こんにちは、第一法規「法律トリビア」ブログ編集担当です
○「私には時間がない」
最近仕事や家のことなどいろいろと忙しくて、
「あー、時間がない!」というのが口癖になってしまいました。
先日また「時間がない!」とつぶやいたとき、
ふと、19世紀フランスの大数学者、ガロアが亡くなる直前に走り書きした、
「私には時間がない」
という言葉を思い出しました。
ガロアは、現代の数学にも大きな影響を与えている重要な研究を残した人ですが、
それらの業績はなんと10代のときに挙げられたもので、
ガロアはわずか20歳で亡くなってしまいました。
亡くなった原因は、「決闘」なんだそうです・・・!
ガロアは、20歳の時に決闘を申し込まれ、それを受けて立ちました。
決闘の前日に、最後の研究のアイディアなどを友人への手紙に書き記していた時、
「私には時間がない」という走り書きをしたそうです。
ガロアさんに比べると、私の「時間がない」なんていうのはとても小さな悩みですね・・・。
というようなことを考えていて、決闘をすると犯罪になることを思い出しました。
○決闘したら罪になる
明治22年に制定された「決闘罪ニ関スル件」という法律には、
決闘をした人には2年~5年の重禁錮が科されると規定されています。
決闘罪ニ関スル件(明治22年法律第34号)
第2条
決闘ヲ行ヒタル者ハ2年以上5年以下ノ重禁錮ニ処シ・・・
なお、ここで「重禁錮」と書かれているのは、現在は「刑法施行法」により、
「有期懲役」として取り扱われています。
刑法施行法(明治41年法律第29号)
第19条第1項
第2条
刑法ノ刑 旧刑法ノ刑
・・・
有期懲役 ・・・重禁錮
・・・
◯決闘を申し込むだけでも罪になる
また、第1条を見ると、決闘を申し込んだだけでも罪になると規定されています。
決闘罪ニ関スル件
第1条
決闘ヲ挑ミタル者又ハ其挑ニ応シタル者ハ6月以上2年以下ノ重禁錮ニ処シ・・・
このように、
・決闘を挑んだ人
・それに応じた人
のどちらにも、6か月~2年の重禁錮が科されます。
◯決闘に立ち会った人も罪になる
さらに、決闘に立ち会った人や、立ち会うことを約束した人、
決闘罪ニ関スル件
第4条第1項
情ヲ知テ決闘ノ場所ヲ貸与シ又ハ供用セシメタル者ハ罰前項ニ同シ
◯現代でも適用されるケースがある
現代でも、この「決闘罪ニ関スル件」が適用されるケースがあります。
2003(平成15)年3月6日の福岡地方裁判所の判決によると、
判決では、以下のように、地域社会に大きな不安を与えるかたちで
「・・・被告人らは,深夜,公衆のために設けられた公園内に暴走族を集合させ,多数の見物人のいる中で暴走族の代表者同士による私闘を行うなど,地域社会に大きな不安を与える態様で本件決闘を行っており,・・・」
ガロアが決闘をせずにもっと生きていたら、
(この記事は、2017年8月28日時点の情報に基づいています)
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いかがでしたでしょうか。
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是非、次回もお楽しみに
by 第一法規 法律トリビア編集担当