アルツール・ベテルビエフ vs オレクサンドル・グウォジク | R I N G C H E C K !

R I N G C H E C K !

打撃系格闘技の練習や試合についてのブログでしたが、
現在は海外ボクシングとムエタイの記事が中心です。
知り合い・近親者向けに書いています。




これは個人的に今年最大級の組み合わせの一つ。 勝負論としては レリク vs プログレイス 、 ワーリントン vs ガラハド 以来のワクワク感です ^ なんたって当ブログでも随分追ってきた ベテルビエフグウォジク ですからね !













ちなみに私の事前予想はグウォジクの判定勝ち。 12回戦でのベテルビエフは冗長な展開を選ぶ事もあり、 グウォジクのミドルレンジキープ能力とワンツー、 右カウンターが試合を支配すると予想。 ステベンソンをICUにぶち込んだ その実力は伊達じゃないぞ、 と。






▼ アルツール・ベテルビエフ vs オレクサンドル・グウォジク







結論から言いますと、 私の予想は一ッつも当たりませんでした ^ ベテルビエフが信じられないほど強すぎる ! 以前より当ブログでも勝手にベテルビエフの事を “ ボクシングを覚えたグリズリー ” などと称してきましたが ^ 分かっているようで何も分かっていませんでした。 今回の試合をもって完全なる測定が出来ました。 ベテルビエフは 「 人外 」 決定です ^





初回の段階からグウォジクも今までと違う恐怖をハッキリと感じたでしょう。 あそこまで焦りを隠せず怯えた表情のグウォジクを初めて見ました ^ グウォジクの あの鋭いリードジャブ、 ワンツーが簡単に弾かれてしまい、 ベテルビエフに悠々とインサイドへの侵入を許してしまいます。





ベテルビエフはノッシノッシとウォークオンしているように見えて、 グウォジクの進行方向を塞ぐリングカットでサイドプレスを掛ける。 ベテルビエフの太い鉄棒のようなジャブや左フック、 これを出すと同時に距離を詰め強振出来る場所まで瞬間移動。 序盤のグウォジク、 これには対応するだけで手一杯だったと思います。 掠るだけでも効きそうなパンチ … 初回からダウンを奪われるグウォジク。













しかし3Rになると、 グウォジクも距離を徐々に測定し始め、 ボディジャブフェイントからの右、 ステップバックからの急襲ワンツーなど、 良いパンチをベテルビエフにヒットさせます。 中盤Rはベテルビエフも序盤のポイントを守りに入ったか、 グウォジクの中間距離に付き合う形のボクサーファイトを展開。





しかしながらこの展開でもベテルビエフに大きなビハインドは無いどころか、 逆にリングジェネラルシップを取っている … ベテルビエフは岩のようなゴツゴツした身体で一見不器用そうなボディワークをしているように見せ、 その実ストレングスの強さを活かした最小最短の足運び・ポジショニングを徹底。





グウォジクの方は、 ベテルビエフのパンチやフィジカルの強度に合わせて、 ほぼ全てのパンチを強パンチで強振している為、 普段のような繊細で緩急の効いたボクサーファイトが出来ない。 … それでも、 その苦しい中でも右カウンターやワンツーをクリーンヒットさせていくのは、 さすがグウォジクと言ったところか。













ただ、 グウォジクも これまでの相手なら この右カウンターで よろめかせ後退させる事が出来ましたが … ベテルビエフは このパンチを貰っても まるで何事も無かったかのように襲い掛かってくるのです ! ! 中盤以降は さすがに疲弊し、 削られ続けるグウォジク … この際 半端に打ち返すのをやめ、 バックギア全開に入れてパンチは ジャブ、 二軸右ストレート、 右クロスだけに絞って只管合わせるだけ、 という展開にしていたら … 多少の勝機も見出せたようにも思いましたが … この試合の展開ではパンチが交錯する度に効かされてしまうのはグウォジク … 。













9Rには完全にグウォジクを捕まえたベテルビエフ ! グウォジクが一方的に打たれ続ける … グウォジクが こんなシーンを見せる事があるなんて … 10Rは更に一方的な展開 … ダウンに次ぐダウン … もう止めてくれ ~ と思わず言葉が出てしまったくらい … ベテルビエフのヘビーハンドに晒されるグウォジクが不憫でした … 。





いやはや 凄まじいものを見ました … アマ時代ベテルビエフに二度負けているコバレフも … きっと恐怖を感じている事でしょう … ビボル は吐いた唾呑み込まないで欲しいですね ^ こうなったらスタイルウォーズ的にもビボルとの組み合わせが一番見てみたい !













◎結果:ベテルビエフ 10R KO勝利