この記事は、穂吉のブログの「2012-07-06 15:20:14」にUPした『日本の神話53. ~第二部 芦原中国の神々~  =第二章 国ゆずり=』という記事を再編成してUPしています。



最初のお話し 『日本の神話01』     前回のお話し 『日本の神話52』



 建御雷之男より、芦原中国の平定の報告を受けた天照大御神様は、やっと安堵され笑みを浮かべました。

 そして早速、御子の忍穂耳命様を呼び出したのです。

『忍穂耳命よ。たった今、地上を制圧したと報告が入った。以前に言い渡した通り、地上に降りて芦原中国を治めよ。』

 すると、日継(ひつぎ)の御子の忍穂耳命様は、

『これまで地上に降りる準備をしてまいりましたが、その最中、私の子供が生まれました。名を邇邇芸命(ににぎのみこと)と申します。地上には、この子を差向けたいと思いますが、よろしいでしょうか。』

この御子は、忍穂耳命様と高御産巣日之命様の姫、万幡豊秋津師比売命(よろずはたとよあきつしひめのみこと)様との間に生まれた御子様でした。

 天照大御神様と高御産巣日之命様、御二柱の血を受け継ぐこの御子ならば、地上に降りる神として申し分ありません。

 御二柱は、忍穂耳命様の願いを了承されたのでした。

 孫であるこの若き神が旅立つ時、天照大御神様は、祝福の言葉と指示を伝えました。

『豊葦原水穂国(とよあしはらみずほのくに)は、今より、そなたが治める国であると宣言する。そなたはこれより、地上へと天下り(あまくだり)、その地をしっかりと治めよ。』

 こうして天照大御神様の孫、『天孫』は地上へと送り出されたのでした。



- 追 記 -

『忍穂耳命(おしほみみのみこと)』様は、
https://ameblo.jp/daijun415/entry-11282387885.html『日本の神話42 天神たちの思い』や、
https://ameblo.jp/daijun415/entry-11261926234.html『日本の神話15 天安河にて』  
にも出てまいりましたが、御本名を
『正勝吾勝勝速日天之忍穂耳命(まさかあかつかちはやひ あめの おしほみみのみこと)』様と仰り、天照大御神様と須差之男命の誓約の時にお生まれになられた神様です。

『万幡豊秋津師比売命(よろずはたとよあきつしひめのみこと)』様は、機織りの神様です。

『邇邇芸命(ににぎのみこと)様』は御本名を
『天邇岐志国邇岐志天津日高日子番能邇邇芸命(あめにぎしくににぎしあまつひこひこほのににぎのみこと)』様と仰られます。
『天津日高日子』とは、『天照大御神様』の直系(嫡流)の日嗣の御子であることの尊称です。
『番能邇邇芸』は、稲穂が豊かに実るという意味です。


そして次回からは、~第三部 天孫降臨~ の部に入ります。

ご皇室の祖であられる、邇邇芸命様がいよいよ地上に降りられます。
皇室の歴史に思いを馳せる、そのキッカケの読み物となれたなら幸いです。



ここまで読んでくださって、ありがとうございます。

おしまい。
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