この記事は、穂吉のブログの「2012-06-25 14:51:41」にUPした『日本の神話42. ~第二部 芦原中国の神々~  =第二章 国ゆずり=』という記事を再編成してUPしています。



最初のお話し 『日本の神話01』     前回のお話し 『日本の神話41』



 大国主命による芦原中国の平定がほぼ完成したころ、天の国である高天原では、天照大御神様がこの下界の様子を見て思案を練っておりました。

 天照大御神様や高御産巣日之命(たかみむすびのみこと)様には、大国主命のやり方が、高天原の神たちの意には沿っていない様に思えたのです。

 地上は、黄泉の国の神となった須差之男命の子孫や、土地の神である国つ神が治めるのではなく、ご自身の血を引く天津神の子孫が治めるべきだと天照大御神様は考えていたのです。

 それゆえに、このまま芦原中国を、いつまでも国つ神たちの思うがままにさせてはおけぬと思案していたのです。

 そこで天照大御神様は、ご自身の御子の天之忍穂耳命(あめのおしほみみのみこと)(男神)様に、

『忍穂耳(おしほみみ)よ、秋之水穂国(あきのみずほのくに)(芦原中国)は、そなたが治めよ。』

そう仰ると、天之忍穂耳命様を下界へと向かわせたのでした。

 まず天之忍穂耳命様は、天浮橋(あめのうきはし)に立たれ、そこから下界を眺めてみました。

 すると下界は、何とも荒ぶれており、ひどく騒がしいように見えたのです。

 このまま下界に行ってもすんなりと芦原中国を治める事は出来ぬだろうと、天之忍穂耳命様は判断をしました。

 そこで一旦、高天原に引き上げられた天之忍穂耳命様は、ご自身の目で見たままの下界の様子を、母である天照大御神様に伝え、今後のご指示を仰がれたのです。



- 追 記 -

『高御産巣日之命(たかみむすびのみこと)』様とは、最初の頃にも出てまいりましたが、高天原という、天の神様方の住まわる世界の中で、最初に生まれた『原初の三柱の神』の中の一柱です。
原初の三柱の神のあとの二柱は、『天御中主神(あめのみなかぬしのかみ)』様と、『神産巣日之命(かみむすびのみこと)(大国主命を庇護している神)』様です。

『天之忍穂耳命』様も、この神話の最初の頃に出てまいりましたが、御本名を
『正勝吾勝勝速日 天之忍穂耳命(まさかつあかつかちはやひ あめのおしほみみのみこと)』様と仰います。

『秋之水穂国(あきのみずほのくに)』とは、『豊葦原之千秋長五百秋之水穂国(とよあしはらのちあきのながいおあきのみずほのくに)』という日本の正式名称を略した言い方です。

『天の浮橋』も最初の頃に出てきましたが、天と地上(下界)を結ぶ橋のことです。



ここまで読んでくださって、ありがとうございます。

おしまい。
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