サウル・カネロ・アルバレス vs ビリー・ジョー・ソーンダース | R I N G C H E C K !

R I N G C H E C K !

打撃系格闘技の練習や試合についてのブログでしたが、
現在は海外ボクシングとムエタイの記事が中心です。
知り合い・近親者向けに書いています。




ララ、カーン、ジェイコブス、何よりメイウェザーとの戦いの中で感じた カネロ の対アウトボクサーにおける一点のビハインド。これに注目し、現役スーパーミドル級界隈でのサウスポーアウトボクサー最高峰でありつつ心底スライな ソーンダース には期待していましたが…。





▼ サウル・カネロ・アルバレス vs ビリー・ジョー・ソーンダース







結論から言うと、初回から決定Rまで全てカネロのリズム、カネロのリングジェネラルシップ、カネロのクリーンエフェクティブヒット炸裂しまくり ^ 最近のカネロ定番の重厚なウォークオン、ソーンダースがバックギアを踏む必要が無い程度のジリジリ匍匐前進プレス、耐え切れなくソーンダースが手を出して来た所を後出し強振。基本的にはこのパターンの一本。





ソーンダースならばカネロの演出に騙されず超長距離を取ったり大きくバックギアに入れる展開を作ってくれるかな…と思ってましたが…一切ありませんでした。スリッキーな要素も無くカネロに騙されっ放しで同距離保持から無理矢理のリターン→そこに更に追い打ちされ、また削られる、の繰り返し。しつこく手数で対応しようと試みる場面もありましたが、その場合カネロはスッとバックステップして決して無理はせず。カネロは安全運転の範疇から決して出る事は無く、危機管理も保険もきちんと行き届いた行動範囲内での試合だったと思います。





カネロの後出しに対して更にカウンターを合わせるという離れ業を難なく遂行していたメイウェザーって…やはり全くの別格なのだな…と。ソーンダースが所々ジャブやボディストレートで善戦していた、と見る評論家もいるようですが、ボクシングという競技はマクロ(戦略)でまず優位性を保っていなければミクロ(戦術)で幾ら抗っていても勝てない競技なのです。





カネロ、終盤にはソーンダースのアタックも見切り、フックをスウェーバックからプルカウンターと同タイミングのカウンターアッパー(この場合もストレートのカウンター同様、重心を整える為に前手を振り子使いする)でソーンダースの眼底破壊。戦術面でも完璧に封じ込めるに至り…ソーンダース、ギブアップ ! カネロは歴戦ですっかり帝王学を身に付けてしまったようです。あらゆる意味を込めて強過ぎる。カレブ・プラント、ベナビデス弟、チャーロ兄でも勝てないでしょう。ライトヘビー級で ベテルビエフ とやるくらいしか勝負論が見出せないのでは…。




















◎ 結果:カネロ 8R TKO勝利







▼ アンダーカード