろよ」

 

なんて思っちゃうわけです。

 

 

ご存知の通り、テレビでやるのなんてほとんどが世界戦。

 

 

深夜でやっていても日本、東洋のタイトルマッチレベルなので、ジムの選手を見ても、その…ね!

 

 

 

 

こんな勘違いしちゃうわけですよ。

 

 

だからこそ実戦練習で目立ってやろう!という下心もあったのですが…

 

 

結果は1R途中ストップ(TKO負け)

 

 

びっくりするでしょうが、本当に相手は寸止めで1発もパンチは当たらなかったんです。

 

 

原因はパンチに対する恐怖心。

 

 

下向いてガード固めたまま手も出せなかったんです。

 

 

殴り合いの喧嘩もしたことのなかった古橋は殴られる恐怖を知らなかったんですね。

 

 

ボクシングに対する認識の甘さを痛感し、千堂さんからも諭されている気分でした。

 

 

これは由々しき事態!

 

 

4回戦のプロ選手が大したことないと思っていたけど、まさかの練習生相手に何も出来ないとは…

 

 

理想と現実の差はあまりに大きく、この世界でやっていけるのかな…と一瞬凹んでいました。

 

 

が、それ以上に一歩進めた嬉しさの方が断然大きかったのです。

 

 

そんなもんすぐに乗り越えてやるよ!という気持ちが圧倒的に上回っており、これ以降、練習に来た際は必ずマスボクシングの練習を孫さんにお願いしていました。

 

 

そうして1ヶ月程続けた結果、パンチへの恐怖心も薄まり、次はいよいよスパーリングというところまで辿り着くことが出来たのです。

 

 

 

 

 

スパーリング編へ続く。