井岡一翔 vs ジェイビエール・シントロン | R I N G C H E C K !

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打撃系格闘技の練習や試合についてのブログでしたが、
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年末 様々な格闘技が放送されておりましたが、 どの格闘技もそれぞれの素晴らしさを選手達が体現しており、 興味深い試合が多かったです。 井岡選手のこの試合も ボクシングだけが持つ奥深さ、 格闘技の中で最も制限の多い競技だからこそ魅せる事の出来る美しさなど、 オルタナティブなボクシングの魅力がしっかりと体現されており、 本当に見応えがありました。






▼ 井岡一翔 vs ジェイビエール・シントロン







しかし、 ヤフコメなどを見ていると元オリンピアのアウトボクサーに対して 「 アマスタイルが抜け切らない 」 という意見の多い事 多い事 … 元世界チャンピオンまで同様の意見を述べているのには吃驚です … 現行のアマルールを踏まえて試合を見てみれば全くの見当違いの意見だという事が分かるのですがね … 。 実際はアマもプロも関係無く、 それぞれ優れた インファイター、 ボクサーファイター、 アウトボクサーが “ 其処 ” に “ 居る ” だけなのですが。





さて、 本編の話に戻ります。 井岡選手、 アローヨ兄 との試合以降のスタイルを更に更にアップデートさせて来ており、 テッテ的 にアウトボクサーを追い詰める戦術に終始。





だけども相手は あの シントロン ですよ … 並大抵の相手ではありません。 サウスポーかつ高いモビリティと長いリーチを誇る元オリンピアに対し、 井岡選手は いつも通り やや蟹股のベタ足スタンスからのグライディング。 その音の無いグライディングは左右斜め前に向けての滑らかなアタック/チャージとプレスを機能させ、 シントロンの逃げ道を塞ぐ。 仕掛ける際はR毎にブロック&リターンと、 スリップ&ステップインを使い分け、 シントロンの正確なリズムを崩していきます。





シントロンもリードやストレートを掻い潜られた際はショートアッパーなど多彩なカウンタースキルで井岡選手からクリーンヒットを奪うも、 井岡選手は多少の被弾は覚悟の上で表情一つ変えずマシーナリーに自らのファイタースタイルを貫いています。 井岡選手、 コンビネーションの中で一つ急所への有効打を選び正確に浴びせる各ショットは今回特にボディに集中。 序盤はスピードに勝るリードやカウンターで井岡選手をのけ反らせて来たシントロンも、 徐々に被弾量が増え削られていきます。

















シントロンの序盤の展開やスタイル相性などを踏まえても、 アムナット戦 以前の井岡選手ならば負けていてもおかしくない相手だったと思います。 井岡選手が ここ数年で作り上げて来ているシステマティックなファイタースタイル、 進化レベルが凄すぎる。 今試合ではフットワークや打法の違いはあれども かつてのロマゴンのような整合性と美しささえ感じさせましたし、 今試合では見せなかったバックギアに入れた際のフットワークや しつこいまでの多角的なリードブローなども含めて、 いよいよ自身のボクシングスタイルを完成形に近付けている段階なのかと。 全盛期を迎えている今だからこそ、 エストラーダとのメガマッチ、 本当に観たいです !






結果 : 井岡選手 12R 判定勝利 ( 116-112×2、 115-113 )