村田諒太 vs ゲンナジー・ゴロフキン | R I N G C H E C K !

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打撃系格闘技の練習や試合についてのブログでしたが、
現在は海外ボクシングとムエタイの記事が中心です。
知り合い・近親者向けに書いています。



こんな時代、 こんな時だからこそ、 ボクシング競技を錬磨した者にしか表現する事の出来ない拳の交換、 お互いに向けたリスペクトの精神が尊く、 美しい。 日本ボクシング史上最大規模20憶円興行 ( 村田選手5億、 GGG15億 ) となった一大決戦。 その規模に恥じぬどころか、 こちらの予想を遥かに超える激闘を魅せてくれた村田選手とGGGに心から賛辞を贈りたいです。












バトラー戦 以来の村田選手、 シェルメタ戦 以来のGGG、 両者ブランクがどう影響するか、 一抹の不安はありましたが、 蓋を開けてみれば お互い素晴らしい仕上がり、 GGGの肉体の仕上がりがニュースサイトで話題になっておりましたが、 淡々とした表情の村田選手からは逆に覚悟を感じました。 おそらく ブラントⅡ 以上の覚悟を持って今試合に臨んだ村田選手 … その気迫の凄まじさたるや … 。






▼ 村田諒太 vs ゲンナジー・ゴロフキン







今試合、 当ブログでの採点は以下の内容となりましたが ↓ ↓ ↓








これは あくまでもマスト採点であり … 実際の試合内容は どのRも拮抗しておりました。 GGGがこれまでのキャリアで見せた事のないような後退シーン&明らかに効いているシーンを何度も見せるなんて … やはり村田選手の拳はGGGにとっても脅威の拳なのです。













当ブログでは以前より 村田選手のスタイル変遷 や、 村田選手が如何に規格外の日本人選手であるかを、 五輪時代の旧共産圏/中南米強豪達との激闘を分析する事で説明して参りましたが … レジェンドGGGを前にしても やはり村田選手のボクシングスタイルは揺るぎない … それどころか空白の2年で更にアップデートされており、 通常のワンツーからの左レバーショットのみならず、 ツーを右ボディストレートに変換させたワンツーがゴロフキン唯一の弱点とも言えるボディを削り取っていきます ( ディフェンス面においてもブロックのみならず、 GGGの後続打をダック/ウィービングで外す新たな一面が見られました。 )





しかしながらFG・FOG筋群総動員 全弾 強パンチの村田選手のスタイルは持久力に欠け、 リズムにも乏しい。 序盤でリズムを読んだGGG、 村田選手のパンチ初動と真逆の、 軽いリズムからインパクトポイントだけに重くアジャストしたパンチ を村田選手のガードの隙間を縫わせるよう角度を変えつつ ゴツゴツとヒットさせていきます。





展開的には お互いが この繰り返し・応酬。 どちらの精神/肉体が先に朽ち果てるか、 といった勝負だったと思います。 その中で、 シェルメタ戦 でも見せたボクシング幅を小出しにして、 徐々に村田選手を包囲していくGGG … 下り坂とは言え、 GGGは今現在も尚 偉大なるレジェンドボクサーでした。 決定打は、 村田選手の左に被せたフック気味の右クロス ! ! !















まさに死力を尽くした勝負 … 敗れた村田選手に対しても賛辞以外の感情が出て来ません。 思えば、 村田選手はアマチュア時代 高校でインハイ・国体・選抜を制し、 大学では全日本選手権制覇、 その後は世界選手権銀メダル、 オリンピック金メダルの快挙。 プロ転向後は いきなり東洋太平洋王者をKO、 世界戦では不当判定を味わったり、 敵地での敗戦もありましたが、 いずれもリベンジ戦では圧倒勝利。 更に ここに来てミドル級の歴史に残る名チャンピオンGGGと命を削り合うような世界戦を行なうなんて … 凡そボクシングという競技で体現出来る事は全て体現し尽くしたんじゃないか … と言えるような人生であり、 日本ボクシング史上に残る偉大な選手だと思います。





そういう選手だからこそ、 GGGも最大限のリスペクトを村田選手に表したのでしょう。 もう一度言います。 こんな時代、 こんな時だからこそ、 ボクシング競技を錬磨した者にしか表現する事の出来ない拳の交換、 お互いに向けたリスペクトの精神が尊く、 美しい。 こちらの予想を遥かに超える激闘を魅せてくれた村田選手とGGGに心から賛辞を贈りたいです。













結果:GGG 9R TKO勝利