甲陽学院は灘と同様に2日間(2回)にわたって算数の試験が行われます。
ともに55分で大問6問の構成です。
今回は、甲陽学院の2日目の問5思考力×数の性質の問題の紹介です。
一見よくある典型問題に見えますが、工夫の必要な問題設定になっている学習効果の高い良問です。
この問題は、よくある約数の個数でなく、1~100の中の倍数の個数の問題ですね。
ということは100の中に倍数の基準となる数で割ってあげた商を考えればいいと
まず一手目としての方針が立ちます。
(1)100で割って2なんだから、2と3が境目。
100÷3=33あまり1⇒だから34以上が必要,100÷2=50
答え33~50
(2)こういう問題はていねいに数え上げる中で規則性が見えるかを考えることが一手目の方針です。
(1)を参考に
【1】=100、【2】=50、【3】=33、【4】=25、【5】=20、【6】=16、【7】=14、【8】=12
【9】=11、【10】=10、・・・・
となりますが、【100】までずっとこれを計算しますか?
何か工夫が必要なはずです。
この1~10までの試行でなにか気づきませんか?
【11】=9となるので、11は9、12は8、13と14は7と上記表から読み取れます。
なので、【11】=9、【12】=8、【13,14】=7、【15~16】=6、【17~20】=5、
【21~25】=4、【26~33】=3、【34~50】=2、【51~100】=1となるので
100+50+33+25+20+16+14+12+11+10+9+8+7×2+6×2+5×4+4×5+3×8+2×17+1×50=482
答え482
これはガウス記号の問題の応用です。
格子点を数える問題なのですが、直線上の格子点であれば数得やすいのですが反比例のグラフの格子点なので工夫が必要でした。
(1)で【34~50】=2を答えさせたのは(2)のこの工夫に気づかせるためのものでした。
【中学受験の算数で苦労している方へ】「中学受験は算数で受かる」の紹介と算数の成績が上がるための重要な4つのポイントの具体的な取り組み方法について
ここに記載している、
1.問題を解くときは意図を考えるクセをつける
を普段から実践できているかですね。
(3)この問題で気をつけないといけないのは考えるのは99までであること。
この問題であえて99までにした理由が分かりますか?
100を素因数分解すると2^2×5^2より約数は9個。
だから答えは(2)の482-9=473となります。
なんでそうなるかって?
1から100までの約数表 を見るとわかります。
(2)の逆をやっているだけです。
約数1は100個。約数2は50個。約数3は33個。・・・
だから100の約数分だけ除いてあげればいいので。
(3)で100までの問題設定にしたら(2)と答えが同じになるのであえてそれを避けたのでしょうね。
この仕組みが分かっていないと100だとしても正解は難しいとは思いますが。
答え473
ということで(2)が計算が大変で、(3)は仕組みの理解が大切な問題になっていました。
いい問題ですね。
ちなみに(2)でもし直線上の格子点を数える問題だったとしたら、いくつアプローチの引き出しがありますか?
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